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公開日 2017/12/16 15:00

<ポタフェス>AKのオーディオモジュール搭載、新ブランドACTIVOから小型DAP「CT10」登場

AKと同じIRIVERグループ
編集部:小澤貴信
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(株)アユートは、本日開催のポタフェス2017 WINTERにて、ハイレゾ音楽配信サイト「groovers Japan」が新たに立ち上げるポータブルオーディオブランド「ACTIVO」(アクティヴォ)を取り扱うと発表。同ブランドの第一弾製品となる小型ハイレゾDAP「CT10」を披露した。

ACTIVO「CT10」

CT10の実機を手にしたところ

現時点で発売日と価格は未定。グローバルプライスも現時点で未定とのことだが、同社によれば「300ドル以下になるよう調整している」とのことだった。

ACTIVOは、groovers Japanが「ハイレゾで聴く音楽の深い感動を、もっと多くの方々に知って欲しいという思いを形にした」というポータブルオーディオブランド。若い世代でも気軽にハイレゾを楽しめるような環境を提供することを目指して、ポータブル製品の展開を行っていく予定という。

第一弾となる「CT10」は、最大で192kHz/24bitのPCM、および5.6MHz DSD(PCM変換)の再生に対応したポータブルオーディオプレーヤー。

本体側面部に各種ボタンやSDカードスロットを搭載

ラウンドしたフォルムが特徴的な背面部

ヘッドホン出力は3.5mmアンバランス端子のみを搭載。最大256GBのSDHC/XCカードに対応したmicro SDカードスロットを備える。内蔵メモリーは16GB(システム領域含む)。

DACはシーラスロジック「CS4398」を1基搭載。このDACを含めたオーディオ回路には後述する「TERATON」モジュールを採用する。USB-DAC機能、およびUSBオーディオ出力にも対応している。

多角形状のボリューム部

ヘッドホン出力は3.5mm端子となる

最新のスマートフォンユーザーでもストレスを感じない、滑らかかつスピーディーな操作性を実現するために、優れた処理速度と反応速度、高い安定性を備えたクアッドコアCPUを搭載。レスポンスの早いユーザーインターフェースを実現したという。また、優れた処理性能により、ハイレゾ音源を安定して高音質再生できるという。

ユーザーインターフェースの主な画面

DACやアンプを含むオーディオ回路については、グループ企業であるIRIVER社が開発を支援。Astell&Kernが手がける一体型モジュール「TERATON」を搭載する。このTERATONモジュールは、DAC・クロックジェネレーター・ヘッドホンアンプなどの主要なオーディオ回路をモジュール化したもので、Astell&Kernが同社技術のB to B提供をすることを目的に開発された。TERATONを用いることで、高音質を実現しつつ、本体の小型化も実現できたという。

TERATONモジュール

このTERATONモジュールは、DAPだけではなく、スマートフォンやホームオーディオ製品、カーオーディオ関連製品に対して提供することも想定して開発されているという。

TERATONモジュールは、DAP以外のオーディオ製品での利用も想定されている

再生可能なフォーマットは、WAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/AAC/ALAC/AIFF/DFF/DSFとなる。

ヘッドホンアンプ出力は、22mW(8Ω)/36mW(16Ω)。S/Nは115dB、THD+Nは0.0005%となる。

本機はWi-FiおよびBluetoothに対応。Wi-Fiを通じて、CT10のメニュー内にあるgroovers japanアプリから、直接ハイレゾ音源を購入・ダウンロードできる。また、ロスレス音楽ストリーミング「TIDAL」(日本ではサービス未導入)を本機から聴くことができる。

DLNA Link機能を搭載しており、同じネットワークに接続しているパソコンやNASの音源を本機から再生したり、本機へ直接ダウンロードすることもできる。汎用のDLNAアプリから、CT10の音楽再生や音量をリモートコントロールすることも可能だ。

Bluetoothはバージョン4.1で、プロファイルはA2DPおよびAVRCPに対応する。

5種類(Classic・Jazz・POP・Club・Rock)のプリセットイコライザーを搭載。任意の調整も可能で10分割した帯域をそれぞれ-10から+10の間でゲイン調整できる。

イコライザー機能も搭載

USB-DAC機能を備え、パソコンなどで再生した音源を本機から再生することが可能。USBオーディオ出力機能(DSDのDoP出力対応)も備えており、本機をトランスポートとしてUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプへ音楽を出力することもできる。

ユーザーインターフェースにおいては、上述のようにスマートフォンに慣れたユーザーでもストレスを感じない高速レスポンスかつ安定した操作性を目指したとのこと。プレイ画面を中央に配置て、上下左右にドラッグすることで各機能のページに移動可能。頻繁に使う機能は「お知らせ」に設定しておくことで簡単にアクセスできるという。

音楽再生中の画面

本体左サイドには、曲のスキップ・再生・停止ボタンを配置。本体右サイドのボリュームホイールは、アナログ的かつ直感的な操作性に配慮。細かい音量調整が可能とのことだ。

内蔵バッテリーは2,500mA。ディスプレイは解像度480×854の3.4型でタッチ操作対応となる。外形寸法は約65.2W×93.2H×15.5Dmm、質量は約112g。

ハイレゾ配信サイトが手がける新ブランド「ACTIVO」

上述のようにACTIVOは、groovers Japanが「より若い世代にも手軽にハイレゾを楽しんでもらうこと」を目的に新たに立ち上げた新ブランドとなる。同社ではCT10を企画するにあたり「音楽の感動を伝えるためにはクオリティが何より重要」と考え、グループ企業であるIRIVER社に「CT10」の開発支援を要請。結果としてCT10においては「Astell&Kernの技術力を凝縮した形で投入することに成功した」と紹介されている。

なおACTIVOというブランド名については、アクションを意味するラテン語「ACTIO」と、活気や生命力を意味する「Vital」を組み合わせた造語で、「生命力に満ちあふれ、力強くアクションを起こす」という意味が込められているという。

ポタフェスの会場にて、この「CT10」の発表会が開催。発表会ではgroovers japanのCOOであるベ・ソンミン氏が挨拶。ハイレゾ市場はこの3年間で急激な成長を遂げているとして、「CT10」開発の背景となったハイレゾの利用状況についてプレゼンを行った。

ベ・ソンミン氏

RIAJの調査によれば、すでにハイレゾの認知度は50%を超えていて、さらには「利用している・ぜひ利用したい・利用したい」と答えた方は23.7%だったという。また、2017年のハイレゾのダウンロード数は前年比で62%増だっとソンミン氏。ハイレゾ市場は認知度・利用意向共に上昇しており、さらにはユーザー層も女性や若い世代へ広がっているとした。

ハイレゾの認知度は50%を上回るとソンミン氏

有料音楽ユーザーの割合が多い10代を特に意識しているという

一方で、有料で音楽を利用するユーザーの割合は10代が74.3%と各世代で最も多いという調査結果もあるとのこと。ただし、10代がお金を支払った音楽商品の内訳をみるとCD購入/レンタルが最も多く、それにライブのチケット購入が続く。ハイレゾ音源を購入する割合まだまだ低い。

ソンミン氏は、そのハードルとなっているのは「価格」「携帯性」「敷居の高さ」だとして、こうした「こうした先入観を超えて、ハイレゾを楽しんでもらいたい」とCT10の発売に至ったと説明した。また、今後もハイレゾをさらに身近に聴ける環境を整えるため、ポータブルオーディオプレーヤー以外にも商品ラインナップを拡大していくと述べた。

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