公開日 2017/10/24 10:00
値下げでコスパ最強に? キャンペーン中のAKG「N」イヤホン5機種、“買うべき”モデルを検証
NC/Lightning/デュアルドライバーなど多士済々
AKGのNシリーズといえば、確かな音質とスタイリッシュなデザインを両立させたヘッドホンシリーズ。Nという文字には「新世代」「革新」といった意味が込められている。デビューから2年が経ち、ラインナップがますます充実してきた。
これまでもプレミアムな品質ながら比較的手頃な価格を実現していたNシリーズだが、この10月からコストパフォーマンスがさらに上がった。キャンペーンが行われ、Nシリーズのうち、イヤホン5機種の値下げが行われたのだ(関連ニュース)。
1万円クラスでリファレンスサウンドを実現するハイレゾイヤホン「N25」や、Nシリーズのローンチ時から人気モデルとして君臨している定番機「N20」、さらにノイズキャンセリングイヤホン「N20NC」や最新iPhoneとの相性抜群な「N20LT」まで、価格改定でさらに魅力を増した、個性溢れるNシリーズ。それぞれを実際に試しながら特徴に迫っていこう。
■「N25」― AKG唯一の濃厚なデュアルダイナミックドライバー・サウンド
まず注目したいのは「N25」だ。これまでの販売価格(ハーマン直販サイト価格、以下同)は19,880円、約2万円だったが、これが一気に11,880円となった。2万円クラスのど真ん中に位置していたものが、一気に1万円クラスに下りてきたことになる。
もちろん、値下げに伴う仕様変更などは一切無い。N25はAKGとして初めてデュアル・ダイナミックドライバーを搭載したモデルだ。そのハイクオリティなサウンドが1万円ちょっとで手に入るようになった。この価格帯は名機がひしめく激戦区だが、数ある定番モデルの中に本機が加わった意味は大きい。
音を改めて聴いてみると、そのサウンドはこの価格帯を軽々と飛び越えている。もともとが2万円の製品だから当然なのだが、一言で言うと「クラスが一つ上のサウンド」なのだ。
1万円クラスのイヤホンでは、低域の沈み込みと質感、そして高域のきらめきまで、すべてを満たすモデルは少ない。たとえばダイナミックドライバー1発の製品であれば、低域から中域の上の方までバランス良く鳴らしながら、そこからさらに上の、10kHz以上の高域になると少し曇った印象になるものもある。トライアングルやシンバルの音を想像して欲しいのだが、本当は金属が震える高い響きが耳を駆け抜けて欲しいのに、音が伸びきらないばかりに感動が損なわれるというケースもある。
ところがN25では、9.2mmのダイナミックドライバーがリッチで階調豊かな低域を再現しつつ、もう1基の5.8mmダイナミックドライバーが中高域を担当するハイブリッド構造によって、低域域から超高域までを忠実に再現する。
言葉で言うと簡単なようだが、これを高い次元で行うのは、実は非常に難しい。2つのダイナミックドライバーを使うと、ユニット間がスムーズにつながらない場合があり、実際にこういった課題を克服できていない製品も多い。本機はそういった課題を軽々と克服し、その上で高い音楽性を備えている。
本機はAKGとして初めてデュアル・ダイナミック・ドライバーを搭載したイヤホンだが、初にしてここまで高い完成度を実現したのは、相当な時間をかけて綿密な研究開発した成果だろう。
■「N20」― Nシリーズのデビューモデル
N20は、Nシリーズがデビューした時からラインナップされているモデルだ。ローンチ時に用意された製品だけあって、すでに定番モデルとして多くのファンに認知されている。Nシリーズの中ではエントリーモデルと位置づけられる。
今回新たに設定された価格は7,880円。直前の販売価格は11,880円だったので、こちらも一気に4,000円下がった。
それだけではない。本機が発売された2015年夏時点での販売価格は、14,880円だった。つまり登場時に比べると約半額程度で、このプレミアムラインの優秀機が購入できるようになった。なんとも良い時代が到来したものだ。
実際に製品を見てみると、まず質感や仕上げが、8,000円弱の価格帯ではあり得ないレベルだ。アルマイト処理を施した高剛性なアルミ製ハウジングが、プラスチックでは得られない高級感を醸し出している。ケーブルも、Yコネクターの下は布製被覆で柔軟性を高め、コネクターの上はタッチノイズを抑えるラバー被覆を採用する“ハイブリッド・シース構造”を採用。このクラスでケーブルにここまで気を配った製品は珍しい。
また筐体の後ろにある"ベンチレーション・システム"の穴は、本機の音質を高める上でも重要な役割を果たしているのだが、その穴の周囲にもシルバーの面取りが行われているという凝りよう。見えないところにまで徹底的にこだわったイヤホンが、この価格で買えるというのは異例で、所有欲をくすぐられるのだ。
音質は、本機も「クラス越え」という言葉がふさわしい。ドライバーは7mmのダイナミックドライバーが一基で、サウンドキャラクターは低域から高域に至るまでバランスが整っている。
様々な音が洪水のように押し寄せる「ようこそジャパリパークへ」で聴いてみると、ベンチレーションシステムが効果絶大で、ドラムやベースラインもしっかり沈み、なおかつそれぞれの音の細かなニュアンスを描き分ける解像力にも優れる。一方でチャイムの金属音もしっかり伸び、ワイドレンジかつメリハリあるサウンドを届けてくれる。もう一度強調するが、これが8,000円弱で買えるとは驚きの一言だ。
これまでもプレミアムな品質ながら比較的手頃な価格を実現していたNシリーズだが、この10月からコストパフォーマンスがさらに上がった。キャンペーンが行われ、Nシリーズのうち、イヤホン5機種の値下げが行われたのだ(関連ニュース)。
1万円クラスでリファレンスサウンドを実現するハイレゾイヤホン「N25」や、Nシリーズのローンチ時から人気モデルとして君臨している定番機「N20」、さらにノイズキャンセリングイヤホン「N20NC」や最新iPhoneとの相性抜群な「N20LT」まで、価格改定でさらに魅力を増した、個性溢れるNシリーズ。それぞれを実際に試しながら特徴に迫っていこう。
■「N25」― AKG唯一の濃厚なデュアルダイナミックドライバー・サウンド
まず注目したいのは「N25」だ。これまでの販売価格(ハーマン直販サイト価格、以下同)は19,880円、約2万円だったが、これが一気に11,880円となった。2万円クラスのど真ん中に位置していたものが、一気に1万円クラスに下りてきたことになる。
もちろん、値下げに伴う仕様変更などは一切無い。N25はAKGとして初めてデュアル・ダイナミックドライバーを搭載したモデルだ。そのハイクオリティなサウンドが1万円ちょっとで手に入るようになった。この価格帯は名機がひしめく激戦区だが、数ある定番モデルの中に本機が加わった意味は大きい。
音を改めて聴いてみると、そのサウンドはこの価格帯を軽々と飛び越えている。もともとが2万円の製品だから当然なのだが、一言で言うと「クラスが一つ上のサウンド」なのだ。
1万円クラスのイヤホンでは、低域の沈み込みと質感、そして高域のきらめきまで、すべてを満たすモデルは少ない。たとえばダイナミックドライバー1発の製品であれば、低域から中域の上の方までバランス良く鳴らしながら、そこからさらに上の、10kHz以上の高域になると少し曇った印象になるものもある。トライアングルやシンバルの音を想像して欲しいのだが、本当は金属が震える高い響きが耳を駆け抜けて欲しいのに、音が伸びきらないばかりに感動が損なわれるというケースもある。
ところがN25では、9.2mmのダイナミックドライバーがリッチで階調豊かな低域を再現しつつ、もう1基の5.8mmダイナミックドライバーが中高域を担当するハイブリッド構造によって、低域域から超高域までを忠実に再現する。
言葉で言うと簡単なようだが、これを高い次元で行うのは、実は非常に難しい。2つのダイナミックドライバーを使うと、ユニット間がスムーズにつながらない場合があり、実際にこういった課題を克服できていない製品も多い。本機はそういった課題を軽々と克服し、その上で高い音楽性を備えている。
本機はAKGとして初めてデュアル・ダイナミック・ドライバーを搭載したイヤホンだが、初にしてここまで高い完成度を実現したのは、相当な時間をかけて綿密な研究開発した成果だろう。
■「N20」― Nシリーズのデビューモデル
N20は、Nシリーズがデビューした時からラインナップされているモデルだ。ローンチ時に用意された製品だけあって、すでに定番モデルとして多くのファンに認知されている。Nシリーズの中ではエントリーモデルと位置づけられる。
今回新たに設定された価格は7,880円。直前の販売価格は11,880円だったので、こちらも一気に4,000円下がった。
それだけではない。本機が発売された2015年夏時点での販売価格は、14,880円だった。つまり登場時に比べると約半額程度で、このプレミアムラインの優秀機が購入できるようになった。なんとも良い時代が到来したものだ。
実際に製品を見てみると、まず質感や仕上げが、8,000円弱の価格帯ではあり得ないレベルだ。アルマイト処理を施した高剛性なアルミ製ハウジングが、プラスチックでは得られない高級感を醸し出している。ケーブルも、Yコネクターの下は布製被覆で柔軟性を高め、コネクターの上はタッチノイズを抑えるラバー被覆を採用する“ハイブリッド・シース構造”を採用。このクラスでケーブルにここまで気を配った製品は珍しい。
また筐体の後ろにある"ベンチレーション・システム"の穴は、本機の音質を高める上でも重要な役割を果たしているのだが、その穴の周囲にもシルバーの面取りが行われているという凝りよう。見えないところにまで徹底的にこだわったイヤホンが、この価格で買えるというのは異例で、所有欲をくすぐられるのだ。
音質は、本機も「クラス越え」という言葉がふさわしい。ドライバーは7mmのダイナミックドライバーが一基で、サウンドキャラクターは低域から高域に至るまでバランスが整っている。
様々な音が洪水のように押し寄せる「ようこそジャパリパークへ」で聴いてみると、ベンチレーションシステムが効果絶大で、ドラムやベースラインもしっかり沈み、なおかつそれぞれの音の細かなニュアンスを描き分ける解像力にも優れる。一方でチャイムの金属音もしっかり伸び、ワイドレンジかつメリハリあるサウンドを届けてくれる。もう一度強調するが、これが8,000円弱で買えるとは驚きの一言だ。