公開日 2012/05/15 12:11
【レビュー】スマホなどとの連携機能を強化した“スマートビエラ”VT5シリーズを使ってみた
スマホへの番組配信や「ビエラリモート2.0」の使い勝手を試す
新世代パネルを搭載し画質を高めたパナソニックの新旗艦プラズマ“VT5シリーズ”は、スマートフォンなどと連携するネットワーク機能を多数備えた“スマートビエラ”だ。アプリ経由でスマートフォン内の写真や動画、音楽などをビエラの大画面で楽しんだり、「お部屋ジャンプリンクサーバー」機能を使ってテレビ番組転送を行うことができる。本機の画質/機能のクオリティを折原氏が取材した。
3D対応のプラズマフラグシップモデル
“スマートビエラ”こと、パナソニックの新フラグシップVIERA VT5シリーズが4月20日より発売された。昨年発売のVT3シリーズの後継として位置付けられる3D対応プラズマテレビVT5シリーズの画質・ネットワークの実力を実機検証によりレポートしていこう。
VIERA VT5の搭載するパネルは、「フル・ブラックパネル III」と名付けられた最新世代のデバイスを採用。北米向けモデルでは「NEO PLASMA BLACK 2500」とネーミングされた新開発のパネルを搭載しており、新セル構造により放電効率を改善。プラズマパネルを駆動するカスタムドライバーLSIによるサブフィールド単位での駆動を高速化したものだ。パネル前面のフィルターも「低反射ディープブラックフィルター III」へと進化し、予備放電の発光量を低減、さらに新開発の短残光蛍光体の採用により、同一の画面内に同時に表示できるネイティブコントラスト550万対1を実現している。
次世代PDP開発センター(APDC)による新たな動画解像度の指標である「フルHD動画解像スピード」では、旧シリーズの1200ppsに対して、VT5シリーズでは1700ppsへと性能を向上させている。映像処理LSIには新開発の「ピュアイメージクリエーション」を搭載しており、斜め線や映像圧縮ブロックの境界を高い精度で検出、「斜め線超解像」、「絵柄適応型ノイズリダクション」と個別に映像を最適化する。色信号処理は過去に同社のBDレコーダーのDIGAシリーズで搭載しているYUV 4:4:4へのクロマアップサンプリングにも対応、映像信号処理は30bitと高精度化した。
なお、3Dグラスは本機種より別売となったが、本機種より世界初の「フルハイビジョン3Dグラス・イニシアチブ規格」に準拠した、無線通信規格のBluetoothタイプになったことも注目だ。
パナソニックのPDP伝統の画質を継承
編集部の視聴室に実機を設置して視聴したVT5の画質は、パナソニックの伝統的なプラズマの画質を継承していることを確認できた。
まず、目を奪われるのは赤の美しさ。地上デジタル放送の映像を見ても目の覚めるような豊かな発色をしており、超解像効果もあって50V型画面で地上デジタル放送を視聴しても、映像のキメ細かさを維持したままに見られる高画質エンジンの作り込みは、なかなか優秀だ。
キューテックの『Hi-Definition Reference Disc』による画質検証では、黒を沈めつつもピーク輝度を際立たせておりオリジナル映像に忠実な画面内のバランスを作り出す。映像ディテールの解像力もソースの情報量を巧みに引き出す。動画解像度をチェックするソースでは、プラズマ特有の残光による動きのある映像の尾引きはほぼ気にならないレベルにまで改善を確認できた。
BDソフト『NINE』による視聴では、ローカルディミング対応エッジライトLED液晶テレビでは対応の難しいシーンでも、一枚絵としてコントラストの大きな映像を作り出せるプラズマ本来のアドバンテージを見せ付けている。
”スマートビエラ”として無線LANをビルトイン
冒頭で紹介した通り、VT5は“スマートビエラ”の一員であり、現在の薄型テレビを取り巻く様々な機能を搭載したという点でも同社テレビの最上級として位置付けられる。まず、本機はトリプルチューナーを搭載し、USB HDD増設による2番組同時裏録、さらにAVC長時間録画へ対応したのは大きなポイントだ。
“つながる”機能として無線LANユニットを本体に内蔵したことで、同社のBDレコーダーDIGAシリーズとの連携を始めとしたホームネットワークへの参加にも対応。“お部屋ジャンプリンク”は、DLNAクライアントだけではなく、録画テレビとしては数少ないDLNAサーバーも搭載しており、本機で録画した番組の共有も可能としている。
昨今、薄型テレビの新機能としてスタートしたばかりのスマートフォン対応も、iOS/Android対応のアプリ「ビエラリモート2.0」が4月中旬より公開が始まったため検証を試みた。
ベーシックな機能であるWiFi経由によるリモコン操作は、VT5を購入したスマートフォンユーザーであればすぐに有効活用できる機能である。また、本アプリでは同社スマートフォンに保存してある写真、動画、音楽などを文字通りタッチ操作でVT5に“飛ばす”ような形で大画面で視聴できる機能も追加。目の前にあっても連携しづらかった薄型テレビとスマートフォンの距離が一気に縮まった感がある。
パナソニック・モバイルコミュニケーションズによるAndroidスマートフォンの搭載する「DLNA」アプリでVT5にアクセスにも対応。録画済みの番組を家庭内のどこでも視聴できるだけでなく、他社にはない取り組みとして、放送中の番組を録画することなく視聴できる放送転送機能もサポートしている。
実際にドコモのスマートフォンP-02Dで検証したところ、簡単な初期設定のみで視聴を開始できた上に、フルセグからダウンコンバートした高品位な画質で楽しめた。同様の放送転送連携機能は同社のBDレコーダーDIGAシリーズとの組み合わせで可能ではあるものの、薄型テレビの内蔵チューナーを有効活用してスマートフォンをパワーアップさせるというアイデアは、家族で共有する薄型テレビに現在求められる機能として分かりやすく、実用性の高いものと言えよう。
最後に「ビエラコネクト」も、新VODサービス「もっとTV」を始め全29のアプリを提供。ネットワークテレビとしても使い倒せるモデルだ。
3D対応のプラズマフラグシップモデル
“スマートビエラ”こと、パナソニックの新フラグシップVIERA VT5シリーズが4月20日より発売された。昨年発売のVT3シリーズの後継として位置付けられる3D対応プラズマテレビVT5シリーズの画質・ネットワークの実力を実機検証によりレポートしていこう。
VIERA VT5の搭載するパネルは、「フル・ブラックパネル III」と名付けられた最新世代のデバイスを採用。北米向けモデルでは「NEO PLASMA BLACK 2500」とネーミングされた新開発のパネルを搭載しており、新セル構造により放電効率を改善。プラズマパネルを駆動するカスタムドライバーLSIによるサブフィールド単位での駆動を高速化したものだ。パネル前面のフィルターも「低反射ディープブラックフィルター III」へと進化し、予備放電の発光量を低減、さらに新開発の短残光蛍光体の採用により、同一の画面内に同時に表示できるネイティブコントラスト550万対1を実現している。
次世代PDP開発センター(APDC)による新たな動画解像度の指標である「フルHD動画解像スピード」では、旧シリーズの1200ppsに対して、VT5シリーズでは1700ppsへと性能を向上させている。映像処理LSIには新開発の「ピュアイメージクリエーション」を搭載しており、斜め線や映像圧縮ブロックの境界を高い精度で検出、「斜め線超解像」、「絵柄適応型ノイズリダクション」と個別に映像を最適化する。色信号処理は過去に同社のBDレコーダーのDIGAシリーズで搭載しているYUV 4:4:4へのクロマアップサンプリングにも対応、映像信号処理は30bitと高精度化した。
なお、3Dグラスは本機種より別売となったが、本機種より世界初の「フルハイビジョン3Dグラス・イニシアチブ規格」に準拠した、無線通信規格のBluetoothタイプになったことも注目だ。
パナソニックのPDP伝統の画質を継承
編集部の視聴室に実機を設置して視聴したVT5の画質は、パナソニックの伝統的なプラズマの画質を継承していることを確認できた。
まず、目を奪われるのは赤の美しさ。地上デジタル放送の映像を見ても目の覚めるような豊かな発色をしており、超解像効果もあって50V型画面で地上デジタル放送を視聴しても、映像のキメ細かさを維持したままに見られる高画質エンジンの作り込みは、なかなか優秀だ。
キューテックの『Hi-Definition Reference Disc』による画質検証では、黒を沈めつつもピーク輝度を際立たせておりオリジナル映像に忠実な画面内のバランスを作り出す。映像ディテールの解像力もソースの情報量を巧みに引き出す。動画解像度をチェックするソースでは、プラズマ特有の残光による動きのある映像の尾引きはほぼ気にならないレベルにまで改善を確認できた。
BDソフト『NINE』による視聴では、ローカルディミング対応エッジライトLED液晶テレビでは対応の難しいシーンでも、一枚絵としてコントラストの大きな映像を作り出せるプラズマ本来のアドバンテージを見せ付けている。
”スマートビエラ”として無線LANをビルトイン
冒頭で紹介した通り、VT5は“スマートビエラ”の一員であり、現在の薄型テレビを取り巻く様々な機能を搭載したという点でも同社テレビの最上級として位置付けられる。まず、本機はトリプルチューナーを搭載し、USB HDD増設による2番組同時裏録、さらにAVC長時間録画へ対応したのは大きなポイントだ。
“つながる”機能として無線LANユニットを本体に内蔵したことで、同社のBDレコーダーDIGAシリーズとの連携を始めとしたホームネットワークへの参加にも対応。“お部屋ジャンプリンク”は、DLNAクライアントだけではなく、録画テレビとしては数少ないDLNAサーバーも搭載しており、本機で録画した番組の共有も可能としている。
昨今、薄型テレビの新機能としてスタートしたばかりのスマートフォン対応も、iOS/Android対応のアプリ「ビエラリモート2.0」が4月中旬より公開が始まったため検証を試みた。
ベーシックな機能であるWiFi経由によるリモコン操作は、VT5を購入したスマートフォンユーザーであればすぐに有効活用できる機能である。また、本アプリでは同社スマートフォンに保存してある写真、動画、音楽などを文字通りタッチ操作でVT5に“飛ばす”ような形で大画面で視聴できる機能も追加。目の前にあっても連携しづらかった薄型テレビとスマートフォンの距離が一気に縮まった感がある。
パナソニック・モバイルコミュニケーションズによるAndroidスマートフォンの搭載する「DLNA」アプリでVT5にアクセスにも対応。録画済みの番組を家庭内のどこでも視聴できるだけでなく、他社にはない取り組みとして、放送中の番組を録画することなく視聴できる放送転送機能もサポートしている。
実際にドコモのスマートフォンP-02Dで検証したところ、簡単な初期設定のみで視聴を開始できた上に、フルセグからダウンコンバートした高品位な画質で楽しめた。同様の放送転送連携機能は同社のBDレコーダーDIGAシリーズとの組み合わせで可能ではあるものの、薄型テレビの内蔵チューナーを有効活用してスマートフォンをパワーアップさせるというアイデアは、家族で共有する薄型テレビに現在求められる機能として分かりやすく、実用性の高いものと言えよう。
最後に「ビエラコネクト」も、新VODサービス「もっとTV」を始め全29のアプリを提供。ネットワークテレビとしても使い倒せるモデルだ。