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公開日 2017/04/06 18:50
実用放送に向けた取り組み
左旋の4K/8K放送ではアンテナ改修や新チューナーが必要と注意喚起。 A-PABが試験放送の開局説明会
編集部:押野 由宇
一般社団法人放送サービス高度化推進協会(A-PAB)は、東経110度CS左旋円偏波による4K試験放送を4月1日より開始した(関連ニュース)。これに伴い、本試験放送の目的や概要、4K・8K、左旋放送の受信・伝送システム、普及に向けての活動に関する開局説明会を実施した。
A-PABは放送サービスの高度化に関わる技術仕様の検討、検証、評価等を行う団体。「スカパー!」では2018年12月より、東経110度CS左旋円偏波による4K実用放送を開始を予定しており、この試験放送はそれに先駆けて行われている。
左旋円偏波による試験放送では、スカパーJSATに放送設備を委託し、JCSAT-110A(東経110度CS)衛星を使用。トランスポンダ(二次レーダー)はND23(中央周波数12.711GHz)。高度広帯域伝送方式を採り、シンボル数は60スロット利用で16.87805Mbaud。変調方式は8PSK。放送内容は総合娯楽番組として、スカパーJSATから提供される4Kコンテンツを放送する。期間は実用放送開始まで、11:00〜17:00の1日6時間。なお、現状では特別なものを除いてチューナーが存在しないため、一般視聴者が受信および視聴を行うことは基本的にできない。
開局説明会にはまず、A-PAB 専務理事兼事務局長の土屋 円氏が登壇。「今回の試験放送を受けて頭によぎるのは、1984年にNHKが開始した衛星放送の開始以来の歴史。当初はパラボラを家庭に設置するところから始まったが、左旋円偏波にも新たな受信設備を設置する必要がある。一からのスタートとして、先人の通った道を歩む思いがある。我々の現在の取り組みを情報を共有し、ご理解いただきたい」と挨拶した。
今回の試験放送は、4K・8K放送の基本的な伝送路となる左旋円偏波の、一番高い周波数(IF帯 3224MHz)を使って行われる日本初の試み。この試験放送についてA-PAB 技術部部長兼左旋試験放送事務局員の宇佐美雄司氏は「総務省の4K・8K推進のためのロードマップによるものであり、左旋試験放送特別委員会を設置し、運用している」と説明した。
衛星放送の右旋および左旋については「左旋円偏波は4K・8K放送の基本的な伝送路として定義されているもので、いま使用されている右旋はチャンネルを割り当てる余裕がもうない。新たに左旋を開拓し、高精細度衛星放送を乗せていこうというもの」としている。
試験放送で3224MHz帯域を用いることについては「1本の同軸ケーブルで左旋と右旋を同時に配信できるよう、右旋IFの上側に左旋IFを配置し、新しい左旋の伝送路となる2224〜3224MHzでも一番高い3224MHzで放送している。これにより、受信チューナーなどの開発、試験、検証、また受信伝送システムの試験、検証に活用できる。そしてこれを受けて、実用放送までの新たな4K・8K放送受信環境構築を後押しすることが目的だ」とした。
現在の一般的なアンテナは右旋円偏波に対応するもので、左旋と右旋を受信できるアンテナは上記のように左旋円偏波を上側の周波数で出力する1条伝送方式を採用するのが主流となっている。
4K・8K実用放送開始にあたっては、これまでと同じ右旋(BS)を使うのがBS朝日やBSジャパン、BS日テレ、NHK SHV 4K、BS-TBS 4K、BSフジの6番組。左旋(BS/110度CS)を使って4K放送が行われるのがショップチャンネルやQVC、映画エンタテインメントチャンネル、WOWOW、NHK、スカチャン4Kなど12番組、8K放送はNHK SHV 8Kの1番組。右旋と左旋合わせて19番組が放送認定を受けている。
左旋を使った4K・8K実用放送を視聴するためには「右旋左旋共用アンテナ、対応の伝送機器と共に、4K・8Kチューナー内蔵テレビが必要」とコメント。また、「現在市販の4Kおよび4K対応テレビで実用放送を視聴するには、右旋左旋共用アンテナ、対応の伝送機器、そして新たな受信チューナーが必要。つまり、現在のテレビだけでは視聴ができない」という点に注意を促した。
つまり、新たな4K・8K放送を受信するためには、BS右旋であれば受信システムは現在のシステムで受信できるが、受信機(テレビ)は4K・8Kチューナー内蔵テレビ、もしくは4K・8Kチューナーが必要。BS左旋および110度CS左旋の場合、アンテナ交換や設備改修を行った上、4K・8Kチューナー内蔵テレビもしくは4K・8Kチューナーが必要となる。
4K・8Kチューナー内蔵テレビ、4K・8Kチューナーについては、実用放送の開始に合わせて発売予定としており、その価格や具体的な時期についてはメーカーが開発中ということのみ触れられた。またBS110度右旋左旋共用アンテナ、増幅器、分配器など受信システム機器についてはすでに発売済み。またJEITAにより一定以上の性能を満たしたことを認定されるSHマークを付与した機種は300を超えたとしている。
また受信環境において、増幅器や分岐・分配器、直列ユニットなどの同軸ケーブルが露出した「直付け」箇所から電波が漏洩することで、無線LANなどを妨害する可能性があるほか、電子レンジなど無線利用機器からの妨害が飛び込み、受信に障害が発生する可能性があるという。これらは「直付け機器の改修やSHマーク機器への交換により、電波環境の維持が可能となる」とのこと。
A-PABの活動として「4K・8K受信に関して、放送の種類に応じた視聴方法、受信システム、集合住宅での受信方法などを分かりやすい形で周知広報していく」とコメント。具体的には「テレビ受信向上委員会と協力し、全国の電気店などを対象とした新技術セミナーへ講師を派遣している。またマンション管理業協会や日本CATV技術協会などとも協力している」といった例を挙げた。
A-PABは放送サービスの高度化に関わる技術仕様の検討、検証、評価等を行う団体。「スカパー!」では2018年12月より、東経110度CS左旋円偏波による4K実用放送を開始を予定しており、この試験放送はそれに先駆けて行われている。
左旋円偏波による試験放送では、スカパーJSATに放送設備を委託し、JCSAT-110A(東経110度CS)衛星を使用。トランスポンダ(二次レーダー)はND23(中央周波数12.711GHz)。高度広帯域伝送方式を採り、シンボル数は60スロット利用で16.87805Mbaud。変調方式は8PSK。放送内容は総合娯楽番組として、スカパーJSATから提供される4Kコンテンツを放送する。期間は実用放送開始まで、11:00〜17:00の1日6時間。なお、現状では特別なものを除いてチューナーが存在しないため、一般視聴者が受信および視聴を行うことは基本的にできない。
開局説明会にはまず、A-PAB 専務理事兼事務局長の土屋 円氏が登壇。「今回の試験放送を受けて頭によぎるのは、1984年にNHKが開始した衛星放送の開始以来の歴史。当初はパラボラを家庭に設置するところから始まったが、左旋円偏波にも新たな受信設備を設置する必要がある。一からのスタートとして、先人の通った道を歩む思いがある。我々の現在の取り組みを情報を共有し、ご理解いただきたい」と挨拶した。
今回の試験放送は、4K・8K放送の基本的な伝送路となる左旋円偏波の、一番高い周波数(IF帯 3224MHz)を使って行われる日本初の試み。この試験放送についてA-PAB 技術部部長兼左旋試験放送事務局員の宇佐美雄司氏は「総務省の4K・8K推進のためのロードマップによるものであり、左旋試験放送特別委員会を設置し、運用している」と説明した。
衛星放送の右旋および左旋については「左旋円偏波は4K・8K放送の基本的な伝送路として定義されているもので、いま使用されている右旋はチャンネルを割り当てる余裕がもうない。新たに左旋を開拓し、高精細度衛星放送を乗せていこうというもの」としている。
試験放送で3224MHz帯域を用いることについては「1本の同軸ケーブルで左旋と右旋を同時に配信できるよう、右旋IFの上側に左旋IFを配置し、新しい左旋の伝送路となる2224〜3224MHzでも一番高い3224MHzで放送している。これにより、受信チューナーなどの開発、試験、検証、また受信伝送システムの試験、検証に活用できる。そしてこれを受けて、実用放送までの新たな4K・8K放送受信環境構築を後押しすることが目的だ」とした。
現在の一般的なアンテナは右旋円偏波に対応するもので、左旋と右旋を受信できるアンテナは上記のように左旋円偏波を上側の周波数で出力する1条伝送方式を採用するのが主流となっている。
4K・8K実用放送開始にあたっては、これまでと同じ右旋(BS)を使うのがBS朝日やBSジャパン、BS日テレ、NHK SHV 4K、BS-TBS 4K、BSフジの6番組。左旋(BS/110度CS)を使って4K放送が行われるのがショップチャンネルやQVC、映画エンタテインメントチャンネル、WOWOW、NHK、スカチャン4Kなど12番組、8K放送はNHK SHV 8Kの1番組。右旋と左旋合わせて19番組が放送認定を受けている。
左旋を使った4K・8K実用放送を視聴するためには「右旋左旋共用アンテナ、対応の伝送機器と共に、4K・8Kチューナー内蔵テレビが必要」とコメント。また、「現在市販の4Kおよび4K対応テレビで実用放送を視聴するには、右旋左旋共用アンテナ、対応の伝送機器、そして新たな受信チューナーが必要。つまり、現在のテレビだけでは視聴ができない」という点に注意を促した。
つまり、新たな4K・8K放送を受信するためには、BS右旋であれば受信システムは現在のシステムで受信できるが、受信機(テレビ)は4K・8Kチューナー内蔵テレビ、もしくは4K・8Kチューナーが必要。BS左旋および110度CS左旋の場合、アンテナ交換や設備改修を行った上、4K・8Kチューナー内蔵テレビもしくは4K・8Kチューナーが必要となる。
4K・8Kチューナー内蔵テレビ、4K・8Kチューナーについては、実用放送の開始に合わせて発売予定としており、その価格や具体的な時期についてはメーカーが開発中ということのみ触れられた。またBS110度右旋左旋共用アンテナ、増幅器、分配器など受信システム機器についてはすでに発売済み。またJEITAにより一定以上の性能を満たしたことを認定されるSHマークを付与した機種は300を超えたとしている。
また受信環境において、増幅器や分岐・分配器、直列ユニットなどの同軸ケーブルが露出した「直付け」箇所から電波が漏洩することで、無線LANなどを妨害する可能性があるほか、電子レンジなど無線利用機器からの妨害が飛び込み、受信に障害が発生する可能性があるという。これらは「直付け機器の改修やSHマーク機器への交換により、電波環境の維持が可能となる」とのこと。
A-PABの活動として「4K・8K受信に関して、放送の種類に応じた視聴方法、受信システム、集合住宅での受信方法などを分かりやすい形で周知広報していく」とコメント。具体的には「テレビ受信向上委員会と協力し、全国の電気店などを対象とした新技術セミナーへ講師を派遣している。またマンション管理業協会や日本CATV技術協会などとも協力している」といった例を挙げた。