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PR 公開日 2024/12/26 06:30

“圧倒的な進化” を評論家も実感。エディスクリエーション「SILENT SWITCH OCXO 2」&「FIBER BOX 3」を旧モデルと徹底比較

最先端かつ唯一無二の技術によるネットワークハブと光絶縁ツール
園田洋世/生形三郎
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オーディオファイルから絶大な信頼を集め、“新世代のネットワークオーディオ再生アイテム” として一時代を築いたEDISCREATION(エディスクリエーション)のネットワークハブと光絶縁ツール。この度、満を持してニューモデルが誕生した。今後のネットワークオーディオの新基準となり得る大注目のアイテムの徹底レビューをお届けする。

圧倒的なブレークスルーで満を持して登場した新作(園田洋世)


エディスクリエーションから「SILENT SWITCH OCXO 2」と「FIBER BOX 3」が発売された。大ヒットした前モデル、「SILENT SWITCH OCXO」と「FIBER BOX 2」の後継機である。

前モデル同様、それぞれに日本専用の「JPSM(JAPAN STANDARD MODEL)」とその強化版「JPEM(JAPAN EXCLUSIVE MODEL)」が用意されているが、輸入元は今回のモデルチェンジを知らされたとき非常に驚いたそうだ。

エディスクリエーションのネットワークハブ「SILENT SWITCH OCXO 2」(写真右)と、光絶縁ツール「FIBER BOX 3」(写真左)。どちらも「JPSM(JAPAN STANDARD MODEL)」(330,000円/税込)と「JPEM(JAPAN EXCLUSIVE MODEL)」(616,000円/税込)をラインナップする

というのも、エディスクリエーションの創立者エディソン・ウォン氏は、電子工学を学びエンジニアとして長年経験を積んできた人物であるが、そもそも氏は非常に熱心なオーディオマニア。彼は商業的な配慮にもとづく計画的なモデルチェンジを一切考えていない。「モデルチェンジする時は、日々続けている研究が花開き、自分自身が圧倒的なブレークスルーだと確信できる技術を開発できた時だけだ」と断言していたからである。

「SILENT SWITCH OCXO 2」(写真左)と、「FIBER BOX 3」(写真右)のリアパネル

逆に言えば今回、圧倒的な “ブレークスルー” と確信できる技術が開発できたわけだ。その名は「シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジー」。この技術により、新製品「SILENT SWITCH OCXO 2」に接続された複数のデバイスが高精度クロック信号をきわめて正確に共有できるようになった。すべての機器のネットワーク信号をかつてない正確さをもって同期させることにより、劇的な音質の改善効果を実現することが可能になったのである。

ご存知の通り「クロック同期」においては、ひとつのリーダー機のクロックに対してそれ以外の機器がフォロワー機として追従(=同期)する動作が一般的だ。しかしこのたび新たに開発された同テクノロジーを搭載した機器の間を、専用のCS CABLEで接続すると、リーダー機・フォロワー機という従来の形ではなく、いわば「両機が同時にリーダー機となる形で」同期する。

創業者エディソン・ウォン氏が開発した世界初の技術「シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジー」。SILENT SWITCH OCXO 3に接続された複数のデバイスが共通の高精度クロック信号を共有できるようになる。そのため、FIBER BOX3に接続し同期すると、完璧なタイミングで動作し、ジッターを最小限に抑える事が可能となる。また、データパケットは最小限の遅延で送受信されるため、ストリーミング再生などでは特に威力を発揮する

ただでさえ前モデルの「SILENT SWITCH OCXO」がその名の通り、ネットワークスイッチとしては例のないことに内蔵ワードクロックとしてOCXO(恒温槽付水晶発振器)を採用していた。TCXO(温度補償水晶発振器)を搭載するのがせいぜいだったネットワークスイッチにである。「FIBER BOX 2」にもOCXOが搭載されていた。

そして新モデル「SILENT SWITCH OCXO 2」「FIBER BOX 3」にも前モデル同様OCXOを採用しているが、シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーを新たに搭載した両機は、それぞれのOCXOが同期専用のバスであるCS CABLEにより相通じながら(=同期しながら)、なんと「ともにリーダー機として」振る舞うのだ。これにより、すべてのデバイスがかつてないほどに完璧なタイミングで動作し、データパケットは最小限の遅延で送受信され、タイミングの不一致やジッターを最小限に抑えることが可能になった。

シンクロナイズ・クロックバス接続には、専用の「CS Cable 0.75M」(33,000円/税込)が必要となる


実は電源や光変換の設計にも深くメスが入れられていた!


実際どれほどの効果があるのか聴いてみよう。まず前モデルをあえて上級機であるJPEMコンビで聴いてから、新モデルのJPSMコンビに繋ぎ換える。試聴曲はミケーレ・ラッビア「Lost River」。

写真上が旧モデル「SILENT SWITCH OCXO JPSM」、写真下が「SILENT SWITCH OCXO 2 JPSM」。いずれのモデルも画期的なグラウンド絶縁スイッチ、Neutrik製オーディオグレードLANソケット、グランド端子を装備する。新モデルは新たにSFPポートも搭載された

とりあえずCS CABLEは繋がないで聴く。驚いたことにこの段階で新JPSMコンビの方が旧JPEMコンビよりも、各音像の前後の位置関係が精密なうえに、各音像自体の立体感がよく出ている。音場も新JPSMコンビの方が左右のスピーカーの外側に大きく拡がっている。音数も増えたので、例えば硬い毛の刷毛で擦るような音は毛1本1本の細さが見えるかのよう。しかし、価格は新JPSMコンビの方が安いのだ。

写真上が旧モデル「FIBER BOX 2 JPSM」、写真下が「FIBER BOX 3 JPSM」。いずれも1000M Speed LAN 入出力ポートを搭載する。新モデルはシンクロナイズ・クロックバス出力を搭載するとともに、SILENT SWITCH OCXO同様グラウンド端子が装備された

シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーによる劇的な音質向上を受けてモデルチェンジするに至った今回、このテクノロジーを最大限に活かすべく、実は電源、そして光変換メディアコンバーターの基本設計にも深くメスが入れられているのである。

もともと、エディソン氏がオーディオ用に最初に開発したのはリニア電源であった。ネットワークオーディオ関連機器にはACアダプターを採用する例が多いなか、主電源に自社開発のディスクリート設計リニア電源である超低ノイズLPS電源を搭載していたことでも評価されていたのが旧モデルだった。

しかし2023年に本国で発表されたばかりのハイエンドなクリーン電源「Firebird LPS」の開発で培われた技術が、このたびの新製品にも投入されている。さらに光絶縁ツール「FIBER BOX 3」は、JPSM/JPEMともに内容を大幅に刷新し新設計されている。

筐体サイズが大きくなったのは改良されたオリジナル・ファイバーモジュールを新レイアウトで搭載した結果だ。しかも独自方式を採用した新タイプの光ファイバーケーブルを採用。つまりCS CABLEを繋いで「シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーを使わずとも」、基本設計において飛躍的な進化を遂げた新JPSMコンビは、旧JPEMコンビより音が良いのである。

AUDIO NOTE製「KAISEI Audio Quality Capacitor」/MUNDORF製キャパシター、FURUTECH(JAPAN)製IECインレット「FI-06 NFC」/UPOCCケーブル内部配線/RED COPPER(赤銅製)ベース/特許取得済みの “Ripple Base Footer” 脚部などを採用する

ではいよいよシンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーをONにしてみよう。両機背面の「Clock Sync」端子間をCS CABLEで繋ぎ、SILET SWITCHの同端子下にあるスイッチを「External」に切り替えればOK。残響音成分が精密かつ克明! 各楽音の質感表現と解像度が劇的に向上し、位置関係も全方向にビシビシ定まる。これは凄い。

グラウンドを入出力ごとに切り離せる画期的機能も搭載


実は今までの試聴で「SILENT SWITCH OCXO 2」は、接続する他の機器との間で、グラウンドを共有させていた。しかし「SILENT SWITCH OCXO」とこのたびの「SILENT SWITCH OCXO 2」が画期的なのは入出力ごとにグラウンドを簡単に切り離せるからだ。試しに背面各LAN端子に備わるスイッチを操作してすべて絶縁して聴いてみよう。

音場の前後がグググッと深くなった。奥方向で鳴る楽音がより遠くなり、手前方向で鳴る楽音はよりグイグイ近づいてくる。試しにネットワークプレーヤー兼プリアンプとして使用したLUMIN(ルーミン)の「P1 MINI」とだけグラウンドをコネクトすると音場は奥に引っ込む。「FIBER BOX 3」とだけコネクトするとスピーカー間に綺麗なステレオイメージが立ち現れない。

グラウンドは試してみないとわからない。しかしこのようにグラウンド共有のパターンを色々試せるのは「SILENT SWITCH OCXO 2」だけなのだ。では最後。シンクロナイズ・クロックバス・テクノロジーONかつグラウンドを全て絶縁した状態で新JPEMコンビを聴こう。

JPEM(写真右)とJPSM(写真左)の底面部の比較。JPEMはインシュレーターにRipple Base Footer、ベース部にはRED COPPER(赤銅製)のベースを採用する

旧モデルはJPSMとJPEM同様にゴム製のインシュレーターだったが、新モデルはいずれもオーディオグレードに変更。JPEMは特許取得のRippleBase Footerを採用する

S/Nが段違い! 初めて聴こえた音がたくさん。音色・質感情報が桁違いに多い。楽音の驚異的な立体感、そして余韻のなんと深いこと……。エディスクリエーションの新しい4製品はもはやアクセサリーではない。ネットワークオーディオにおける上流のクオリティを根本的に向上させるコンポーネントとして位置付けるべきだろう。経験を積んだマニアほど上流の重要性を痛感しているものだ。

次ページヘビーユーザーの生形氏が新旧モデルを大検証

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