• ブランド
    特設サイト
公開日 2021/06/15 06:40

次の「HomePod」はどうなる? WWDCの発表内容から予想する

今年の秋には“収穫祭”か
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
アップルの年次開発者会議「WWDC21」が開催され、秋に登場するAIアシスタントの「Siri(シリ)」に関連する数多くのアップデートが予告された。その内容を振り返りながら、Siriを搭載するスマートスピーカー「HomePod」の次の新製品を予想してみよう。

アップルのAIアシスタント「Siri」を載せたスマートスピーカー「HomePod」はこの秋どうなる?

iOS 15のSiriはオンデバイス処理が進化。処理が速くなる

秋に正式公開を予定するiOS 15、iPadOS 15に組み込まれるSiriは、機械学習処理の多くを、クラウドではなくデバイス単体でこなせるようになる。

iPhoneやiPadについてはA12 Bionic以降のチップを搭載する機種が、デバイス上でSiriによる音声認識を活用したハンズフリー操作をサポートする。機械学習関連の処理に特化したNeural Engineがチップに統合されていて、そのパフォーマンスを利用できる端末であることが動作条件だからだ。例年どおりであれば秋以降にアップルが発売する新しいiPhoneでは、さらにその真価を発揮するだろう。

WWDCの基調講演で実施されたデモンストレーションでは、iPhoneのデバイス上のSiriが音声リクエストを正確に認識してアプリを起動したり、機内モードやダークモードに設定を切り換えたり、タイマー・目覚ましを素速くセットする様子が披露された。例えば離陸した飛行機の中など、電波がつながらない場所でも端末の音声操作ができる。何よりも、Siriを使う際にクラウドへつながなくても良いということは、つまりユーザーのプライバシーがより強固に保護されることを意味している。

iOS 15以降からSiriがクラウド接続を必要とせずに、デバイス上でこなせる処理が高度化・高速化する

ほかにもSiriに関連するところでは、iOSとwatchOS 8の「音声入力キーボード」が利便性を増す。現在は文字を入力しないまま1分間経過するとタイムアウトして、元のソフトウェアキーボードに戻る仕様だ。それぞれの次期OSではこの時間制限が解除され、長文のテキストもゆっくり頭の中で考えながら、音声操作で最後まで入力できる。

HomePod miniのSiriは「声紋認識」に注目

HomePod miniに搭載されるSiriも使いやすくなる。特にSiriが、ついに複数ユーザーの「声による認証」に対応することに注目だ。HomePod miniも音声リクエストの声が “誰のものか” を聞きわけ、それぞれのユーザーに対してカレンダーに登録されている情報、好みの楽曲を集めたプレイリストの提案などを返してくれるようになる。

現在HomePod miniは13の国と地域で販売されている。秋までには4つの国を加えた計17の国と地域に展開を広げるが、声によるユーザー認識は、最初は英語から始まる。続いて各エリアの言語に対応を広げる。日本語対応も遠くない未来に実現されることを期待したい。

複数ユーザーによる声の認証機能は英語版Siriから対応がスタート。全世界でHomePod miniを販売している地域・国へ徐々に展開する

HomePodシリーズはアップルのスマートホームIoTフレームワーク「HomeKit」に対応している。WWDCの基調講演では今年後半以降、アップル以外のメーカーから発売されるHomeKit対応のアクセサリーに、初めて音声アシスタントのSiriと「Hey Siri」機能が提供されることが明らかにされた。

基調講演に登壇した米AppleのHomeKit Software, Senior EngineerのYah Cason氏の説明によると、サードパーティのSiri対応アクセサリーが認識したユーザーの声によるリクエストは、サードパーティのクラウドを経由することなく、直接HomePodに届く。この仕組みがユーザーのプライバシーを強固に護るのだという。

Siriに対応するアクセサリーが、アップル以外のメーカーから今年の後半に発売予定

この説明だけでは、サードパーティのSiri対応アクセサリーが単体で使えるのか少しわかりづらい。HomePod miniのような音声コマンドを処理する端末も買い揃えなければならないようにも聞こえる。

サードパーティによるSiri対応アクセサリーと聞いて、筆者は最初、Siriを搭載するスマートスピーカーやスマートテレビが他メーカーから発売されるのではないかと心躍らせた。グーグルやアマゾンのように、それぞれの独自のAIアシスタントをビルトインして単体で使えるサードパーティのデバイスが増えた方が、HomeKitのプラットフォーム普及に弾みを付けられそうだからだ。他社製のSiri対応製品にどのようなカテゴリのアイテムが揃うのか、機能や使い勝手に多様性を期待できるのか、今後のアナウンスに注目したい。

次ページ本命は “あの製品”

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 ソニー、第2世代フラグシップ・ミラーレス一眼「α1 II」。画質、操作性を着実に強化
2 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
3 目黒蓮を“もっとそばに”感じられる特別イベント。「レグザミュージアム〜The 6 STORIES〜」11/21から原宿で開催
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 ビックカメラ.com、「2025年新春福箱」の抽選申し込み開始。全66種類、iPadやPS5も登場
6 覚えておくと絶対便利!iPhoneの「計測」アプリでできる、あんなことこんなこと
7 ビクター「HA-A6T」レビュー!5000円切り完全ワイヤレスイヤホンは「価格を上回るクオリティ」
8 高音質と機能性を両立する新たなスタンダード機!AVIOTのANC完全ワイヤレス「TE-V1R」レビュー
9 Meze Audioが打ち出す待望の入門モデル。開放型ヘッドホン「105 AER」&イヤホン「ALBA」の音質に迫る
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/21 10:37 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX