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公開日 2016/07/28 19:26

ビックカメラ専用“タチコマ”カラーなラディウスのハイレゾイヤホン「HP-BKS21」を聴く

編集部 小澤の気まぐれレビュー番外編
編集部:小澤貴信
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ラディウスのハイレゾ対応イヤホン「HP-NHR21」に、ボディカラーをブルーにしたビックカメラグループ限定モデル「HP-BKS21」が登場した(関連ニュース)。この特別モデルのみの仕様として、コンプライの低反発イヤーチップも同梱されている。1万円台前半という価格帯で既に高い評価を得ている本機に音質の魅力について、この限定モデル登場を機に改めて分析してみたい。

HP-BKS21

HP-BKS21全体のようす

HP-BKS21は、ラディウス独自のHigh-MDF(high magnetic flux density system)構造を採用し、40kHzまでの周波数帯域再生に対応したイヤホン。13mmドライバーを搭載するが、High-MDF構造によってボイスコイルから漏れる磁束をマグネットの反発磁力によって閉じ込め、磁束密度を高める仕様としている。また、平均感度を従来モデル比で約4dB向上させたことも特徴だという。

本機の音の狙いとしては、普及価格帯の他モデルと比べてより高度なHigh-MDFを施すことで、低域の音圧を上げ、ドライバーの音質コントロールの精度も向上させたとのことだ。

なお、通常モデルはボディがレッドとブラックの2種類なのだが、今回登場するHP-BKS21は特別色として美しいブルーを採用している。Twitterを見ていたら、本機のデザインとカラーから、アニメ『攻殻機動隊』に登場する多脚ロボット「タチコマ」を連想したという人が何人かいたが、なるほど青の色合いも含めて確かにタチコマを思い出させるデザインだ。

「タチコマ」を連想したという人もチラホラいたブルーカラー


しっかりした素材のケーブル部

プラグは金メッキ製の3.5mmステレオミニ
■気になる、HP-BKS21のサウンドは?

さて、サウンドをチェックしていこう。まずはiPhoneのミュージックアプリを使って、44.1kHz/16bitのCDリッピング音源を試聴してみた。

HP-BKS21は各帯域をバランス良く描いてくれるイヤホンだ。楽器の音色の描き分けや、ボーカルの質感の再現も秀でている。一方で、本機が狙いとして掲げているとおり、低域は音圧感たっぷりに表現される。

このように説明すると「各帯域をバランス良く」という表現と矛盾するように思われるかもしれない。しかし、「バランス良く」というのは「各帯域がフラット」というのとはちがう。HP-BKS21はライブ演奏を思わせる低域の量感や音圧を備えつつ、中高域とも絶妙のバランスで聴かせてくれるところに魅力がある。ベースやキックドラムを音圧感や量感たっぷりに描いてくれる一方で、音の輪郭や質感もしっかりと保っているところも良い。

人によっては、もう少し低域がタイトであって欲しいと思うひともいるかもしれない。それならばぜひ、HP-BKS21だけが標準同梱しているコンプライの低反発フォーム・イヤーチップを試してみてほしい。こちらにイヤーピースを変更すると、ベースがぐっと締まってスピード感も増す。中高域についても、さらに解像感がアップした印象だ。

HP-BKS21で様々な音楽を聴いてみたが、各ジャンルへの対応力はとても高い。ジャズなどアコースティックな音楽では、生楽器の響きまで美しく表現してくれる。一方で打ち込み系の音楽では、本機ならではの低域によるグルーヴ感あふれる表現が楽しめる。ロックとの相性も抜群だ。ライブに立ち会っているような低域と、音の細部まで描き出してくれる中高域の絶妙なバランスが、このジャンル対応力のカギになっているのだろう。

本機はハイレゾ対応ということで、ハイレゾ音源も試聴した。ここまでの試聴を踏まえて、イヤーピースにはコンプライを使った。ノラ・ジョーンズ「Don't Know why」(FLAC 192kHz/24bit)を聴くと、アコースティックギターやピアノなどアコースティック楽器の余韻を美しく描き出され、ノラ・ジョーンズのボーカルも口元の動きや細かいブレスが見えるようだ。低域は量感をしっかり出しながら、解像感も十分に確保している。ハイレゾらしい分解能や余韻をしっかりと再現しつつ、演奏の一体感、躍動感も楽しめるのも本機ならではの個性だろう。

今回の試聴では、HP-BKS21が価格を超えた音楽表現力を備えていることを改めて実感しつつ、コンプライを組み合わせることでそのサウンドをさらに一歩引き出せることも確認できた。美しいサウンドとパンチの効いたベースの両方が欲しいという方には特にお薦めできそうだ。ハイレゾ対応イヤホンの中では手頃な価格の製品ということもあり、ぜひ一度その音を自分の耳で確認してみてほしい。

(小澤 貴信)

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