公開日 2014/03/14 12:24
ニール・ヤングのハイレゾプレーヤー「PonoPlayer」を予約した!
LINN・ギラード社長も絶賛
ライターの山本です。このほど勢いでニール・ヤング氏が立ち上げたPono Musicのハイレゾプレーヤー「PonoPlayer」(関連ニュース)をポチってしまいました。
私自身は元々、アーティストとしてのニール・ヤングに特別な思い入れとかは無いんですが、何だかMP3など圧縮音源を猛烈に批判しながら、“音質”に対する関心が日々薄れつつある音楽文化の未来を憂い、会社まで立ち上げてクラウドファンディングサービス「Kickstarter」から、オリジナルのハイレゾプレーヤーを発売するらしいぞと聞いて、何だか胸がざわつき始めていた頃でした。
そして先日12日に前倒しで予約販売が始まり、発表された製品の仕様を詳しくみてみたら、ハイレゾはFLACとWAVだけでなくAIFFやALACも再生できるようで、こいつはなかなか面白そうじゃないですか!でも、あれだけ批判していたMP3も対応フォーマットに入っているところに、ヤング氏のたくましい商魂を感じます…。音響設計のバックアップにはAyre AcousticsとAudioQuestが関わっているというところもマニア心をくすぐりますね。
逆に、以前ヤング氏がこだわっていた独自のハイレゾフォーマット「Pono」に関する発表はありませんでした。
これについて、アメリカから大西洋を渡ったイギリスの方では、こんな出来事も。
2012年にアメリカのテレビ番組「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」に出演し、Ponoフォーマットの優位性を熱弁していたヤング氏を見て、LINNのギラード・ティーフェンブルン社長は自身のブログで「ヤングの試みは失敗に終わるだろう」と失望の意を表明していました。
ところが12日にポストされたブログでは一転、FLACやWAVなどオープンなファイルフォーマットをサポートしたことを受けて、「PonoPlayer」を賞賛。「Pono saves the music industry(Ponoが音楽業界を救う)」と題したブログの中で「24bitミュージックがメインストリームになる日が遂にやってくる、信じられない」「これがニール・ヤング氏が述べた“21世紀における真の音楽体験のローンチ”になるかって?私はそう確信している!」と諸手を挙げて歓迎のコメントを述べていました。
またプレーヤーの発売と同時期のスタートが期待される音楽配信サービス「PonoMusic.com Store」についてもギラード氏は、「非常に重要なことは、このサイトがFLACによる配信も採用したこと。LINNを含む様々なHi-Fiシステムで楽しめる」と熱っぽく歓迎しています。自身はベックのシグネチャーモデルをポチったらしいです。
そんなにギラード氏がオススメするPonoPlayerなんだから、こりゃ買うしかないでしょ?ということで、KickstarterのアプリをiPhoneにダウンロードして、予約申し込みをしてみました。
アプリを立ち上げると、現在クラウドファンディングを募集している色んなプロジェクトがずらりと並んでいます。検索ワードに「Pono」と入力してみると、ありましたよ「PonoPlayer」! 13日夜時点では、プロジェクトの目標額としていた80万ドルを軽く上回る、240万ドルに達していました。
アイテムのリストをスクロールしていくと、「EARLY BIRD」として200ドルの先行投資でPonoPlayerのブラックモデルを購入できる権利も。100件限定で公開していたんですね。もちろん、もう受付は終了していましたが。
その下にはPonoPlayerのレギュラーモデルであるブラックとイエローが300ドルで投資(販売)を受付中。さらに下へスクロールしていくと、ニール・ヤング総帥をはじめ、ギラード氏が購入したというベックなどアーティストたちのシグネチャーモデルが400ドルで公開されています。500台限定のニール・ヤングモデルは申し込み受付を終了。さらに5,000ドル/30件限定で公開中の「ニール・ヤングとPonoを聴くVIPパーティー」もめでたく完売していました。面目躍如、よかったねニール!
私はといえば“イエローモデル”を申し込みました。購入はAmazon.comのアカウントを持っていれば「Amazonペイメント」経由でクレジットカード払いが利用できるので、意外に余裕で買えてしまいました。購入後すぐにKickstarterから「Congratulations」メールが届きます。内容は、無事カード決済が済んだことと、今回「First Edition」で購入申し込みが受理されたことなどが記載されています。特に自分が“何番目”での購入者なのかはわからない感じです。
あとは出荷予定日の2014年10月を待つのみ。でもメールには10月に発送or到着なのか、飛行機便or船便なのかについてなど詳しい記載はありません。遅れることも十分考えられます。まさか、ここまで盛り上げておいて、「世界的な著名人であるニール・ヤング氏、クラウドファンディングの売上げ資金を持ってドロン」ってことはないと思いますが、どうでしょう…? 最悪315ドルなら、持ち逃げされてもあきらめが付く価格かなぁと、万一辛い出来事が起こったときのために心の準備もしたくなりますが、ここはひとつ、ヤング氏を信じて楽しみに待つことにしたいと思います。
■PonoへのQ&Aがアップデート
開けて14日、PonoMusic Teamからメールが届きました。内容は、発表後にも数多く寄せられているPonoPlayer、およびPonoMusic.comに関する問い合わせへの回答。本体の仕様や配信サービスについていくつかの事がわかりました。
まず、やはりDSDファイルの再生には非対応。理由は「DSDは良いハイレゾフォーマットだけれども、コンシューマーの側だけでなく、スタジオやレーベルなど制作サイドでの対応も進んでいないから。今回の初期リリースの時点ではPCMフォーマットの高音質と互換性の高さにフォーカスしていく」とのことでした。
同様にBluetooth機能も非搭載で、理由は「Bluetoothはハイレゾ再生に対応していないから」と、PonoPlayerがハイレゾ再生に徹底注力しているプレーヤーであることをアピールしています。またUSBでカーオーディオに接続することもできないようで、オーディオリスニングはAUX経由での利用を勧めています。
音楽配信サービスPonoMusic.comについては、当初アメリカ、イギリス、カナダの3国からスタートして順次各地域へ拡大していくとのこと。日本からの楽曲購入はしばらくおあずけになってしまうのか? 気がかりなところです。
他にも「どんなヘッドホンとの組み合わせがオススメ?」という質問に対しては、あらゆるヘッドホン&イヤホンでも上質なオーディオ体験を提供するプレーヤーであるとしていますが、特に「昨日開催したプレス・デモで、AyreはゼンハイザーのMomentumをリファレンスに使っていた。またAudezeのヘッドホンやEtymotic Researchのイヤホンで試聴してみたらすごく良かった」とも答えています。プレーヤー本体にヘッドホン/イヤホンは同梱されません。「PonoPlayerを求める多くの方が既に自分のヘッドホンを持っているはず。本体を可能な限り安価で提供したいから」という理由からだそうです。
「ニールのサイン入りモデルをもっと作らないのか」というラブコールも殺到したようで。もちろん「限定モデルだから、残念だけどもう作らないよ。でもほかにも素晴らしいアーティストのシグネチャーモデルがまだまだ登場するのでお楽しみに!」とのこと。ほんとによかったですね。
◇
いつ頃の到着になるのかわかりませんが、到着しましたらPhile-webで速攻レビューをさせていただく予定ですので、ご期待下さい。色んなHi-Fiヘッドホン&イヤホンとの組み合わせ試聴や、サービスが始まっていたら、もちろん「PonoMusic.com Store」の音源もリスニングしてみるつもりです。ニール・ヤングの曲だけじゃなく、aikoやウタダも聴いてみるよ!ご期待下さい!
私自身は元々、アーティストとしてのニール・ヤングに特別な思い入れとかは無いんですが、何だかMP3など圧縮音源を猛烈に批判しながら、“音質”に対する関心が日々薄れつつある音楽文化の未来を憂い、会社まで立ち上げてクラウドファンディングサービス「Kickstarter」から、オリジナルのハイレゾプレーヤーを発売するらしいぞと聞いて、何だか胸がざわつき始めていた頃でした。
そして先日12日に前倒しで予約販売が始まり、発表された製品の仕様を詳しくみてみたら、ハイレゾはFLACとWAVだけでなくAIFFやALACも再生できるようで、こいつはなかなか面白そうじゃないですか!でも、あれだけ批判していたMP3も対応フォーマットに入っているところに、ヤング氏のたくましい商魂を感じます…。音響設計のバックアップにはAyre AcousticsとAudioQuestが関わっているというところもマニア心をくすぐりますね。
逆に、以前ヤング氏がこだわっていた独自のハイレゾフォーマット「Pono」に関する発表はありませんでした。
これについて、アメリカから大西洋を渡ったイギリスの方では、こんな出来事も。
2012年にアメリカのテレビ番組「レイト・ショー・ウィズ・デイヴィッド・レターマン」に出演し、Ponoフォーマットの優位性を熱弁していたヤング氏を見て、LINNのギラード・ティーフェンブルン社長は自身のブログで「ヤングの試みは失敗に終わるだろう」と失望の意を表明していました。
ところが12日にポストされたブログでは一転、FLACやWAVなどオープンなファイルフォーマットをサポートしたことを受けて、「PonoPlayer」を賞賛。「Pono saves the music industry(Ponoが音楽業界を救う)」と題したブログの中で「24bitミュージックがメインストリームになる日が遂にやってくる、信じられない」「これがニール・ヤング氏が述べた“21世紀における真の音楽体験のローンチ”になるかって?私はそう確信している!」と諸手を挙げて歓迎のコメントを述べていました。
またプレーヤーの発売と同時期のスタートが期待される音楽配信サービス「PonoMusic.com Store」についてもギラード氏は、「非常に重要なことは、このサイトがFLACによる配信も採用したこと。LINNを含む様々なHi-Fiシステムで楽しめる」と熱っぽく歓迎しています。自身はベックのシグネチャーモデルをポチったらしいです。
そんなにギラード氏がオススメするPonoPlayerなんだから、こりゃ買うしかないでしょ?ということで、KickstarterのアプリをiPhoneにダウンロードして、予約申し込みをしてみました。
アプリを立ち上げると、現在クラウドファンディングを募集している色んなプロジェクトがずらりと並んでいます。検索ワードに「Pono」と入力してみると、ありましたよ「PonoPlayer」! 13日夜時点では、プロジェクトの目標額としていた80万ドルを軽く上回る、240万ドルに達していました。
アイテムのリストをスクロールしていくと、「EARLY BIRD」として200ドルの先行投資でPonoPlayerのブラックモデルを購入できる権利も。100件限定で公開していたんですね。もちろん、もう受付は終了していましたが。
その下にはPonoPlayerのレギュラーモデルであるブラックとイエローが300ドルで投資(販売)を受付中。さらに下へスクロールしていくと、ニール・ヤング総帥をはじめ、ギラード氏が購入したというベックなどアーティストたちのシグネチャーモデルが400ドルで公開されています。500台限定のニール・ヤングモデルは申し込み受付を終了。さらに5,000ドル/30件限定で公開中の「ニール・ヤングとPonoを聴くVIPパーティー」もめでたく完売していました。面目躍如、よかったねニール!
私はといえば“イエローモデル”を申し込みました。購入はAmazon.comのアカウントを持っていれば「Amazonペイメント」経由でクレジットカード払いが利用できるので、意外に余裕で買えてしまいました。購入後すぐにKickstarterから「Congratulations」メールが届きます。内容は、無事カード決済が済んだことと、今回「First Edition」で購入申し込みが受理されたことなどが記載されています。特に自分が“何番目”での購入者なのかはわからない感じです。
あとは出荷予定日の2014年10月を待つのみ。でもメールには10月に発送or到着なのか、飛行機便or船便なのかについてなど詳しい記載はありません。遅れることも十分考えられます。まさか、ここまで盛り上げておいて、「世界的な著名人であるニール・ヤング氏、クラウドファンディングの売上げ資金を持ってドロン」ってことはないと思いますが、どうでしょう…? 最悪315ドルなら、持ち逃げされてもあきらめが付く価格かなぁと、万一辛い出来事が起こったときのために心の準備もしたくなりますが、ここはひとつ、ヤング氏を信じて楽しみに待つことにしたいと思います。
■PonoへのQ&Aがアップデート
開けて14日、PonoMusic Teamからメールが届きました。内容は、発表後にも数多く寄せられているPonoPlayer、およびPonoMusic.comに関する問い合わせへの回答。本体の仕様や配信サービスについていくつかの事がわかりました。
まず、やはりDSDファイルの再生には非対応。理由は「DSDは良いハイレゾフォーマットだけれども、コンシューマーの側だけでなく、スタジオやレーベルなど制作サイドでの対応も進んでいないから。今回の初期リリースの時点ではPCMフォーマットの高音質と互換性の高さにフォーカスしていく」とのことでした。
同様にBluetooth機能も非搭載で、理由は「Bluetoothはハイレゾ再生に対応していないから」と、PonoPlayerがハイレゾ再生に徹底注力しているプレーヤーであることをアピールしています。またUSBでカーオーディオに接続することもできないようで、オーディオリスニングはAUX経由での利用を勧めています。
音楽配信サービスPonoMusic.comについては、当初アメリカ、イギリス、カナダの3国からスタートして順次各地域へ拡大していくとのこと。日本からの楽曲購入はしばらくおあずけになってしまうのか? 気がかりなところです。
他にも「どんなヘッドホンとの組み合わせがオススメ?」という質問に対しては、あらゆるヘッドホン&イヤホンでも上質なオーディオ体験を提供するプレーヤーであるとしていますが、特に「昨日開催したプレス・デモで、AyreはゼンハイザーのMomentumをリファレンスに使っていた。またAudezeのヘッドホンやEtymotic Researchのイヤホンで試聴してみたらすごく良かった」とも答えています。プレーヤー本体にヘッドホン/イヤホンは同梱されません。「PonoPlayerを求める多くの方が既に自分のヘッドホンを持っているはず。本体を可能な限り安価で提供したいから」という理由からだそうです。
「ニールのサイン入りモデルをもっと作らないのか」というラブコールも殺到したようで。もちろん「限定モデルだから、残念だけどもう作らないよ。でもほかにも素晴らしいアーティストのシグネチャーモデルがまだまだ登場するのでお楽しみに!」とのこと。ほんとによかったですね。
いつ頃の到着になるのかわかりませんが、到着しましたらPhile-webで速攻レビューをさせていただく予定ですので、ご期待下さい。色んなHi-Fiヘッドホン&イヤホンとの組み合わせ試聴や、サービスが始まっていたら、もちろん「PonoMusic.com Store」の音源もリスニングしてみるつもりです。ニール・ヤングの曲だけじゃなく、aikoやウタダも聴いてみるよ!ご期待下さい!