• ブランド
    特設サイト
ガジェット 公開日 2023/02/27 15:09

アップルのAR/VRヘッドセットは「空中タイピング」可能に?

第2世代はM3かM4の亜種が搭載されるかも
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップル初のAR/VRヘッドセットについては、様々な噂話が届けられてきた。そんななか、初代ヘッドセットは「空中」タイピング機能を備え、iPhoneなしでも単体で初期設定や使用ができる可能性があると報じられている。

アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号で、同社初のAR/VRヘッドセットの続報を伝えている。それによれば、初代Apple Watchとは違い、セットアップや使用にiPhoneを必要とする可能性は低いという。

最新のテスト版では、搭載OS「xrOS」は単体でiPhoneがなくとも初期設定が行えて、iCloudデータを含むユーザーのコンテンツを直接ダウンロードできるとのこと。ただし、iPhoneやiPadからデータを転送できるオプションもあるそうだ。つまり、iPhoneを持たない人がヘッドセットだけ買ってもすぐに使用でき、iPhoneユーザーは自らのデータを移して馴染んだ環境も再現できる、ということだろう。

このヘッドセットにはコントローラーが同梱されず、すべてユーザーの目と手の動きで操作するという。それはテキスト入力も例外ではなく、「空中タイピング(in-air-typing)」と呼ばれるそうだ。最新の社内プロトタイプでは利用できるものの、テストでは「気難しい」(扱いづらい)とされている。

そのため初期出荷バージョンでは、「iPhoneをペアリングしてタッチスクリーンを使いたくなるだろう」とのこと。アップル社内では製品がリリースされた後、迅速な改造を望んでおり、ゆくゆくは初代Apple Watchと同じ道をたどることを期待している、と伝えられている。

登場直後のApple Watchも単体ではほとんど何もできず、iPhoneのアクセサリーという色合いが濃かった。その後に文字入力や独自のApp Storeを実装されたように、AR/VRヘッドセットも徐々に独立性を高めていくのかもしれない。

この初代ヘッドセットは「Reality Pro」と呼ばれる可能性が高く、今年6月のWWDC(世界開発者会議)で発表され、早ければ2023年末に出荷されるとのこと。もっとも先週末、アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は予定がさらにずれ込み、「春のイベント」で発表される可能性は低いと述べていた。

その一方で、Gurman氏は後続モデルも準備中だと主張。1つは廉価モデルの「Reality One」で、もう1つは第2世代のReality Proヘッドセットだと述べられている。これらは概ね、The InformationやNikkei Asiaの報道とも符合するものだ。

このうち第2世代Reality Proは、性能の向上に重点を置いているという。初代モデルにはM2チップとAR/VR処理用のセカンダリチップが搭載されるものの、アップルが望む品質のグラフィックス表示にはパワーが足りないそうだ。

たとえば初代ヘッドセットでは、FaceTime会議でのリアルなVR表現は参加者の全員ではなく、一度に2人だけにしか対応できないという。そのため第2世代では、より強力なプロセッサー(おそらくM3またはM4の亜種)の搭載が検討されているとのことだ。

なぜアップルがこれほど苦戦しているのかといえば、おそらく以前のデザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏の判断に遡るのだろう。

かつてティム・クックCEOとアイブ氏は、高度なグラフィックスと処理速度を備えた固定式ハブ(ベースステーション版)モデルと、単体のスタンドアローン版でのVRデモを見比べた。AR/VRチームを率いるリーダーは強力なベースステーション版を支持したが、アイブ氏はスタンドアローン版を推し、アップル上層部もそちらに味方した。そのため、小さな筐体のなかでバッテリーの持ち時間と性能のバランスを取りつつ発熱を抑える苦難の道のりが始まった……との趣旨が報じられたことがある。

それでもバッテリーは2時間しか持たず、屋外には持ち出しにくいとの噂話もあった。アップルの英知が詰め込まれたスタンドアローンのヘッドセットが、一日も早くお披露目されることを期待したいところだ。

Source: Bloomberg
via: MacRumors

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX