• ブランド
    特設サイト
公開日 2018/09/03 07:06

<IFA>LGの88型・8K有機ELとマイクロLEDディスプレイを見てきた。気になる商品化時期は?

ブース全体は“AI推し”で展開
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
LGエレクトロニクスがIFA2018に88型の8K有機ELテレビを出展することは既にファイルウェブのニュースで報じられている通りだが、実際にブースに足を運んで画質を確かめてきた。

■88型・8K有機ELの実力は?テレビも強力にAI対応を推進

LGは今年のCESで有機ELテレビの新製品として、すべて型番に「8」を関するW/G/E/C/Bの5シリーズを発表している。IFAのタイミングでは欧州向けとしてそれぞれのシリーズが商品として発売されたことをアピールした。

2018年モデルのスマートテレビはGoogleアシスタント内蔵。LG独自のThinQも対応するハイブリッドAI仕様だ

またAIアシスタントについてはLG独自の「ThinQ(シンキュー)」とグーグルの「Googleアシスタント」をハイブリッドで搭載していることも大きな特徴になる。

ThinQはいま世界10カ国・14言語に対応している。各国言語で操作できる様子が紹介されていた

前者についてはテレビの音量やチャンネル切り替えが音声入力によってできるだけでなく、映像モードや入力ソースの切り替えなどにも対応している。同じLGのThinQプラットフォームに対応するロボット掃除機やエアコン、空気清浄機などのスマート家電の遠隔操作もテレビから行える。

Googleアシスタントはリモコンのボタンを押して話しかければ、現在日本でも発売されているスマートスピーカーに似たスマートな使い方ができるようになる。

テレビは着実な「8シリーズ」のローンチ以外にも、IFAでは88型・8K高解像度の有機ELを世界で初めて披露した。映像処理プロセッサー「α9」のほか、チューナーやソフトウェアなどをフルに組み込んだ“テレビ”として組み上げられた試作機がブースの入口で来場者を誇らしげに迎えていた。

88型・8K有機ELテレビのプロトタイプ

LGエレクトロニクス本社Broadcast/Global Communications Team Corporate Communications, Senior DirectorのKEN HONG氏は“8K OLED”をIFAに出展した意図について「既に私たちが88型サイズの8K有機ELを“テレビ”として発売できる技術とノウハウを持っていることを紹介するため」であると説いている。

LGエレクトロニクスのKen Hong氏にインタビューした

価格や発売時期の検討も進んでいるのだろうか。HONG氏は次のように答えている。

「その点については正直なところ、まだ本格的な議論を煮詰めていない段階だ。というのも、皆様がご存知の通り8Kについてはまだ必要なコンテンツが十分に供給されていないため、いま急いで商品をローンチするよりも、市場のニーズを見極めながら完成度をじっくりと練り上げるべきという選択肢についても検討する価値があると考えているからだ。

ただし、例年当社がIFAで発表したフラグシップテクノロジー、あるいはそれを搭載する試作機については、だいたい翌年のIFAまでには“商品”になっていることを思い出していただければ、この8Kテレビについても同様のサイクルに乗る可能性は十分にあるだろう」

ただ、HONG氏は繰り返し「このテレビは商品化を焦って判断するべきではない」と述べている。

「8K映像の没入感を満喫するためには88型前後の大きな画面サイズがベストであることは間違いないし、小型画面の8Kテレビを作ることにあまり意味はないと思っている。ところが88型となれば、今度は一般家庭にインストールするには大きすぎて持て余してしまう。このままコンシューマ向けのテレビとして発売する道筋がよいのか、あるいはサイネージなど業務用途からスタートするべきなのかについて、もう少し様子を見ていきたい」

88型・8Kテレビの画質は、有機ELらしい深い黒色の沈み込みに煌びやかな明部の鮮やかなコントラスト感がさすがに際立っていた。色彩については若干派手めな印象を受けたが、これからテレビとして練度を高めて行く段階に期待が持てるレベルまで十分到達していたように思う。

LGのブースにはこのほかにもマイクロLEDディスプレイの試作機が出展されていた。特別に設置されたシアタールームの中がカメラによる撮影禁止だったため、あいにく試作機の写真はお見せできないのだが、173インチという大型のマイクロLEDディスプレイは鮮やかに色彩感豊かな映像を再現していた。

マイクロLEDの特別視聴室。残念ながら写真撮影はNGだったが、非常に高精細な映像が楽しめた

HONG氏はマイクロLEDディスプレイの今後の可能性についてもコメントしてくれた。

「現在の技術では1画素単位のマイクロLEDのセルをこれ以上小さくできないという課題がある。つまり民生用のディスプレイにサイズ感を落とし込むことが困難なのだ。商品化を実現するためには、今後セルを小さくできるかという点がカギを握っている」

■スマートテクノロジーと融合するワイヤレススピーカー&イヤホン

オーディオは今年のCESのブースにも並べられていたスマートスピーカー「WK7」や、スマートディスプレイ「WK9」を目玉として紹介していた。ともにサウンドのチューニングを英メリディアン・オーディオが手がけたシグネチャーモデルだ。AIアシスタントはGoogleのほかにもLG独自のThinQに対応している。

LGのGoogleスマートディスプレイ

イヤホンはこちらもCESに出展されたネックバンドタイプのワイヤレスイヤホン「LG TONE」シリーズの上位機が並べられていた。音声操作を使いながら、グーグル翻訳によるリアルタイム外国語翻訳ができるデモンストレーションにスポットが当てられていた。

「LG TONE」シリーズの上位機はグーグル翻訳のリアルタイム処理をデモ。ネックバンドにアシスタントの呼び出しボタンが搭載されている


欧州で人気のBOOMBOXタイプのオーディオ製品も拡充している

ポータブルプロジェクターのラインナップも紹介されていた

■AIアシスタントロボット「CLOi」が韓国で発売へ

AIとロボティクスはLGのスマートロボット「CLOi(クロイ)Home Bot」がついに商品として韓国で発売される。欧州も来年の発売予定だ。価格は650米ドル(約72,000円前後)になる見込みだ。

LGが独自に開発を続けてきたエンターテインメントロボット「CLOiホーム」。頭をなでてあげると表情が和む

LGにとって独自に開発を進めるAIアシスタントサービスは「ThinQ」であり、CLOiはハードウェアとしてのロボットのシリーズになる。IFAの会場には道案内やレストランでウェイターの役割を果たせるQLOiシリーズの業務用ロボットも多数展示されていた。

空港で道案内などを引き受ける「CLOi GuideBot」。最新モデルはより人型に近づいているという

レストランで注文したものを運んでくれる「CLOi ServeBot」

LGは今年の7月のプレスリリースで北米から1社、韓国から3社のロボティクス関連の企業を買収したことを伝えている。HONG氏は「これからますます加速するLGのAIやロボティクスへの取り組みにぜひ注目してほしい」と語っていた。

SGロボティクスとともに共同開発を進めて行く「CLOi SuitBot」

LG SIGNATUREシリーズの新しいスマート冷蔵庫なども増えた

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX