HOME > ニュース > Gadgetニュース
アップル初のAR/VRヘッドセットについては、様々な噂話が届けられてきた。そんななか、初代ヘッドセットは「空中」タイピング機能を備え、iPhoneなしでも単体で初期設定や使用ができる可能性があると報じられている。
アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号で、同社初のAR/VRヘッドセットの続報を伝えている。それによれば、初代Apple Watchとは違い、セットアップや使用にiPhoneを必要とする可能性は低いという。
最新のテスト版では、搭載OS「xrOS」は単体でiPhoneがなくとも初期設定が行えて、iCloudデータを含むユーザーのコンテンツを直接ダウンロードできるとのこと。ただし、iPhoneやiPadからデータを転送できるオプションもあるそうだ。つまり、iPhoneを持たない人がヘッドセットだけ買ってもすぐに使用でき、iPhoneユーザーは自らのデータを移して馴染んだ環境も再現できる、ということだろう。
このヘッドセットにはコントローラーが同梱されず、すべてユーザーの目と手の動きで操作するという。それはテキスト入力も例外ではなく、「空中タイピング(in-air-typing)」と呼ばれるそうだ。最新の社内プロトタイプでは利用できるものの、テストでは「気難しい」(扱いづらい)とされている。
そのため初期出荷バージョンでは、「iPhoneをペアリングしてタッチスクリーンを使いたくなるだろう」とのこと。アップル社内では製品がリリースされた後、迅速な改造を望んでおり、ゆくゆくは初代Apple Watchと同じ道をたどることを期待している、と伝えられている。
登場直後のApple Watchも単体ではほとんど何もできず、iPhoneのアクセサリーという色合いが濃かった。その後に文字入力や独自のApp Storeを実装されたように、AR/VRヘッドセットも徐々に独立性を高めていくのかもしれない。
この初代ヘッドセットは「Reality Pro」と呼ばれる可能性が高く、今年6月のWWDC(世界開発者会議)で発表され、早ければ2023年末に出荷されるとのこと。もっとも先週末、アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は予定がさらにずれ込み、「春のイベント」で発表される可能性は低いと述べていた。
その一方で、Gurman氏は後続モデルも準備中だと主張。1つは廉価モデルの「Reality One」で、もう1つは第2世代のReality Proヘッドセットだと述べられている。これらは概ね、The InformationやNikkei Asiaの報道とも符合するものだ。
このうち第2世代Reality Proは、性能の向上に重点を置いているという。初代モデルにはM2チップとAR/VR処理用のセカンダリチップが搭載されるものの、アップルが望む品質のグラフィックス表示にはパワーが足りないそうだ。
たとえば初代ヘッドセットでは、FaceTime会議でのリアルなVR表現は参加者の全員ではなく、一度に2人だけにしか対応できないという。そのため第2世代では、より強力なプロセッサー(おそらくM3またはM4の亜種)の搭載が検討されているとのことだ。
なぜアップルがこれほど苦戦しているのかといえば、おそらく以前のデザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏の判断に遡るのだろう。
かつてティム・クックCEOとアイブ氏は、高度なグラフィックスと処理速度を備えた固定式ハブ(ベースステーション版)モデルと、単体のスタンドアローン版でのVRデモを見比べた。AR/VRチームを率いるリーダーは強力なベースステーション版を支持したが、アイブ氏はスタンドアローン版を推し、アップル上層部もそちらに味方した。そのため、小さな筐体のなかでバッテリーの持ち時間と性能のバランスを取りつつ発熱を抑える苦難の道のりが始まった……との趣旨が報じられたことがある。
それでもバッテリーは2時間しか持たず、屋外には持ち出しにくいとの噂話もあった。アップルの英知が詰め込まれたスタンドアローンのヘッドセットが、一日も早くお披露目されることを期待したいところだ。
Source: Bloomberg
via: MacRumors
アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号で、同社初のAR/VRヘッドセットの続報を伝えている。それによれば、初代Apple Watchとは違い、セットアップや使用にiPhoneを必要とする可能性は低いという。
最新のテスト版では、搭載OS「xrOS」は単体でiPhoneがなくとも初期設定が行えて、iCloudデータを含むユーザーのコンテンツを直接ダウンロードできるとのこと。ただし、iPhoneやiPadからデータを転送できるオプションもあるそうだ。つまり、iPhoneを持たない人がヘッドセットだけ買ってもすぐに使用でき、iPhoneユーザーは自らのデータを移して馴染んだ環境も再現できる、ということだろう。
このヘッドセットにはコントローラーが同梱されず、すべてユーザーの目と手の動きで操作するという。それはテキスト入力も例外ではなく、「空中タイピング(in-air-typing)」と呼ばれるそうだ。最新の社内プロトタイプでは利用できるものの、テストでは「気難しい」(扱いづらい)とされている。
そのため初期出荷バージョンでは、「iPhoneをペアリングしてタッチスクリーンを使いたくなるだろう」とのこと。アップル社内では製品がリリースされた後、迅速な改造を望んでおり、ゆくゆくは初代Apple Watchと同じ道をたどることを期待している、と伝えられている。
登場直後のApple Watchも単体ではほとんど何もできず、iPhoneのアクセサリーという色合いが濃かった。その後に文字入力や独自のApp Storeを実装されたように、AR/VRヘッドセットも徐々に独立性を高めていくのかもしれない。
この初代ヘッドセットは「Reality Pro」と呼ばれる可能性が高く、今年6月のWWDC(世界開発者会議)で発表され、早ければ2023年末に出荷されるとのこと。もっとも先週末、アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は予定がさらにずれ込み、「春のイベント」で発表される可能性は低いと述べていた。
その一方で、Gurman氏は後続モデルも準備中だと主張。1つは廉価モデルの「Reality One」で、もう1つは第2世代のReality Proヘッドセットだと述べられている。これらは概ね、The InformationやNikkei Asiaの報道とも符合するものだ。
このうち第2世代Reality Proは、性能の向上に重点を置いているという。初代モデルにはM2チップとAR/VR処理用のセカンダリチップが搭載されるものの、アップルが望む品質のグラフィックス表示にはパワーが足りないそうだ。
たとえば初代ヘッドセットでは、FaceTime会議でのリアルなVR表現は参加者の全員ではなく、一度に2人だけにしか対応できないという。そのため第2世代では、より強力なプロセッサー(おそらくM3またはM4の亜種)の搭載が検討されているとのことだ。
なぜアップルがこれほど苦戦しているのかといえば、おそらく以前のデザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏の判断に遡るのだろう。
かつてティム・クックCEOとアイブ氏は、高度なグラフィックスと処理速度を備えた固定式ハブ(ベースステーション版)モデルと、単体のスタンドアローン版でのVRデモを見比べた。AR/VRチームを率いるリーダーは強力なベースステーション版を支持したが、アイブ氏はスタンドアローン版を推し、アップル上層部もそちらに味方した。そのため、小さな筐体のなかでバッテリーの持ち時間と性能のバランスを取りつつ発熱を抑える苦難の道のりが始まった……との趣旨が報じられたことがある。
それでもバッテリーは2時間しか持たず、屋外には持ち出しにくいとの噂話もあった。アップルの英知が詰め込まれたスタンドアローンのヘッドセットが、一日も早くお披露目されることを期待したいところだ。
Source: Bloomberg
via: MacRumors