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公開日 2013/03/22 12:08

「狭い空間だからこそルームチューニングが重要」 − 日東紡音響「シルヴァン/アンク」ユーザーを訪ねる

【特別企画】限られた空間で小型モデル「アンクIII」が活躍
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■10畳ほどの限られたスペースでフュージョンやAORを楽しむ


東京都江戸川区にお住まいの清水 靖さんのリスニングルームは10畳ほど。専用ルームを持つオーディオファンにとっては決して広い空間ではないはず。

「限られたスペースだからこそ、ルームチューニングは重要です、ということを読者の方々にアピールしたい!」

そんな思いから、清水さんはこの連載への登場をお受けになったのだ。

清水さんのリスニングルームは10畳ほど。愛機JBL「4344MKII」の左右スピーカーの間は自作スタンドに載せた「ANKH-III」を設置している

清水さんの最近のお気に入りは新製品の小型モデル「ANKH-III」(¥105,000)。設置場所を気軽に変更できるので、日々あらゆる場所で試しているという

普段から楽しむ音楽はフュージョンやAOR系のものがほとんどで、立ったままで聴くことが多いという。

「こういった音楽はノッてなんぼの世界なので、リズムの躍動感や押し出し感が出るための音作りをしています」

そんな清水さんのオーディオ歴はラジオのエアチェックから始まる。当時は10素子のアンテナを立て、ノイズの全くない状態でFM放送をカセットなどに録音して音楽を楽しんでいたという。

清水さんの愛用システム。SACDプレーヤーはESOTERIC「UX-1」、アンプはACCUPHASEの「C-2810」と「A-60」のセットでドライブ。エアチェック用のMDデッキもフル稼働。クロックジェネレーターを使用し、電源は3相式の200Vの動力電源をステップダウンさせている

ルームチューニングの重要性に気付きはじめたのは大学生時代のこと。亀戸のマンションに引っ越し、和室でオンキヨーのスピーカー「D-7RX」を鳴らして楽しんでいた。

「この時の和室の音が本当に良かったのです。その後、いまの専用ルームができて、システムをそっくり移してきたのですが、何だこのひどい音は?部屋が原因に違いないと思いました」

部屋の環境に不満は残るものの、ついに夢だったJBL「4344MkII」を導入。アンプも本格的なセパレート式を使っていたが、上手く鳴らない日々が続く。

「もちろん部屋も自分なりに対策したのですが、決め手となる製品がなく、全く改善されませんでした。そこで電源やケーブル、アクセサリー等あらゆるメーカーのものを試し始めたのです。今となっては無駄な投資になりましたが、高い授業料を払ったつもりです(笑)」

■導入のきっかけは震災の被害 − 「シルヴァン」は再出発の象徴


そんな折、秋葉原の老舗オーディオショップ、テレオンの倉田店長に紹介されたのが「シルヴァン」であったという。

「倉田店長に“清水さんは機器の買い替えはもういいから、とにかくこれを聴いてください”と言われました。実際に店の試聴ルームでシルヴァンを試してみて、これは効くなと思いました。ルームチューニング製品に関しては信用できなかった一人でしたが、なぜかシルヴァンの効果だけは頭に残ったのです。自分の部屋での効果も想像できました。でもまだ購入には至るまでの後押しはありませんでした」

シルヴァンを導入するきっかけとなったのは、皮肉にも東日本大震災だった。建物の上階にある清水さんのリスニングルームでは、スピーカーからアンプ等の機器まで全てが倒壊。スピーカーもコーン紙が破れて、キズだらけになってしまう。

「シルヴァン」(¥210,000/1本)はスピーカーの背面に2本。中央には幅40cmの特注「アンク」(通常は60cm)を設置している

「シルヴァン」や「アンク」はワイヤーで転倒防止対策も。これも震災から得た教訓であるという

「地震の後、妻から“ショックを受けるから部屋に入らない方がいい”と言われ、1週間以上そのまま放置していたくらいです」

そんな清水さんを立ち直らせてくれたのは、テレオンの倉田店長の献身的なケアや、愛用しているアキュフェーズ製品のメンテナンス対応であったという。

「お店さんが面倒を見てくれて、メーカーさんの対応も良くて、急にやる気が出てきたと同時に、これは全てをリセットするチャンスなんだと思えるようになりました。その再出発のきっかけとして導入したのがシルヴァンでした。ですから震災に遭わなければシルヴァンは導入しなかったかもしれませんね」

■音場がみるみる広がっていき楽器の音もハッキリしていく


そして、清水さんのオーディオライフの再出発は「シルヴァン」を4344MKIIの背面に2本導入することから始まった。さらにスピーカーの背面中央に幅40cmの特注「アンク」(通常は60cm)を、そして新製品の小型モデル「アンクIII」もスピーカー間と天井、部屋の後方に設置するなど、部屋の対策を次々に行っていく。

天井にも「ANKH-III」を設置

「シルヴァン2本だけでも音場が広がり音の抜けが良くなり、気になっていた中低位機の音の輪郭がわかるようになってきましたが、アンク・アンクIIIを増やす度に、音場がみるみる広がっていくのがわかりました。ピアノや打楽器の音もどんどんハッキリしていきます。また、設置面でも日東紡さんが直接来ていただき、アドバイスをいただけるのも、導入にあたっての重要な要素でした」

■「限られた人たちが使うだけではもったいない製品だと思います」


あらゆるアクセサリーを試し続けた清水さんが、最終的にたどりついた部屋の大改革は見事に成功。これをきっかけに音楽を楽しむ時間がさらに増えているという。音楽は楽しむものであって“音苦”でないと、清水さんはいう。

「読者のみなさんもアクセサリーやケーブル、機器を買い替えるのをやめて、部屋やセッティングを見直してみてはどうでしょうか?シルヴァンやアンクは実際に自分の部屋で試してみなければわからないので、ぜひ遠慮しないで、自宅試聴を申し込んで欲しいと思います」

当初、シルヴァンやアンクは、広い専用ルームを持つハイエンドユーザーのための製品で、自分には関係ないと思っていたという。

「限られた人たちだけではもったいない製品です。もっと幅広い層のオーディオファンの方々に使っていただきたいと思います」

部屋の重要性を身をもって体験してきた清水さん。そのコメントの一つ一つには確かな説得力があった。






【問い合わせ先】
日東紡音響エンジニアリング(株)(公式サイト
〒130-0021 東京都墨田区緑1-21-10
音空間事業本部コンシューマ営業部 山下、佐古
TEL/03-3634-7567
E-mail:ags@noe.co.jp
※試聴ルーム「サウンド・ラボラトリー」(千葉市稲毛区)試聴募集中(予約制)



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