公開日 2024/12/13 06:30
人類に逃げ場なし!トム・クルーズ演じる平凡のお父さんと子供たちの逃亡劇
【第145回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ
サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2005年公開の『宇宙戦争』をご紹介します!
◇
『宇宙戦争』(2005年・アメリカ)
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT / Hulu )
1953年にも一度映画化された H・G・ウェルズ原作の同名小説を、スティーブン・スピルバーグ監督とトム・クルーズのタッグで再映画化したSFスリラー。貨物港で働くレイ(トム・クルーズ)が別れた妻に引き取られた子供たちを預かったその日、異様な落雷が世界中を襲う。やがて雷が落ちた地中から未知の巨大兵器が次々と現れ、容赦なく人々を殺していく。愛する子供たちを守るべく、避難を開始するレイであったが……。
本作の見どころは大きく分けて二つある。一つは、逃げ惑う親子の姿を通して、日常が非日常へと形を変えていく過程や臨場感を味わえる点。もう一つは、不可能を可能にしてしまうエージェントでもなく、海軍の戦闘機乗りでもなく、多くの者を虜にする容姿端麗なタフガイでもなく、だらしなくて欠点だらけの平凡なお父さんを演じるトム・クルーズを目にできる点。異星人の襲来によって絶望の淵へと追い込まれていくなか、何とかしてくれそうで何もできないトム・クルーズ。演じている彼個人のパブリックイメージが強い故に、ついつい世界を救ってくれるのではなかいと期待してしまうのだが、そんな力をレイは持ち合わせていない。
しかし、そんな彼にも譲れないものが確かにある。そう、家族の存在だ。スーパーヒーローのような活躍は、誰もができることではない。が、レイのように家族を守ろうとする気持ちは、誰もが抱き得るもの。だからこそ、普遍的な思いを胸に行動を起こしていく彼の姿から目が離せなくなっていく。意外な結末をどう受け止めるか次第で評価も大いに分かれてくる作品ですが、あなたの目にはどのように映るでしょう。ちなみに、レイの息子役を演じるのは、色々な意味で話題となった某漫画の実写版で主演を務めたジャスティン・チャットウィン。娘役を演じるのは、『アイ・アム・サム』をはじめ、子役時代から現在に至るまで数々の作品で活躍するダコタ・ファニングです。
(C) 2005, 2020 by DW Studios L.L.C. and Paramount Pictures.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
『宇宙戦争』(2005年・アメリカ)
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT / Hulu )
1953年にも一度映画化された H・G・ウェルズ原作の同名小説を、スティーブン・スピルバーグ監督とトム・クルーズのタッグで再映画化したSFスリラー。貨物港で働くレイ(トム・クルーズ)が別れた妻に引き取られた子供たちを預かったその日、異様な落雷が世界中を襲う。やがて雷が落ちた地中から未知の巨大兵器が次々と現れ、容赦なく人々を殺していく。愛する子供たちを守るべく、避難を開始するレイであったが……。
本作の見どころは大きく分けて二つある。一つは、逃げ惑う親子の姿を通して、日常が非日常へと形を変えていく過程や臨場感を味わえる点。もう一つは、不可能を可能にしてしまうエージェントでもなく、海軍の戦闘機乗りでもなく、多くの者を虜にする容姿端麗なタフガイでもなく、だらしなくて欠点だらけの平凡なお父さんを演じるトム・クルーズを目にできる点。異星人の襲来によって絶望の淵へと追い込まれていくなか、何とかしてくれそうで何もできないトム・クルーズ。演じている彼個人のパブリックイメージが強い故に、ついつい世界を救ってくれるのではなかいと期待してしまうのだが、そんな力をレイは持ち合わせていない。
しかし、そんな彼にも譲れないものが確かにある。そう、家族の存在だ。スーパーヒーローのような活躍は、誰もができることではない。が、レイのように家族を守ろうとする気持ちは、誰もが抱き得るもの。だからこそ、普遍的な思いを胸に行動を起こしていく彼の姿から目が離せなくなっていく。意外な結末をどう受け止めるか次第で評価も大いに分かれてくる作品ですが、あなたの目にはどのように映るでしょう。ちなみに、レイの息子役を演じるのは、色々な意味で話題となった某漫画の実写版で主演を務めたジャスティン・チャットウィン。娘役を演じるのは、『アイ・アム・サム』をはじめ、子役時代から現在に至るまで数々の作品で活躍するダコタ・ファニングです。
(C) 2005, 2020 by DW Studios L.L.C. and Paramount Pictures.
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。
ミヤザキタケル 1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。 |