公開日 2022/04/13 06:30
今から始めるなら“ワイヤレスレコード再生”!プレーヤーとBluetoothスピーカーの簡単システムで楽しもう
ケーブルなし、自由度も高い
■近年著しいアナログレコード人気
昨今、アナログレコードの人気が著しい。旧作のリイシューに加えて、新作でもアナログ盤が多数リリースされるなど、レコードソフトが充実化している。
そういった状況に伴って、アナログ再生環境はまだ揃えてはいないものの、お気に入りアーティストのコレクションとしてレコードが手元にあったり、もしくはインテリアとして部屋に飾ってあり、あわよくばそれらをいつかは再生してみたい、と考えている方々も多いのではないだろうか。
アナログレコードの再生は、なにかと揃えるものが多いためお金や手間がかかる上に、再生作法もあったりと、中々最初の一歩を踏み出しにくいものと思われる。今回はそんな方々に向けて、「Bluetooth送信機能付きアナログプレーヤー」と「Bluetoothスピーカー」を用いた、極めて手軽な “ワイヤレスレコード再生” をご紹介させていただきたい。
■レコード再生に必要な機材は?
本題に入る前に、まずはアナログレコードの再生には何が必要なのかを見ていこう。
現在普及しているアナログレコードは、記録/再生の原理自体はアコースティックな蓄音器と同様だが、レコードに刻まれた音溝を針先でなぞるという物理的な動作だけでなく、レコードの音溝に対して効率的に音楽信号を取り出すための電気的な処理も介在する。よって、再生には大きく分けて次の4つのものが必要となる。
●レコードを回転させる「レコードプレーヤー本体」
●レコードの音溝を読み取る「カートリッジ」
●カートリッジを取り付ける「トーンアーム」
●音溝から拾い出した信号を、適切な信号へと増幅する「フォノイコライザーアンプ」
レコードの再生はデジタル再生に比べて、自分の好みに応じて物理的に音を調整できる箇所がたくさんあり、上記の要素を基本とした様々な要素を自由に組み合わせて、自分なりの音を楽しむことができる。
しかし、最初からそこまでこだわるのは難しいため、上記の4つの要素全てがあらかじめ1台のプレーヤーに収まった、“オールインワンタイプ” のレコードプレーヤーの使用が、最もお手軽となる。
ただ、ここまで揃えたとしても、さらに音を出すための装置が必要となる。スピーカー再生する場合はプレーヤーの他に、スピーカーやアンプ、両者を繋ぐケーブルや、レコードプレーヤーとアンプを繋ぐケーブルも必要。これらを一度に全て揃えるというのは、手間やコスト、設置場所の面において、とてもハードルが上がってしまう。
■手軽にレコードが聴ける、Bluetooth機能を活用した “ワイヤレスレコード再生”
そこで提案したいのが、このプレーヤー以外の部分を大きくシンプル化するために、「Bluetooth」機能を活用する方法だ。先程の4つの要素が1台に収まった “オールインワンタイプ” のレコードプレーヤーで、かつBluetooth送信機能を備えたモデルを使い、そこから飛ばした音声をBluetoothスピーカーで受信して音を出すのだ。
この組み合わせであれば、「Bluetooth送信機能付きレコードプレーヤー」と「Bluetoothスピーカー」の2つを揃えるだけで、他には何も用意する必要はない。この方法であれば、アナログ初心者の方でもより手軽に始められるのではないだろうか?しかも、後から徐々にスピーカーやアンプを買い足していくことで、より純粋なアナログサウンドを楽しむこともできる。
さてここからは、10万円以下で買える、Bluetooth送信機能を搭載した4つのアナログレコードプレーヤーを紹介する。なお、各プレーヤーの試聴には、Google製スマートスピーカー「Google Nest Audio」を用いて実施したので、こちらも参考にしてもらいたい。
■オーディオテクニカ「AT-LP60XBT」(価格 : 税込21,868円)
極めて手軽に楽しめるフルオートタイプのプレーヤー。レコード盤を載せて、あとはスタートボタンを押すだけでレコード再生が楽しめる。演奏終了後も、自動的に針が上がって再生がストップするので、大変に楽だ。
再生ストップボタン、頭出し用のリフトアップボタンも搭載。 また、 LPよりも少し大きなサイズ感で、背面の音声出力ケーブルは着脱可能なため、スッキリと設置できることも魅力だ。カートリッジは専用品で取替不可となるが、外部のフォノイコライザーアンプを用いて、音質アップすることもできる。
サウンドは、オーディオテクニカらしいクリアでナチュラルなサウンドが楽しめた。音の分離がよく、どのような音楽ジャンルのソフトを再生しても、演奏や音質のディティールまでが細やかに聴こえてきた。
■ソニー「PS-LX310BT」(価格 : 税込39,600円)
ソニーならではのシンプルで、洗練されたデザインが印象的なプレーヤー。四角と丸で構成されたミニマルなデザインが素敵だ。こちらもフルオートタイプのプレーヤーで、オーディオテクニカ同様に手軽な操作性が実現されている。
レコードのオーディオレベルや、好みに応じて出力する音量を3段階で調整可能なほか、カートリッジは専用品のみだが、外部のフォノイコライザーアンプを使用することもできる。さらに、USB出力機能を備え、パソコンなどと接続してレコードを録音することができるので、ファイル化した音楽データをスマホやPC、DAPなどでも楽しむことも可能。なお音声出力ケーブルは、本体から直出しの仕様となっている。
サウンドはソニーらしく、低音には豊かなボリューム感が持たされ、中音や高音には適度な綺羅びやかさがありカラフルで、メリハリの効いたサウンドでレコード再生を楽しめた。
■TEAC「TN-400BT-SE」(価格 : オープン、税込65,780円前後)
マニュアルタイプのレコードプレーヤーで、天然木目の突板を使用した、オイル仕上げによる上質なデザインが特徴的。オーディオテクニカ製の単売カートリッジを標準装備するほか、その他さまざまなカートリッジに付け替えて、異なるサウンドを楽しむことができる。
もちろん、内蔵に加えて外部のフォノイコライザーアンプも使用できる。さらには、78回転のSPレコードの再生も可能。マニュアルタイプのため、演奏の開始と終わりは自分自身でトーンアームを上げ下げする必要があり、レコード再生ならではの所作を楽しむことができる。
サウンドも、このクラスになるとグッとレベルアップして、アナログレコードならではの味わいが十分に楽しめる本格的なものとなっている。立体的な音楽描写と、強調や硬さのない落ち着いた品位ある再生音がしっかりと楽しめた。
■ヤマハ「MusicCast VINYL 500」(価格 : 税込99,000円)
今回ご紹介するプレーヤーの中では、最も分厚く重いキャビネットを持った本格派プレーヤー。光沢のある、グロス仕上げの美しいブラックボディが印象的だ。
こちらも、カートリッジの取り替えも可能なマニュアルタイプとなるが、Bluetoothだけでなくヤマハ独自のMusicCast機能を搭載しており、無線/有線ネットワーク接続と専用アプリを利用して、ハイレゾ音源やストリーミングサービスなどの再生も可能な、多機能モデルとなっている。
しっかりとした本体によって、重心の低い安定したサウンドと、ヤマハならではのバランス良くまとまった音楽再生が印象的で、特にボーカルソースの表現が得意に感じた。
以上、今回は最も手軽にレコード再生を楽しむ方法を紹介した。フルオートで気軽に始めるのも良いし、マニュアルプレーヤーでカートリッジの取り替えまでを踏まえた、今後の拡充を視野に入れて楽しむのも良いだろう。
同様に、Bluetoothスピーカーからスタートして、ゆくゆくはアクティブスピーカーや、アンプとスピーカーをそれぞれ買い足して、再生システムを充実させていくという楽しみ方もできる。
レコード再生を手に入れ、ぜひともあなたの音楽ライフ、オーディオライフを充実させてほしい。
昨今、アナログレコードの人気が著しい。旧作のリイシューに加えて、新作でもアナログ盤が多数リリースされるなど、レコードソフトが充実化している。
そういった状況に伴って、アナログ再生環境はまだ揃えてはいないものの、お気に入りアーティストのコレクションとしてレコードが手元にあったり、もしくはインテリアとして部屋に飾ってあり、あわよくばそれらをいつかは再生してみたい、と考えている方々も多いのではないだろうか。
アナログレコードの再生は、なにかと揃えるものが多いためお金や手間がかかる上に、再生作法もあったりと、中々最初の一歩を踏み出しにくいものと思われる。今回はそんな方々に向けて、「Bluetooth送信機能付きアナログプレーヤー」と「Bluetoothスピーカー」を用いた、極めて手軽な “ワイヤレスレコード再生” をご紹介させていただきたい。
■レコード再生に必要な機材は?
本題に入る前に、まずはアナログレコードの再生には何が必要なのかを見ていこう。
現在普及しているアナログレコードは、記録/再生の原理自体はアコースティックな蓄音器と同様だが、レコードに刻まれた音溝を針先でなぞるという物理的な動作だけでなく、レコードの音溝に対して効率的に音楽信号を取り出すための電気的な処理も介在する。よって、再生には大きく分けて次の4つのものが必要となる。
●レコードを回転させる「レコードプレーヤー本体」
●レコードの音溝を読み取る「カートリッジ」
●カートリッジを取り付ける「トーンアーム」
●音溝から拾い出した信号を、適切な信号へと増幅する「フォノイコライザーアンプ」
レコードの再生はデジタル再生に比べて、自分の好みに応じて物理的に音を調整できる箇所がたくさんあり、上記の要素を基本とした様々な要素を自由に組み合わせて、自分なりの音を楽しむことができる。
しかし、最初からそこまでこだわるのは難しいため、上記の4つの要素全てがあらかじめ1台のプレーヤーに収まった、“オールインワンタイプ” のレコードプレーヤーの使用が、最もお手軽となる。
ただ、ここまで揃えたとしても、さらに音を出すための装置が必要となる。スピーカー再生する場合はプレーヤーの他に、スピーカーやアンプ、両者を繋ぐケーブルや、レコードプレーヤーとアンプを繋ぐケーブルも必要。これらを一度に全て揃えるというのは、手間やコスト、設置場所の面において、とてもハードルが上がってしまう。
■手軽にレコードが聴ける、Bluetooth機能を活用した “ワイヤレスレコード再生”
そこで提案したいのが、このプレーヤー以外の部分を大きくシンプル化するために、「Bluetooth」機能を活用する方法だ。先程の4つの要素が1台に収まった “オールインワンタイプ” のレコードプレーヤーで、かつBluetooth送信機能を備えたモデルを使い、そこから飛ばした音声をBluetoothスピーカーで受信して音を出すのだ。
この組み合わせであれば、「Bluetooth送信機能付きレコードプレーヤー」と「Bluetoothスピーカー」の2つを揃えるだけで、他には何も用意する必要はない。この方法であれば、アナログ初心者の方でもより手軽に始められるのではないだろうか?しかも、後から徐々にスピーカーやアンプを買い足していくことで、より純粋なアナログサウンドを楽しむこともできる。
さてここからは、10万円以下で買える、Bluetooth送信機能を搭載した4つのアナログレコードプレーヤーを紹介する。なお、各プレーヤーの試聴には、Google製スマートスピーカー「Google Nest Audio」を用いて実施したので、こちらも参考にしてもらいたい。
■オーディオテクニカ「AT-LP60XBT」(価格 : 税込21,868円)
極めて手軽に楽しめるフルオートタイプのプレーヤー。レコード盤を載せて、あとはスタートボタンを押すだけでレコード再生が楽しめる。演奏終了後も、自動的に針が上がって再生がストップするので、大変に楽だ。
再生ストップボタン、頭出し用のリフトアップボタンも搭載。 また、 LPよりも少し大きなサイズ感で、背面の音声出力ケーブルは着脱可能なため、スッキリと設置できることも魅力だ。カートリッジは専用品で取替不可となるが、外部のフォノイコライザーアンプを用いて、音質アップすることもできる。
サウンドは、オーディオテクニカらしいクリアでナチュラルなサウンドが楽しめた。音の分離がよく、どのような音楽ジャンルのソフトを再生しても、演奏や音質のディティールまでが細やかに聴こえてきた。
■ソニー「PS-LX310BT」(価格 : 税込39,600円)
ソニーならではのシンプルで、洗練されたデザインが印象的なプレーヤー。四角と丸で構成されたミニマルなデザインが素敵だ。こちらもフルオートタイプのプレーヤーで、オーディオテクニカ同様に手軽な操作性が実現されている。
レコードのオーディオレベルや、好みに応じて出力する音量を3段階で調整可能なほか、カートリッジは専用品のみだが、外部のフォノイコライザーアンプを使用することもできる。さらに、USB出力機能を備え、パソコンなどと接続してレコードを録音することができるので、ファイル化した音楽データをスマホやPC、DAPなどでも楽しむことも可能。なお音声出力ケーブルは、本体から直出しの仕様となっている。
サウンドはソニーらしく、低音には豊かなボリューム感が持たされ、中音や高音には適度な綺羅びやかさがありカラフルで、メリハリの効いたサウンドでレコード再生を楽しめた。
■TEAC「TN-400BT-SE」(価格 : オープン、税込65,780円前後)
マニュアルタイプのレコードプレーヤーで、天然木目の突板を使用した、オイル仕上げによる上質なデザインが特徴的。オーディオテクニカ製の単売カートリッジを標準装備するほか、その他さまざまなカートリッジに付け替えて、異なるサウンドを楽しむことができる。
もちろん、内蔵に加えて外部のフォノイコライザーアンプも使用できる。さらには、78回転のSPレコードの再生も可能。マニュアルタイプのため、演奏の開始と終わりは自分自身でトーンアームを上げ下げする必要があり、レコード再生ならではの所作を楽しむことができる。
サウンドも、このクラスになるとグッとレベルアップして、アナログレコードならではの味わいが十分に楽しめる本格的なものとなっている。立体的な音楽描写と、強調や硬さのない落ち着いた品位ある再生音がしっかりと楽しめた。
■ヤマハ「MusicCast VINYL 500」(価格 : 税込99,000円)
今回ご紹介するプレーヤーの中では、最も分厚く重いキャビネットを持った本格派プレーヤー。光沢のある、グロス仕上げの美しいブラックボディが印象的だ。
こちらも、カートリッジの取り替えも可能なマニュアルタイプとなるが、Bluetoothだけでなくヤマハ独自のMusicCast機能を搭載しており、無線/有線ネットワーク接続と専用アプリを利用して、ハイレゾ音源やストリーミングサービスなどの再生も可能な、多機能モデルとなっている。
しっかりとした本体によって、重心の低い安定したサウンドと、ヤマハならではのバランス良くまとまった音楽再生が印象的で、特にボーカルソースの表現が得意に感じた。
以上、今回は最も手軽にレコード再生を楽しむ方法を紹介した。フルオートで気軽に始めるのも良いし、マニュアルプレーヤーでカートリッジの取り替えまでを踏まえた、今後の拡充を視野に入れて楽しむのも良いだろう。
同様に、Bluetoothスピーカーからスタートして、ゆくゆくはアクティブスピーカーや、アンプとスピーカーをそれぞれ買い足して、再生システムを充実させていくという楽しみ方もできる。
レコード再生を手に入れ、ぜひともあなたの音楽ライフ、オーディオライフを充実させてほしい。