公開日 2014/02/18 11:00
“Fidelio”最上位モデル「X1」に最適なヘッドホンアンプを野村ケンジが検証
人気のヘッドホンアンプ4機種と組み合わせテスト
■Fidelio「X1」の潜在能力を引き出せるヘッドホンアンプを検証する
高解像度、幅広いダイナミックレンジ、丁寧なニュアンス表現など、ハイエンドヘッドホンとしての高い実力を披露しつつ、同時に、パワー感と熱気に溢れた音楽性豊かなサウンドを堪能させてくれる、フィリップスの“Fildelio”シリーズのフラッグシップヘッドホン「X1」。その実力の高さ、サウンドの楽しさは、前回のレビューにもあるとおり。しかしながら、音質最優先のハイエンドモデルゆえに、十全に鳴らし切るには多少のコツが必要となるのもまた事実だ。事実、スマートフォンへの直差しでは、厚みやパワー感がもの足りない、「X1」の本来の姿とはほど遠い薄い音になってしまうと思う。
ゆえに、「X1」にはそれ相応のヘッドホンアンプが必須といえる。いや、もっと正確に言うなら、ある程度の駆動力を持つヘッドホン出力があれば十分にいい音では鳴ってくれるが、「X1」の真の実力を存分に発揮させるためには、それ相応のヘッドホンアンプが必要となるのである。
そこで今回は、実力派のヘッドホンアンプ4機種を取りそろえ、それぞれが「X1」の実力をどこまで引き出し、どういったサウンドを楽しませてくれるのかをレポートしたいと思う。
■人気・実力ともに高い4モデルで「X1」を試聴する
今回ピックアップしたヘッドホンアンプは、ラックスマン「P-700u」、ティアック「HA-501」、フォステックス「HP-A8」、ORB「JADE casa」の4台。いずれも評判の高いモデルだ。これにUSB-DACとしてラックスマン「DA-06」を組み合わせ、Macからハイレゾ音源をメインに再生。サウンド傾向をチェックすることとした。
なお、「HP-A8」はUSB DAC機能を内蔵しているが、今回はヘッドホンアンプとしての特徴を知ることを優先、かつ他のモデルとイコールコンディションにするためもあって、アナログ入力で試聴を行っている。
組み合わせ<1>
LUXMAN「P-700u」 ¥280,000(税抜)
さて、まず最初は「P-700u」。こちらはバランス出力をもつラックスマンのヘッドホンアンプのフラッグシップモデルで、独自の高音質増幅帰還回路「ODNF3.0A」を4チャンネル搭載。BTL(ブリッジ)接続によるバランス出力に加え、アンバランス出力も4チャンネルの増幅回路を左右2つずつ束ねたパラレル駆動を行うことで、パワーとクオリティーを高めている。今回用いたUSB-DACが同じラックスマンなので、今回のラインナップのなかでは価格も含めてリファレンス的な存在といえるだろう。試聴では「DA-06」とXLRバランス出力で接続した。
■清楚で清々しいレファレンスグレードのサウンド
さて、「X1」との組み合わせはというと、音色傾向としては清楚で清々しい、柔らかで丁寧な音といった印象だ。弦楽器の響きがとても細やかで、かつ心地よく感じられる。とはいえ、音数を整理して美音にしているのではなく、あくまでも高解像度のまま、歪み感を徹底的に排除することで演奏の良さをうまく引き出している。おかげで、上原ひろみのピアノの音などは、倍音成分の良く乗った、のびのびとした音色を楽しませてくれる。また、演奏される音がホール全体へと音が広がっていく様がしっかりと感じられた。
一方で、「X1」ならではのパワフルさ、熱気の高さはやや控えめ。あくまでも客観的に、正確無比に丁寧な再生を心がけているイメージだ。「X1」の解像感や再現性などオーディオ的なクオリティー面の実力を存分に発揮させてくれるヘッドホンアンプといえるだろう。
高解像度、幅広いダイナミックレンジ、丁寧なニュアンス表現など、ハイエンドヘッドホンとしての高い実力を披露しつつ、同時に、パワー感と熱気に溢れた音楽性豊かなサウンドを堪能させてくれる、フィリップスの“Fildelio”シリーズのフラッグシップヘッドホン「X1」。その実力の高さ、サウンドの楽しさは、前回のレビューにもあるとおり。しかしながら、音質最優先のハイエンドモデルゆえに、十全に鳴らし切るには多少のコツが必要となるのもまた事実だ。事実、スマートフォンへの直差しでは、厚みやパワー感がもの足りない、「X1」の本来の姿とはほど遠い薄い音になってしまうと思う。
ゆえに、「X1」にはそれ相応のヘッドホンアンプが必須といえる。いや、もっと正確に言うなら、ある程度の駆動力を持つヘッドホン出力があれば十分にいい音では鳴ってくれるが、「X1」の真の実力を存分に発揮させるためには、それ相応のヘッドホンアンプが必要となるのである。
そこで今回は、実力派のヘッドホンアンプ4機種を取りそろえ、それぞれが「X1」の実力をどこまで引き出し、どういったサウンドを楽しませてくれるのかをレポートしたいと思う。
■人気・実力ともに高い4モデルで「X1」を試聴する
今回ピックアップしたヘッドホンアンプは、ラックスマン「P-700u」、ティアック「HA-501」、フォステックス「HP-A8」、ORB「JADE casa」の4台。いずれも評判の高いモデルだ。これにUSB-DACとしてラックスマン「DA-06」を組み合わせ、Macからハイレゾ音源をメインに再生。サウンド傾向をチェックすることとした。
なお、「HP-A8」はUSB DAC機能を内蔵しているが、今回はヘッドホンアンプとしての特徴を知ることを優先、かつ他のモデルとイコールコンディションにするためもあって、アナログ入力で試聴を行っている。
組み合わせ<1>
LUXMAN「P-700u」 ¥280,000(税抜)
さて、まず最初は「P-700u」。こちらはバランス出力をもつラックスマンのヘッドホンアンプのフラッグシップモデルで、独自の高音質増幅帰還回路「ODNF3.0A」を4チャンネル搭載。BTL(ブリッジ)接続によるバランス出力に加え、アンバランス出力も4チャンネルの増幅回路を左右2つずつ束ねたパラレル駆動を行うことで、パワーとクオリティーを高めている。今回用いたUSB-DACが同じラックスマンなので、今回のラインナップのなかでは価格も含めてリファレンス的な存在といえるだろう。試聴では「DA-06」とXLRバランス出力で接続した。
■清楚で清々しいレファレンスグレードのサウンド
さて、「X1」との組み合わせはというと、音色傾向としては清楚で清々しい、柔らかで丁寧な音といった印象だ。弦楽器の響きがとても細やかで、かつ心地よく感じられる。とはいえ、音数を整理して美音にしているのではなく、あくまでも高解像度のまま、歪み感を徹底的に排除することで演奏の良さをうまく引き出している。おかげで、上原ひろみのピアノの音などは、倍音成分の良く乗った、のびのびとした音色を楽しませてくれる。また、演奏される音がホール全体へと音が広がっていく様がしっかりと感じられた。
一方で、「X1」ならではのパワフルさ、熱気の高さはやや控えめ。あくまでも客観的に、正確無比に丁寧な再生を心がけているイメージだ。「X1」の解像感や再現性などオーディオ的なクオリティー面の実力を存分に発揮させてくれるヘッドホンアンプといえるだろう。