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公開日 2016/06/29 17:02

圧倒的ライブ感を生み出すハイブリッド型イヤホン、エレコム「EHP-R/HH1000A」レビュー

高音質に本気で挑んだ注目モデル
折原一也
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■エレコムが2万円程度のイヤホンに本気で挑む、ハイブリッドの注目モデル

PC周辺機器ブランドでありながら近年数々のイヤホン・ヘッドホンを送り出すエレコム。オーディオ業界では『異業種からの参入』と色眼鏡で見られがちな同社であったが、最近ではハイレゾ対応イヤホン「EHP-CH1000」シリーズを始め、1万円以下の戦略的な価格を打ち出したモデルや、2万円オーバーの高音質ヘッドホン「EHP-R/OH2000」など注目モデルを次々と投入し、着実に『ハイレゾに本気』なブランドの地位を確立している。

そんなエレコムが、ハイレゾだけではなく、高音質イヤホンとして本気の姿勢で臨むモデルが「EHP-R/HH1000A」だ。実売2万円そこそこと、従来のハイコスパ路線とは一転し、音質勝負に出た戦略的モデルと言えるだろう。

EHP-R/HH1000A

実際にEHP-R/HH1000Aのイヤホン実物を見ても、高音質に賭ける意気込みがよく分かる。イヤホン構成は中高域を再生するBAドライバーと、中低域を再生する8mmのダイナミックドライバーを搭載。BAドライバーは8mmダイナミックドライバーの前面にマウントする形で配置し、ダイナミックドライバーにはベリリウムコート振動板を採用することでキレのある中低音とBAドライバーとのスムーズな繋がりを狙っている。帯域によってユニットを分割するハイブリッド構成のため再生周波数帯域にも余裕があり、高域はハイレゾ基準を満たす40kHz、低域は5kHzまでをカバーしており、ワイドレンジな特性を確保している。

パッケージと中の様子。音質勝負のハイエンドモデルらしく、クールでシンプルな質感

ハウジングは高剛性のアルミニウムと樹脂のハイブリッドで、不要振動を抑制しピュアな音源再生を実現する志向だ。おかげで見た目にはやや大型になっているが、ユニット部が耳穴にフィットするように角度を付けてマウントされている事もあり、実際に装着してみると思いのほかサイズも重量も気にならず使う事ができた。

見た目には少し大きめだが、装着感は良い

ケーブル接続部にはMMCX対応の着脱方式を採用し、リケーブルにも対応する。本体が対称形状なので、左右を入れ替えれば耳掛け仕様のリケーブルにも対応可能だ。OFC導体を採用した付属のケーブルは、他ブランドでもあまり見かけない極細の取り回ししやすいタイプ。しかもマイク付きとマイク無しの2タイプが同梱されているあたり、奮発し過ぎと言いたくなる豪華さだ。

ケーブルはマイクなし(左)、マイク付き(右)が同梱。どちらもOFC導体ケーブルと豪華だ

一通り「EHP-R/HH1000A」のスペックと仕様を確認してみて、流行のハイブリッドドライバーによる構成、ヘッドホン好きには外せないMMCX端子によるリケーブル対応、OFCコードが付属とハイエンドイヤホンを作るなら今時外せない要素が凝縮されていることがわかる。エレコムの本気さが垣間見られるモデルと言えるのではないだろうか。

遮音性が高く音漏れを防ぐという2層硬度のイヤーチップも、S/M/Lとサイズごとに同梱

■ハイブリッドドライバーから繰り出される圧倒的なライブ感

EHP-R/HH1000Aが高音質イヤホンとして本気の勝負を仕掛けているモデルなのだから、やはり勝負所はその”音”だろう。エレコムの発売するハイレゾイヤホンの先輩である「EHP-CH2000」は、高橋敦氏のレビュー(関連ニュース)で”実は注目の優秀モデル”と紹介され、「EHP-CH3000」(関連ニュース)は”正統派サウンド”と太鼓判を押されている。

そんな流れを受けてEHP-R/HH1000Aのサウンドチェックを始めたのだが、良い意味で期待を裏切るサウンドを聞かせてくれた。

次ページ「EHP-R/HH1000A」が鳴らす圧倒的ライブ感

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