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公開日 2019/11/02 14:34

<ヘッドフォン祭>Lotoo、ドングルサイズのUSB DACを世界初公開。AROMAの新ハイブリッドIEM「Thunder」発表

トップウイング取扱ブランドが一挙発表
編集部:押野 由宇
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東京・中野サンプラザで11月2日-3日に開催の「秋のヘッドフォン祭2019」。本稿では、トップウインググループが取り扱うブランドの新製品に関する発表会の模様をレポートしたい。

Spirit Torino

イタリアのヘッドホンブランドSpirit Torinoは、密閉型ヘッドホン「Radiante」についての説明を開発者のアンドレア・リッチ氏が行った。

Spirit Torino「Radiante」

Radianteは2つのドライバーをタンデム駆動させる「ツインパルス・アイソバリックシステム」を採用したモデル。ハウジングにパッシブラジエータを搭載することで、「開放型と同等の音を聴きたい」という要望を、密閉型ヘッドホンで実現したとしている。

その開発にあたっては、2つの道を歩んだという。「1つめはライブ音楽とヘッドホンで聴く音楽の比較を中心とした研究的なアプローチ。もう1つはサウンドの波形など理論に基づいたアプローチ。様々な音楽ジャンルに対して人間の耳はどのように反応するのか研究してきた」としており、その結果をもとにRadianteは製造されている。

アンドレア・リッチ氏

また「通常の密閉型ヘッドホンでは、ドライバーが動くと加圧されるため耳に圧迫感が生じてしまうが、Radianteではパッシブ・ラジエーターにより安定した圧力レベルを保つことができる」とアピール。「音量が上ってもドライバーが効率的に動作するため、低音も美しく再生できる」。

イヤーパッドはアルカンタラ素材と、上質なレザーを用いており、Dekoniと共同開発されている。長時間装着しても蒸れにくいといったつけ心地の面に配慮されるだけでなく、回転させて最適な位置を調節することでサウンド面での細かなチューニングが行えることを特徴とする。

同じく機能として、周波数レスポンスの調整が可能な点もポイント。ドライバーの開口穴を絞ることで、周波数レスポンスを変更。駆動メカニズムに影響を与えることなく、低音を2dB増強することができる。通常状態の「FLAT」はクラシックに、低音増強状態ではロック音楽に向いていると説明が行われた。

周波数レスポンスを変更できるのが特徴

Radianteは320,000円(税抜)で、受注生産にて販売される。納期は約1ヶ月。ハウジング、およびレザー部に1706年のトリノの地図をデザインした「Torino 1706 Special Edition」もラインナップ(350,000円/税抜)。注文時にヘッドバンド、イヤーカップカラー(Radianteのみ)、プラグ(4.4mm、2.5mm、3.5mm、4ピンXLR)を指定するオーダーメイド方式となる。

Lotoo

Lotooからは、10月28日に発売がスタートしたポータブルオーディオプレーヤー「PAW 6000」のコンセプトについて紹介が行われた。

Lotoo「PAW 6000」

PAW 6000は、フラグシップモデル「PAW Gold TOUCH」と同等の独自OSとタッチパネル操作、妥協のない音質面を引き継ぎながらも、大幅なコストダウンを図ったというモデル。開発においては「Balance」と「Extreame」に取り組んだという。

Balanceについては、サイズと重さのバランスとして軽量化を図り、ポケットに入れられるサイズ感を目指した。連続再生時間と出力のバランスでは、オペアンプをOPA1622に変えて消費出力を抑えるとともに、最大出力は300Wを実現している。

またExtreameは「極限への挑戦」として、高価な部品を用いるのではなく、設計を追い込んだ。これによりフロアノイズは-120dBu(0.78μV)を実現。DACチップ「AK4493EQ」の使用効率を挙げ、性能を引き出したとする。加えて、新データベースシステムでは100万曲以上の認識を実現。Lotoo OSの最適化を進めることで、このレベルを実現したとアピールする。

また世界初公開の新製品として、USB-DAC「PAW S1 USB DAC dongle」が発表された。

USB Type-C対応のUSB DAC

DSD128(PCM変換)とPCM 384kHz/32bitまでの音源に対応。DSPを内蔵し、PMEQ/ATEに対応する。USB Type-C対応モデルで、Windows PCやMacだけでなく、AndroidやiOSデバイスと組み合わせて使用することが可能。

ヘッドホン出力として3.5mmと4.4mm端子を備える

ヘッドホン出力として3.5mmと4.4mm端子を備える。ボディはフルアルミニウムを採用。まだ開発中ということで詳細なスペックは明かされなかったが、2020年初頭の発売を予定するとのことだ。

「PAW S1」は2020年初頭の発売を予定

SONORE

SNOREブランドからは、光ファイバを利用するオーディオブリッジの新モデル「opticalRendu」、およびコンバータ「opticalModule」が発表された。

「opticalRendu」

opticalRenduは光ファイバ - USBオーディオブリッジで、従来機「ultraRendu」がLANケーブル接続だったのに対し、opticalRenduは光ファイバ接続に対応したモデルとなる。LANケーブルは電線のため超高周波ノイズやグランドノイズの対策がしにくい一方、光ファイバは完全絶縁が行えるという特徴があることから、本方式を採用したという。

Roon Readyにフルスペック対応していることも特徴で、さらにspotify Connectといったオーディオ機器バンドルサービスについてはほぼ対応するとしている。

接続はSFPモジュールで行う。付属品としてACアダプターとiFI Audio「iPurifier DC2」を用意。価格は235,000円(税抜)

「opticalRendu」の背面部。光ファイバ接続はSFPモジュールで行う

opticalModuleは、LANと光ファイバを相互変換するモデル。先述のSFPモジュール接続のopticalRenduと組み合わせて使用することが大きな用途と考えられる。内部に4つの超ローノイズレギュレータ、単一周波数超低ジッターFemtoクロックを搭載するなど、オーディオグレードで構成している点が特徴となる。

「opticalModule」

ルーターからスイッチングハブ、そしてopticalModuleまでをLANケーブルで接続、opticalModuleとopticalRenduを光ファイバ接続するといったかたちで接続を行う。この際にLANのノイズアイソレーションが行われ、クリーンな接続が実現できるとし、opticalModuleを複数使用したノイズ対策アイテムとしての活用も想定される。こちらにはiFI audio「iPower 5V」を付属する。価格は55,000円(税抜)。

「opticalModule」の背面部

「opticalRendu」と「opticalModule」を接続した様子

AROMA

AROMAからは、同社が開発したダイナミックドライバーを搭載した初のハイブリッドイヤホン「Thunder」(広東語で乾)が発表された。価格や発売時期についてはこれから検討されるとのこと。

AROMA「Thunder」

ドライバー構成は、1ダイナミックドライバー×10BAドライバー(低域1、中低域4、中高域4、超高域2)。このダイナミックドライバーは「breakthrough」(乾坤)と名付けられている。

スイッチによって音質を切り替えられることが特徴。中域がリズミカルに鳴り強弱を正確に表現するという「Harmony」、低域をより深く、より広く表現するという「Concentrate」を選べる。

iFI audio

iFI audioブランドの新製品としては、HIGH END MUNICH 2019で発表されたオールインワンスピーカー「AURORA」について紹介。日本での予定価格は190,000円(税抜)で、12月中の発売を予定する。

「AURORA」

フロントに2つ、サイドにそれぞれ1ずつ120mm口径のメインユニットを搭載。両サイドの角に当たる部分にはそれぞれ28mmのシルクドーム・トゥイーターを、本体下部に2基のウーファーを搭載する一体型スピーカー。

内蔵するマイクにより、電源を入れると音場補正を実行、最適なサウンドが再生できる。筐体に竹を採用する、操作はタッチパネルから行い物理ボタンは搭載しないなど、高いデザイン性も特徴のモデルとなっている。

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