PR 公開日 2024/09/03 06:30
イタリア・フィレンツェ発、ゴールド・ノートがアナログに込める思い。人肌の温かみや躍動を味わえる
クラフトマンシップ光るアナログ製品を紹介
GOLD NOTE(ゴールド・ノート)は、イタリアのフィレンツェに本社を置く総合オーディオメーカー。その製品ラインアップは、アナログ関連機器からホームシアター向け製品までと幅広く、欧州を中心に注目を集めているブランドである。今回、トライオードを輸入元としてアナログ関連製品の国内導入がスタートした。ブランドの魅力とサウンドを解説しよう。
昨年秋に日本再上陸を果たしたイタリアのゴールド・ノートは、2012年創立と社歴は浅いが、創立される20年ほど前から創業エンジニアであるマウリツィオ・アテリーニ氏が自らのデザイン・スタジオを開設し、数年後には現在も販売が続くトーンアームを製品化していたというから、しっかりとした技術的蓄積を有するメーカーである。会社は順調に成長し、アナログから始まったラインアップは既に高度なデジタル機器やホームシアターにまで広がっている。
今回日本での取り扱いが開始したアナログ関連製品について簡単に紹介しつつ、音を聴いていこう。
アナログプレーヤー「PIANOSA」は、ウォルナットとステンレス、MDFによる3層構造のキャビネットを持つベルトドライブのプレーヤーで、優美な曲線を描くウォルナット層が一際美しい。プラッターは制振性の高いポリビニル素材で、叩いてもほぼ鳴かない。レーベル面の膨らみを落とし込む加工もなされているからシートなしでも使えそうだが、フェルトのシートも付属している。重量200g程度の小ぶりなスタビライザーも純正で付属する。
アームは10インチ程度のストレート型スタティックバランス・タイプで、サポートのガタつきはまったくなく動きは非常に滑らかかつ軽快だ。脚はスパイクが装着されている。スパイクには若干のハウリング抑制効果があるが、もしお使いの環境でマージンが足りないようなら、振動遮断型のインシュレーターやオーディオボードを棚板との間に挿入するとよいだろう。電源はACアダプターだが、強化電源の「PST-10」を追加して、音質向上を目指せるのが嬉しい。
MCカートリッジの「DONATELLO GOLD」は、出力電圧0.5mVで内部インピーダンス40Ω、適正針圧1.8-2.1gと非常に扱いやすい特性を持ち、自重も7gと軽量だ。
フォノイコライザー「PH-10」は、入力感度が0.1-10.0mV、インピーダンスが10Ω - 47kΩの9段階にセットできるのが嬉しい。イコライザーカーブはRIAAの他、COLUMBIAとDECCAにも対応、サブソニック・フィルターは10Hzで36dB/octという高度なものだ。
入力はRCA×2系統、出力はRCA/XLR各1系統用意されている。本体の内蔵電源でも駆動できるが、こちらも強化電源PSU-10の追加投入で音質向上を図ることが可能となる。
今回はこれらを全て組み合わせて音を聴いてみる。まず、プレーヤーへは本来の純正ACアダプターで聴き進める。プラッターにはフェルトのシートを載せ、スタビライザーは不使用、フォノイコは自己電源を用いる。
それでは音を聴いていこう。まずはプレーヤー、フォノイコライザーとも純正電源で聴く。クラシックはかなりガチっと音像が決まるタイプの盤をやや柔らかな当たりにして聴かせるが、これはフェルト・シートの効用であろう。スタビライザーを載せるといくらか情報量が下がり、若干頭を抑えられたような音になるから、個人的には、このシートを使うならスタビライザーなしでいきたい。
一方、シートを外してプラッターへ直接盤を載せると、迫力とパワフルさが味わえるようになった。こちらではスタビライザーがあった方が低域も締まり、個人的には好ましく聴こえたので、以下この状態で聴く。
改めて腰を据えて聴く。クラシックは何とも艶やかな弦と瑞々しい管、濃厚で手を伸ばせば触れられるような残響の表現が素晴らしい。割合ストイックな音のチェコ録音を、この装置は人生の喜びとともに表現してくれる。ジャズは音離れ良く粒立も良い。しかしそれだけではない人肌の温かみ、血のたぎりのようなものが脳髄を直撃する。オーディオ的に優れているのみならず、やはりイタリア人が作るオーディオだなという印象が濃い。ポップスは立ち上がりがピシリと決まり、火花散るようなシンバルの飛沫とバスドラムの躍動の中から頬を紅潮させた歌姫がシャウトする。音楽を聴くということの本質を味わった気がする。
ここでプレーヤーに強化電源を用いてみる。クラシックは音数激増、楽員が1人ずつ分離しつつトゥッティの塊を聴かせるのが快い。残響もさらに深く見晴らしが良くなった。巨匠マタチッチの武骨で男性的な音楽作りが一段と理解しやすくなった気がする。
ジャズはドラムスの皮が一段と堅く引き締められ、ホーンの咆哮は超音速でリスナーを突き抜けていくが、その熱血ぶりと温かみはいささかも損なわれない。数ランクも上のプレーヤーに交換したかのような感激がある。
ポップスもまったく同様、立ち上がりや切れ味、音数を大幅に向上させつつ温かみ、熱さも更新したように感じさせる。思えばDC18Vで小さなモーターを駆動するだけの電源なのだが、それでここまで音が変わるのだ。実際に体験なさった人でなければ、にわかに信じられないのではないか。ともあれ、プラス20万円でこの音へ変身させられるなら、損のない投資といってもよいだろう。
お次はフォノイコライザーも強化電源でドライブしてみよう。クラシックはオーケストラの音像がグッと奥へ下がり、楽員1人ずつを描写する表現に変わりがない。とてつもなく解像度が上がり、器が大きくなった印象だ。魂の熱さに貴族的な気品が加わり、何とも素晴らしい聴き心地である。
ジャズは一聴驚いた。これまでメリハリをやや強めに乗せた盤だと思っていたら、それがサラリと解きほぐされ、それでいながら身体を突き抜けるようなパワーと存在の逞しさは一切損なわれない。この音はあまり長く聴いてはいけない。本当に欲しくなってしまいそうだ。
ポップスも “切れ味” とか “炸裂” とあえて言う必要もなく、高品位サウンドが超音速で吹っ飛んでくるオーディオ的醍醐味と、人の血が濃厚に通う演奏には遥かな磨きがかかる。これほど耳に刺さらない切れ込みの鋭さは、なかなか聴けるものではない。
盤の本質を明らかにしつつ、イタリア的な生の喜び、快楽主義的なフレーバーが全体を成立させているのであろう。
GOLD NOTEとの出会いは10年ほどに遡ります。やはり出会いの最初はドイツのミュンヘンショウでのことでした。彼らのブースに訪問したときに、デザインやフィロソフィー、そのサウンドに魅了されたことから輸入を計画することとなりましたが、なんと当時日本に輸入元があることが分かり、残念ながら断念しました。それから数年が経ち、嬉しいことにGOLD NOTEから日本への導入を検討してほしいとの話があり、ついに昨年末から輸入が実現しました。イタリアのクラフトマンシップが奏でる魅惑的なサウンドをお楽しみください。
(提供:トライオード)
本記事は『アナログ vol.83』からの転載です。
■技術的蓄積を有する総合オーディオメーカー
昨年秋に日本再上陸を果たしたイタリアのゴールド・ノートは、2012年創立と社歴は浅いが、創立される20年ほど前から創業エンジニアであるマウリツィオ・アテリーニ氏が自らのデザイン・スタジオを開設し、数年後には現在も販売が続くトーンアームを製品化していたというから、しっかりとした技術的蓄積を有するメーカーである。会社は順調に成長し、アナログから始まったラインアップは既に高度なデジタル機器やホームシアターにまで広がっている。
今回日本での取り扱いが開始したアナログ関連製品について簡単に紹介しつつ、音を聴いていこう。
■優美なデザインのアナログプレーヤー「PIANOSA」
アナログプレーヤー「PIANOSA」は、ウォルナットとステンレス、MDFによる3層構造のキャビネットを持つベルトドライブのプレーヤーで、優美な曲線を描くウォルナット層が一際美しい。プラッターは制振性の高いポリビニル素材で、叩いてもほぼ鳴かない。レーベル面の膨らみを落とし込む加工もなされているからシートなしでも使えそうだが、フェルトのシートも付属している。重量200g程度の小ぶりなスタビライザーも純正で付属する。
アームは10インチ程度のストレート型スタティックバランス・タイプで、サポートのガタつきはまったくなく動きは非常に滑らかかつ軽快だ。脚はスパイクが装着されている。スパイクには若干のハウリング抑制効果があるが、もしお使いの環境でマージンが足りないようなら、振動遮断型のインシュレーターやオーディオボードを棚板との間に挿入するとよいだろう。電源はACアダプターだが、強化電源の「PST-10」を追加して、音質向上を目指せるのが嬉しい。
■MCカートリッジとEQカーブ可変のフォノイコも登場
MCカートリッジの「DONATELLO GOLD」は、出力電圧0.5mVで内部インピーダンス40Ω、適正針圧1.8-2.1gと非常に扱いやすい特性を持ち、自重も7gと軽量だ。
フォノイコライザー「PH-10」は、入力感度が0.1-10.0mV、インピーダンスが10Ω - 47kΩの9段階にセットできるのが嬉しい。イコライザーカーブはRIAAの他、COLUMBIAとDECCAにも対応、サブソニック・フィルターは10Hzで36dB/octという高度なものだ。
入力はRCA×2系統、出力はRCA/XLR各1系統用意されている。本体の内蔵電源でも駆動できるが、こちらも強化電源PSU-10の追加投入で音質向上を図ることが可能となる。
人肌の温かみを感じ人生の喜びを引き出してくれる
今回はこれらを全て組み合わせて音を聴いてみる。まず、プレーヤーへは本来の純正ACアダプターで聴き進める。プラッターにはフェルトのシートを載せ、スタビライザーは不使用、フォノイコは自己電源を用いる。
それでは音を聴いていこう。まずはプレーヤー、フォノイコライザーとも純正電源で聴く。クラシックはかなりガチっと音像が決まるタイプの盤をやや柔らかな当たりにして聴かせるが、これはフェルト・シートの効用であろう。スタビライザーを載せるといくらか情報量が下がり、若干頭を抑えられたような音になるから、個人的には、このシートを使うならスタビライザーなしでいきたい。
一方、シートを外してプラッターへ直接盤を載せると、迫力とパワフルさが味わえるようになった。こちらではスタビライザーがあった方が低域も締まり、個人的には好ましく聴こえたので、以下この状態で聴く。
改めて腰を据えて聴く。クラシックは何とも艶やかな弦と瑞々しい管、濃厚で手を伸ばせば触れられるような残響の表現が素晴らしい。割合ストイックな音のチェコ録音を、この装置は人生の喜びとともに表現してくれる。ジャズは音離れ良く粒立も良い。しかしそれだけではない人肌の温かみ、血のたぎりのようなものが脳髄を直撃する。オーディオ的に優れているのみならず、やはりイタリア人が作るオーディオだなという印象が濃い。ポップスは立ち上がりがピシリと決まり、火花散るようなシンバルの飛沫とバスドラムの躍動の中から頬を紅潮させた歌姫がシャウトする。音楽を聴くということの本質を味わった気がする。
強化電源の追加でさらに見晴らしが良くなる
ここでプレーヤーに強化電源を用いてみる。クラシックは音数激増、楽員が1人ずつ分離しつつトゥッティの塊を聴かせるのが快い。残響もさらに深く見晴らしが良くなった。巨匠マタチッチの武骨で男性的な音楽作りが一段と理解しやすくなった気がする。
ジャズはドラムスの皮が一段と堅く引き締められ、ホーンの咆哮は超音速でリスナーを突き抜けていくが、その熱血ぶりと温かみはいささかも損なわれない。数ランクも上のプレーヤーに交換したかのような感激がある。
ポップスもまったく同様、立ち上がりや切れ味、音数を大幅に向上させつつ温かみ、熱さも更新したように感じさせる。思えばDC18Vで小さなモーターを駆動するだけの電源なのだが、それでここまで音が変わるのだ。実際に体験なさった人でなければ、にわかに信じられないのではないか。ともあれ、プラス20万円でこの音へ変身させられるなら、損のない投資といってもよいだろう。
フォノEQへの電源を追加することで貴族的な気品も加わる
お次はフォノイコライザーも強化電源でドライブしてみよう。クラシックはオーケストラの音像がグッと奥へ下がり、楽員1人ずつを描写する表現に変わりがない。とてつもなく解像度が上がり、器が大きくなった印象だ。魂の熱さに貴族的な気品が加わり、何とも素晴らしい聴き心地である。
ジャズは一聴驚いた。これまでメリハリをやや強めに乗せた盤だと思っていたら、それがサラリと解きほぐされ、それでいながら身体を突き抜けるようなパワーと存在の逞しさは一切損なわれない。この音はあまり長く聴いてはいけない。本当に欲しくなってしまいそうだ。
ポップスも “切れ味” とか “炸裂” とあえて言う必要もなく、高品位サウンドが超音速で吹っ飛んでくるオーディオ的醍醐味と、人の血が濃厚に通う演奏には遥かな磨きがかかる。これほど耳に刺さらない切れ込みの鋭さは、なかなか聴けるものではない。
盤の本質を明らかにしつつ、イタリア的な生の喜び、快楽主義的なフレーバーが全体を成立させているのであろう。
【輸入元から -トライオード 代表取締役 山崎順一氏】
GOLD NOTEとの出会いは10年ほどに遡ります。やはり出会いの最初はドイツのミュンヘンショウでのことでした。彼らのブースに訪問したときに、デザインやフィロソフィー、そのサウンドに魅了されたことから輸入を計画することとなりましたが、なんと当時日本に輸入元があることが分かり、残念ながら断念しました。それから数年が経ち、嬉しいことにGOLD NOTEから日本への導入を検討してほしいとの話があり、ついに昨年末から輸入が実現しました。イタリアのクラフトマンシップが奏でる魅惑的なサウンドをお楽しみください。
(提供:トライオード)
本記事は『アナログ vol.83』からの転載です。