• ブランド
    特設サイト
公開日 2022/06/09 06:35

「300B」の真空管でロックの魂にどこまで迫れる!? エアータイトのアンプでロック名盤を聴きまくり!

【特別企画】1947年製のヴィンテージ300Bで試聴
田中伊佐資・河合仁志(サブマリンレコーズアンドカフェストア)・三浦 裕(エアータイト)/構成:筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
日本が誇るハイエンド・オーディオブランドにして、真空管にこだわるブランドAIR TIGHT(エアータイト)。その二代目社長たる三浦 裕さんから下ったお題は、「エアータイトのアンプでロックを鳴らせ!」。ということで、オーディオライターの田中伊佐資さんとともに、大久保の中古レコードショップ、サブマリンレコーズアンドカフェストアにエアータイトのアンプを持ち込んで、聴きまくり大会をやることに。ロック全盛時代に青春を過ごしたオヤジたち(&90年代をロキノンとBurrn!で過ごした担当編集)、ほとばしるロックのビートに興奮が止まらないっ!

「ロックオヤジこそオーディオをやるべき!」と吠える田中伊佐資さん(左)と、サブマリンレコーズアンドカフェストアの店主、河合仁志さん(中央)、AIR TIGHT現社長の三浦 裕さん(右)。田中さんが持っているレコードはその日店で買った 『Bernard Purdie's Jazz Groove Sessions In Tokyo』

■ロックオヤジもオーディオやろうぜ!

田中 今回は中古レコードショップ、「サブマリンレコーズアンドカフェストア」にお邪魔して、エアータイトのアンプでロックを聴こうという趣旨の企画であります。

三浦 素敵な企画にご一緒させていただいてありがとうございます。大阪の高槻で真空管アンプメーカーをやっておりますエアータイトの三浦と申します。田中さんはエアータイトのアンプはご存知でしたか?

田中 いや、イベントなどでは聴いたことありましたが、こうしてちゃんと聴くのは初めてですね。今回は僕も結構贔屓にしている大久保のレコードショップにやってきたわけですが、このお店について河合さんちょっと教えてもらえますか。

河合 「サブマリンレコーズアンドカフェストア」は2019年12月にオープンしたばかりの中古レコードショップです。オープンしたと思ったらコロナが蔓延しちゃってなかなか大変なんですが。見ての通り、ロックやブルースのオリジナル盤などを中心に販売しています。また、カフェとしてコーヒーやハイボールなどのアルコール類も提供しております。

こだわりの焙煎工房から仕入れた豆で、一杯一杯豆から挽いてコーヒーを入れてくれる

田中 僕がこの店大好きなのは、オーディオもかなりちゃんとしてるんだよね。テクニクスのアナログプレーヤーに、SHUREのMMカートリッジ「M44G」。B&Wのスピーカーが2種類聴き比べができるようになってる。

アナログプレーヤーはテクニクスの「SL-1200G」

針先はJICOの木製カンチレバー「牛殺」というこだわり

河合 B&Wの「Nautilus 802」とブックシェルフの「705」をおいてますね。

B&Wの「Nautilus 802」(外側)と「705」(内側)で聴き比べも可能

田中 河合さんはもともとIT屋をやっていたんだけど、レコードコレクターが高じて店を始めちゃったっていう面白い経歴なんだよね。担当編集曰く、「二代目はロックがお好き」ということでこの店を選んだのですが、三浦さんは普段どんな音楽を聴かれるんですか?

三浦 子供の頃は父親の仕事の都合でアメリカに住んでいまして(編集部注:エアータイトの創業者である三浦 篤さんは、1980年代までラックス<現:ラックスマン>のアメリカ支社長としてアメリカに駐在していた)。そのころヴァン・ヘイレンやポリスなどを聴いていましたね。あと高校〜大学時代はバンドでヘビメタとかロックン・ロールをやったり。それで、当時聴いていたレコードをいま改めて聴くとね、「こんなええ音やったんか!」っていう衝撃がありまして。昔のAC/DCなんてめちゃくちゃいい音してるんですよ。そんなわけで、いまはそんな懐メロのロックのレコードを買い漁ってます。

田中 そうそう、僕もね、ロックオヤジにもっとオーディオやってほしいって思ってるんですよ。若い人ももちろん興味持って欲しいけど、やっぱり高いし、それなりにスペースも必要。だけど、当時ロックを聴いていた50-60代のオヤジ世代はね、子供たちも独立して、少し金銭的にも余裕がある。そういう人にもオーディオを楽しんでもらうのって、すっごく大事なことだと思ってるんです。

三浦 ハイエンドオーディオでロックを鳴らすのはご法度、というような見方もありますよね。エアータイトのアンプはジャズやクラシックもしっかり鳴らすことができますが、実はロックもなかなかイケるんです。実際、この間のインターナショナルオーディオショウでヴァン・ヘイレンをかけたら、お客さんが部屋いっぱいになるまで入ってきて(笑)。

■9Wの300Bアンプで、ロックはどれだけ鳴らせるの?

田中 ちなみに今回持ってきたアンプはどういう製品ですか?

三浦 パワーアンプは300Bの真空管を使った「ATM-300R」というものです。エアータイトの初代の300Bアンプは「ATM-300」というもので、1998年に発売しました。これが大変なロングランになりまして、アメリカのthe absolute soundのeditor's choiceにも選ばれました。2016年に30周年記念で100台限定のアニバーサリーモデルを作ったら、これもあっという間に完売してしまって。それで2018年に、この最新の「ATM-300R」を作りました。

AIR TIGHTのパワーアンプ「ATM-300R」(1,155,000円/税込)。300Bの真空管は付属しないが、エレクトロハーモニクスまたはTAKATSUKIなどを合わせて注文も可能

田中 最新の「ATM-300R」になって、三浦さん的には音にどういう違いがあると感じていますか? 

三浦 より自然になったかな、と思っています。回路を一新して、特にコンデンサーなどのパーツにこだわって、ナチュラルかつ品格が出たように思います。

田中 300Bのシングルで、出力は9Wなんですよね。今回こういうロックをガンガン鳴らすお店に持ち込むことで、正直どこまでやれるのかという「イジワル」な気持ちもあるんです(笑)。

三浦 KT88なんかはロックに合うと言われていますが、私の中ではマスタングでぶっ飛ばすみたいなイメージ。でも、300Bは骨格がありながらどこか優雅で上品な感じでもあるかなと。強引さだけじゃない、加速の余韻とか減衰の音の残り香も味わえるんじゃないかなと思います。

田中 ワット数だけじゃないってことですね。

三浦 はい、音が非常に抜けるというか飛ぶので、パワー不足は感じられないと思っています。というかですね、あんまり大音量で聴くのは耳にも負担がかかりますし、多くの方はそんなに爆音で聴いていないと思うんです。たまに爆音で聴きたい日はあるにせよ、普通の家庭なら、適正なボリュームで聴いたほうが、快適だし長く楽しめるんじゃないかと思っています。

田中 はぁ〜なるほど、たしかにね。

河合 僕は自宅のアンプはKT90だし、マスタングでぶっ飛ばす感じも大好きなんだけど、おっしゃっていること、すごくよく分かります。たとえば昔のブルースなんかもよく聴くのですが、昔のレコードなんて、そもそもそんなでかい音で聴くものじゃなかった。結局ね、その音楽がその音楽らしく聴こえるのが大切だと思うんです。

田中 必要十分な中でどれだけ濃密な音が出るのかが勝負って感じですよね。

三浦 ちなみに今日は、珍しいウェスタンの300Bを持ってきまして。1947年製のヴィンテージです。

1947年製ウェスタン・エレクトリック「300B」という貴重なヴィンテージ管で試聴!

田中 うわぁ! これは貴重。US ARMYって書いてありますね。

河合 これはすごい。1947年の300Bって聴くだけで興奮しちゃうね!

次ページレッド・ツェッペリン、山下達郎、レッチリとロック名盤が続々登場

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 楽天ブラックフライデーでJBLの超人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!プロも驚く革新的モデルはどんな音を鳴らす?
2 評論家が厳選!マランツ「MODEL M1」でPolk Audio/KEF/TAD/Harbethのスピーカーを鳴らす
3 ビクター新ワイヤレスヘッドホン「HA-S99N」速攻レビュー! 評論家が「もう驚きでしかない」と高評価した魅力とは?
4 ボーズ、McIntosh Groupを買収。マッキントッシュ、ソナス・ファベールが傘下に
5 レグザが100型クラス大画面4Kテレビを拡充する理由とは? 目黒蓮の特別コメントも
6 パナソニック「2023年度 優秀ご販売店様謝恩会」を開催。21店が栄誉に輝く
7 山之内 正氏によるエソテリック×アキュフェーズ×マランツ比較試聴会、「ハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024」で開催
8 オーディオファイル待望の物量投入型プリメインアンプ!デノン「PMA-3000NE」をクオリティチェック
9 B&Wの音は “信頼に値する重要な指標”。音元出版の新試聴室に「802 D4」が導入されたワケ
10 新開発ユニットを巧みに操る懐深いサウンド。ELAC「Debut 3.0」フロア型/ブックシェルフ型を聴く
11/22 10:41 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX