公開日 2015/05/26 13:00
アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」楽曲を超豪華“艤装”(スピーカー)で聴く!
アニソンオーディオポータル:レビュー第3回
全国の作戦海域にて任務にあたる提督の皆さん、伝令です。TVアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」関連楽曲をオーディオ的にレビューしてください。
そんな特殊任務を受けたので、今回は「艦これ」の楽曲レビューを行っていきたい。
まずは作品の紹介から。「艦隊これくしょん -艦これ-」はDMM.com提供、「艦これ」運営鎮守府により開発/運営されるブラウザゲームだ。その内容を簡単に説明すると、プレーヤーは在りし日の艦艇の魂を宿した少女、「艦娘(かんむす)」達を指揮する提督として、艦隊の拠点である鎮守府に着任する。提督はその艦娘たちを成長させ、艦隊を編成し、謎の敵「深海棲艦(しんかいせいかん)」との戦いに勝利していくことを目指すのだ。
艦娘についてもう少し詳しく説明したい。艦娘は、戦艦や航空母艦、駆逐艦といった艦艇が女性に擬人化されたキャラクター。そのため、名前は戦艦「長門」や航空母艦「赤城」、駆逐艦「吹雪」など、実際に活躍した艦艇からとられており、かつその外見も元となった艦艇の特徴が反映されたデザインとなっている。特に艦娘が装備する艤装も実在した兵装に準拠するなど、気になる設定が散りばめられているのが面白い。そのため勝利ではなく、艦娘たちを集めて育成するのがメインの目的となる提督が多数存在するのも仕方ないだろう。
累計登録ユーザー数は優に300万人を突破しているという「艦これ」。そんな本作がアニメ化されたのは至極当然の流れと言える。
魅力溢れるさまざまな艦娘が登場する本作品だが、アニメにあたってストーリーの軸となる存在を選ぶ必要がある。そこで抜擢されたのが、特型駆逐艦の1番艦「吹雪」だ。ゲームにおいても最初に選べる初期艦娘5隻のうちの1隻である。性格も真面目で正義感が強く、その実直さ故に周りが見えなくなってしまったら、それを素直に謝れるという主人公的なキャラクターだ。納得の人選ではないだろうか。
そんな彼女が鎮守府に着任して最初の友人となったのが、同じく駆逐艦である「睦月」と「夕立」だ。しっかり者で心優しい睦月、明るくマイペースな夕立、そんな彼女たちと過ごすうち、その友情は深まり、かけがえのない絆が結ばれていくことになる。
この後さらに、吹雪の憧れの的となる正規空母「赤城」や、提督に代わり指示を出す秘書艦の戦艦「長門」、先輩として共に戦う軽巡洋艦「川内」騒がしくもお姉さん的存在として吹雪を助ける戦艦「金剛」などなど、大勢のキャラクターによって物語が展開していくことになる。
ようやくだが、ここから少しずつ話をオーディオ方向に振って行きたい。前述のように多数のキャラクターによって彩られる本作だが、実は声優陣は、そのキャラクターと1対1の人数がいるわけではない。絶妙に声色や口調などを使い分けることにより、複数の役を演じ分ける場合があるのだ。
後にレビューするキャラクターソングでは、4役で構成される楽曲を1人のキャストが歌い切るパターンもある。アニメ作品内では、数役が会話をしていても実際には1人のキャストしか喋っていないというシーンも度々あった。この聴き分けは、実際テレビのスピーカーでも十分過ぎるほど分かるレベルなのだが、オーディオグレードのスピーカーやヘッドフォンを介すことでさらに感じ取ることができる。彼女たちそれぞれの個性を、よりはっきりと掴めるようになるのだ。
また声の聴き分けのほかにも、キャラクターの感情がより強く伝わってくる、実在感が増すというメリットがある。音質が向上したことでリアルさが増すこと、臨場感がアップすることなどが要因だろう。ちなみに艦娘からの呼び名は提督と司令官などが混在するが、これは艦種や性格による違いから来るものと予想され、基本的に同じ人物を指している。
もちろん、音楽の面でもメリットは大きい。シーンを盛り上げる劇伴は、その効果が大きくなっているように感じる。まばたきを忘れてしまうように、自分が息をしているのを気づかないほどに、意識を全て作品内に持って行かれるのだ。これはもちろん、音楽性自体の高さによるところも大きい。実際に筆者はオーディオ機器を用いずに作品を視聴していたが、その時も提督として彼女達と共に立っていた。そしてエンディングテーマ後に「あれっ、ここ鎮守府じゃない? うそでしょ?」と嘆いたものだ。つまり、オーディオとの相乗効果によって倍率ドン、さらに倍になったのであろう。
そんな劇伴を担当しているのは作・編曲家の亀岡夏海。現在はフリーで活躍しており、オーケストレーションを専門としている。その壮大華麗な響きは否が応でも気分を高揚させるし、優しい旋律は心を穏やかにさせる。シリアスなシーンでは緊張感を高め、日常の楽しい空間をコミカルに明るく描き出す。珠玉の名作が収録されたサントラ「艦響」(VTCL-60402〜3/FlyingDog)はすでに発売中。
さて、劇伴のレビューはいつかの機会に譲るとして、今回はヴォーカルありのタイトルを取り上げていきたい。アニメのオープニングテーマ『海色(みいろ)』、エンディングテーマ『吹雪』。そしてキャラクターソング『艦娘乃歌』だ。音楽制作はフライングドッグが担当しており、オープニング/エンディングテーマはそれぞれフライングドッグ所属のアーティストが歌っている。キャラクターソングは多彩な艦娘たちが歌ってくれている。早速というには前置きが長くなったが、次ページから各タイトルをレビューしていきたい。
そんな特殊任務を受けたので、今回は「艦これ」の楽曲レビューを行っていきたい。
まずは作品の紹介から。「艦隊これくしょん -艦これ-」はDMM.com提供、「艦これ」運営鎮守府により開発/運営されるブラウザゲームだ。その内容を簡単に説明すると、プレーヤーは在りし日の艦艇の魂を宿した少女、「艦娘(かんむす)」達を指揮する提督として、艦隊の拠点である鎮守府に着任する。提督はその艦娘たちを成長させ、艦隊を編成し、謎の敵「深海棲艦(しんかいせいかん)」との戦いに勝利していくことを目指すのだ。
艦娘についてもう少し詳しく説明したい。艦娘は、戦艦や航空母艦、駆逐艦といった艦艇が女性に擬人化されたキャラクター。そのため、名前は戦艦「長門」や航空母艦「赤城」、駆逐艦「吹雪」など、実際に活躍した艦艇からとられており、かつその外見も元となった艦艇の特徴が反映されたデザインとなっている。特に艦娘が装備する艤装も実在した兵装に準拠するなど、気になる設定が散りばめられているのが面白い。そのため勝利ではなく、艦娘たちを集めて育成するのがメインの目的となる提督が多数存在するのも仕方ないだろう。
累計登録ユーザー数は優に300万人を突破しているという「艦これ」。そんな本作がアニメ化されたのは至極当然の流れと言える。
魅力溢れるさまざまな艦娘が登場する本作品だが、アニメにあたってストーリーの軸となる存在を選ぶ必要がある。そこで抜擢されたのが、特型駆逐艦の1番艦「吹雪」だ。ゲームにおいても最初に選べる初期艦娘5隻のうちの1隻である。性格も真面目で正義感が強く、その実直さ故に周りが見えなくなってしまったら、それを素直に謝れるという主人公的なキャラクターだ。納得の人選ではないだろうか。
そんな彼女が鎮守府に着任して最初の友人となったのが、同じく駆逐艦である「睦月」と「夕立」だ。しっかり者で心優しい睦月、明るくマイペースな夕立、そんな彼女たちと過ごすうち、その友情は深まり、かけがえのない絆が結ばれていくことになる。
この後さらに、吹雪の憧れの的となる正規空母「赤城」や、提督に代わり指示を出す秘書艦の戦艦「長門」、先輩として共に戦う軽巡洋艦「川内」騒がしくもお姉さん的存在として吹雪を助ける戦艦「金剛」などなど、大勢のキャラクターによって物語が展開していくことになる。
ようやくだが、ここから少しずつ話をオーディオ方向に振って行きたい。前述のように多数のキャラクターによって彩られる本作だが、実は声優陣は、そのキャラクターと1対1の人数がいるわけではない。絶妙に声色や口調などを使い分けることにより、複数の役を演じ分ける場合があるのだ。
後にレビューするキャラクターソングでは、4役で構成される楽曲を1人のキャストが歌い切るパターンもある。アニメ作品内では、数役が会話をしていても実際には1人のキャストしか喋っていないというシーンも度々あった。この聴き分けは、実際テレビのスピーカーでも十分過ぎるほど分かるレベルなのだが、オーディオグレードのスピーカーやヘッドフォンを介すことでさらに感じ取ることができる。彼女たちそれぞれの個性を、よりはっきりと掴めるようになるのだ。
また声の聴き分けのほかにも、キャラクターの感情がより強く伝わってくる、実在感が増すというメリットがある。音質が向上したことでリアルさが増すこと、臨場感がアップすることなどが要因だろう。ちなみに艦娘からの呼び名は提督と司令官などが混在するが、これは艦種や性格による違いから来るものと予想され、基本的に同じ人物を指している。
もちろん、音楽の面でもメリットは大きい。シーンを盛り上げる劇伴は、その効果が大きくなっているように感じる。まばたきを忘れてしまうように、自分が息をしているのを気づかないほどに、意識を全て作品内に持って行かれるのだ。これはもちろん、音楽性自体の高さによるところも大きい。実際に筆者はオーディオ機器を用いずに作品を視聴していたが、その時も提督として彼女達と共に立っていた。そしてエンディングテーマ後に「あれっ、ここ鎮守府じゃない? うそでしょ?」と嘆いたものだ。つまり、オーディオとの相乗効果によって倍率ドン、さらに倍になったのであろう。
そんな劇伴を担当しているのは作・編曲家の亀岡夏海。現在はフリーで活躍しており、オーケストレーションを専門としている。その壮大華麗な響きは否が応でも気分を高揚させるし、優しい旋律は心を穏やかにさせる。シリアスなシーンでは緊張感を高め、日常の楽しい空間をコミカルに明るく描き出す。珠玉の名作が収録されたサントラ「艦響」(VTCL-60402〜3/FlyingDog)はすでに発売中。
さて、劇伴のレビューはいつかの機会に譲るとして、今回はヴォーカルありのタイトルを取り上げていきたい。アニメのオープニングテーマ『海色(みいろ)』、エンディングテーマ『吹雪』。そしてキャラクターソング『艦娘乃歌』だ。音楽制作はフライングドッグが担当しており、オープニング/エンディングテーマはそれぞれフライングドッグ所属のアーティストが歌っている。キャラクターソングは多彩な艦娘たちが歌ってくれている。早速というには前置きが長くなったが、次ページから各タイトルをレビューしていきたい。