公開日 2016/04/13 10:30
Ultra HD Blu-rayソフトの出足は好調!「Future Proof」がキーワード
コスパの高さにも注目
現状ではFOX、ワーナー、ソニー、ライオンズゲートの4社から30近くのタイトルが発売されており、さらにパラマウントが5社目として、スター・トレックのUltra HD Blu-ray発売をアナウンスした。
アメリカ最大の家電小売店、ベストバイでは、主要店のソフト販売コーナーにUltra HD Blu-rayの専用販売棚が設置されており、店頭でも強くアピールされている。
その販売状況だが、関係者によると、これがかなり好調だという。ストリーミング配信が全盛のいま、しかもその中心である米国で好調というのは少し意外だが、ベストバイのバイヤーから直接「期待した以上の好調な売れ行き」と聞いたと、この関係者は話す。
もちろんだが、Ultra HD Blu-rayプレーヤーをまだ持っていない消費者の方がはるかに多い。それでは、なぜ期待以上に売れているのか。それを説明するキーワードが「Future Proof」、つまり「将来も安心」ということだ。
アメリカでのソフト販売価格は各社とも同一の29.99ドルで、Ultra HD Blu-rayとBlu-rayが両方とも同梱されている。もちろんBlu-rayだけのパッケージも売られているが、価格差は10ドル程度だ。「10ドル程度の価格差なら、将来的にプレーヤーを買った際にも安心なUltra HD Blu-rayを買っておこう」と考える消費者が予想以上に多かったということだろう。
この好調な売上げを背景に、タイトル数も当初予定より増えるようだ。業界内では、2016年に販売されるUltra HD Blu-rayソフトのタイトル数として、100タイトル程度という予想があったが、あるソフトメーカーは「この調子なら200タイトル以上は発売されるだろう」と話しているという。
米国では配信が人気で、4KタイトルもIPでストリーミング配信されているが、4Kで、かつHDRの映画作品は配信されていない。自社制作のオリジナルドラマなどは4K/HDRで配信するだろうが、こと映画となると、ハリウッドのメジャースタジオのOKがなかなか取れないのが現状という。
Ultra HD Blu-rayであれば、4K/HDRの人気映画が見られ、しかもビットレートはIP配信に比べてはるかに高く、最高画質で視聴できる。しかも最近のパッケージソフトには、多くのものにダウンロードコードが付与されており、スマホやタブレットでの視聴も手軽に行える。これで30ドル程度なら、確かにコストパフォーマンスは高い。
パッケージは過去のもの、これからはIP配信…という意見があちこちで聞かれるが、映画作品をクオリティにこだわって見る際には、まだまだUltra HD Blu-rayにアドバンテージがある。この流れが定着するのか、また日本での動きはどうなるのか。今後の動向から目が離せない。