PR 公開日 2024/07/22 06:30
デンマークが誇るハイエンドスピーカー、PEAKが堂々の日本上陸。緻密な再現性で芯の強い音を絞り出す
7月26日から開催される「東京インターナショナルオーディオショウ」でも披露
デンマークの本格オーディオブランドが日本再上陸
今月26日から始まる2024東京インターナショナルオーディオショウで、ぜひ注目してもらいたいスピーカーがある。PROSTO(旧:DYNAUDIO JAPAN)が取り扱いを始めたPEAK(ピーク)がそれで、これまでとはちょっと様子の違うデンマークの本格的なハイエンド・ブランドである。
PEAK(社名はPEAK CONSULT)は10年ほど前に一度わが国に入ったことがあるが、ごくわずかな期間で終了している。従って実質的には今回が初めてと考えてよさそうだ。また当時とは経営も製品も変わっているので、その意味でも新規ブランドと言った方がわかりやすい。
設立は1996年のことで、オーディオマニアで木工職人であったペール・クリストファーセンという人物が、既存のスピーカーからユニットを外して自作のキャビネットに付け替えるという作業に熱中し始めたところから話は始まる。それはユニットを入手しての自作へと発展し、友人たちのために製作を行いという具合に進んで、とうとうスピーカー・メーカーを起業するまでに至った。それが28年前のことだ。自作のキャビネット方がずっといいに違いない、と木工職人は自信を持ってそう考えたらしい。
それから年月が過ぎ、経営の本格化を図ってペール氏は会社を投資家の手に委ねることになる。その一人がヴィルヘルム・エーレンホルツ氏。DYNAUDIOの創業者であり、長く社長を続けた人物である。因みにDYNAUDIOが株式会社ではなく、エーレンホルツ氏の個人経営であったことは周知のことだ。
2021年、エーレンホルツ氏ともう一人の共同経営者レナート・ジェンセン氏のコンダクトの下、ピーク・コンサルトは新たな一歩を踏み出すことになる。エーレンホルツ氏は技術者でもあり、DYNAUDIO時代にも多くの製品設計を手掛けてきた。その経験とペール氏のキャビネット技術が融合して、現在4つのモデルがリリースされている。
重量級キャビネットにカスタムメイドのユニットを装備
今回我々の前に登場するのは最もベーシックなモデル「Sonora」である。今後は他の上位モデルも引き続き導入されてくるはずだが、いまはまず本機に専念してみることにしたい。
構成は2ウェイで、バスレフではなく背面にパッシブ・ラジエーターが搭載されている。トゥイーターはソフトドームである。ウーファーも含めてカスタムメイドの専用設計で、さらにPLIC(ピーク・リニア・インピーダンス・コントロール)という特殊技術が採用されているそうだ。おそらくこの辺りがエーレンホルツ氏の存在感ということなのかもしれない。
そしてキャビネットは、1台当たり68kgという重量級である。何がその重量を作り出しているかというと、まずは木材だ。キャビネット本体は3層30mmのサンドイッチ構造。これに14mmの無垢ハードウッド材突板仕上げが施されている。
側面にはブラックアクリルパネルを嵌め込み、フロントバッフルはレザー貼りである。これだけでも十分な重量と言っていいが、それだけではない。
底部にはクロスオーバー・ネットワークが搭載されているが、これには専用のチェンバーが設けられ、そこにドライサンドを充填している。マイクロフォニック効果を回避するためだが、これも重量に寄与しているということになる。
これだけの重量を支えるには市販のスパイクなどでは間に合わないため、底部には特別に設計されたデカップリング・フットが装着されている。内部に超硬質セラミックボール・ベアリングを収め、デカップリング機構を持たせた多層構造のフットである。床を傷つける心配もなく、安定した設置を確実にしている。
接続端子にはArgento製のバイディング・ポストが採用された。スピーカーのグレードに相応しい装備である。
これ以上の詳細は実物を見てもらうしかないが、デンマーク家具伝統のスタイルで作られているという。木材の扱いももちろんだが、例えばグルー(接着剤)にしても場所に応じて何種類もの材料を使い分けているそうだ。場合によっては複数合成して使うこともあるという。堅牢性を極限まで高め、ドライバー・ユニットやネットワークに最適な動作環境を提供するということが基本ポリシーとなっている。キャビネットにそこまで決定的な役割を持たせたメーカーも珍しいと言わなければならない。そういうことからもピークというスピーカーの特別な存在感を感じ取ってもらえるように思う。
大スケールでオーケストラそれぞれの楽器の音色を明瞭に描く
試聴機がわが国に到着してまだ日が浅い。それでも何度か聴いてはいるが、まだ全貌を把握したとは言い切れないのが正直なところだ。いったいどこまでポテンシャルがあるのだろうと感じさせられる。それでまだベーシック機なのだから、上位機だとどういうことになるのか想像もつかない。
今回は、MOONのプリアンプ/ネットワークプレーヤー「791」とパワーアンプ「761」という最新のラインナップで聴いてみた。これにCDプレーヤー「650D」という組み合わせである。
エージングがだいぶ進んで、音がピタッと決まる。ピントがくっきり絞られて音楽像がすっと現われ出てきた。バロックのトリオ・ソナタだから編成が小さく、その全体像がスピーカーの中央辺りにすかっと見えている。ハイエンドというととかく大音量のイメージがあるが、こういう緻密な再現こそが重要なところなのである。
低音の方はどうかとピアノを聴いてみると、ずーんと引き伸ばされた持続音が深い。タッチも芯が強く腰が据わっている。背景に余分なノイズやざわつきがなく、それが楽音を浮き立たせる要因になっているのがわかる。ステージが非常に鮮明で、ピアノという楽器が正面に見えるようだ。
オーケストラでは思う存分ボリュームを上げてみた。もちろんびくともしないが、その音量の中で楽器それぞれの音色が明確にわかるのがすごい。大概は混濁して、単なるフォルテの塊になってしまうものだ。やはりPEAKは違う。そしてスケールが大きい。強弱の起伏が幅広く、しかも柔軟に伸縮して様々な音を放出する。入ってきた信号をひとつも残さず絞り出してしまう。そういう出方であるのは間違いない。
東京インターナショナルオーディオショウには筆者も参加することになっている。それまでにまだ再現力は深まるだろう。それを期待しているのである。
では次は会場でお会いしましょう!
(提供:PROSTO)