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公開日 2019/08/23 16:18
参加無料で楽しみ、学べる

アップルの新提案、AR×散歩×アートがかなり楽しい! 新宿で体感してきた

山本 敦
アップルは、AR(拡張現実)とアートをテーマにした体験型セッション『[AR]T(エー・アール・ティー)』をApple Storeでスタートさせた。新宿の街中に広がるARアートに触れたり、プログラミングを学びつつ自らARアートが作ったりといったプログラムを筆者も体験した。

Apple Storeの無料プログラム「Today at Apple」に新しく加わったAR体験型セッションを筆者もApple新宿で体験してきた

無料で参加できる「Today at Apple」には様々なセッションが目白押し

Apple Storeでは、各店舗で毎日「Today at Apple」という多種多様なプログラムを実施している。iPhoneのカメラアプリで上手な写真のとり方をレクチャーする講座や、iPadとApple Pencilによるドローイング入門のようなクリエイティブなセッションが目白押し。誰でも無料で参加できるのも大きな特徴だ。

ただし、人気プログラムは参加人数に制限があるので、各店舗が公開しているセッションとタイムテーブルを、事前にアップルのサイトで確認しておきたい。

新宿の街に埋め尽くされたARアートを散策する:[AR]Tウォーク

ARアートをテーマにした体験型セッション『[AR]T』は、今年の夏から全世界のToday at Appleプログラムに加わった。この新しいセッションには3つの柱となるメニューがある。

ひとつは街を歩きながら、世界の著名現代アーティストが製作したARアートを鑑賞したり、インタラクションを楽しむこともできる『[AR]Tウォーク』だ。

この特別なAR体験型セッションが楽しめる場所は、世界中でもサンフランシスコ/ニューヨーク/ロンドン/パリ/香港/東京(新宿)の6都市にあるApple Storeだけ。Apple Storeのエキスパートがガイドに付いて、街中に散らばる6つのARアートを探し回るというゲーム感覚で楽しめるセッションだ。

Apple新宿では、毎日1回または2回のペースで実施スケジュールが組まれている。各回約2時間の充実したプログラムで、参加には事前予約が必要だ。本稿執筆時に予約状況を確認してみたところ、この先9月6日(金)のセッションまで満席となっていたので、もし興味を持ったなら早めに申し込む方が良さそうだ。無事予約ができたら、ウォーキング向きの歩きやすい服装で出かけよう。

筆者も先日、[AR]Tウォークに参加する機会を得たので、内容を詳しくレポートしよう。セッション当日にApple新宿へ足を運ぶと、[AR]Tウォークの体験に必要なiPhoneとヘッドホンが用意されている。iPhoneを持っていなくても良いし、家族で参加することも可能だ。この日の体験ではBeatsのヘッドホンを使ったが、参加者がAirPodsなど自分の使い慣れたワイヤレスイヤホンを持ち込んでも良いそうだ。

新宿の街を歩き回りながら世界の著名アーティストによるARアートに触れる旅に出る、[AR]Tウォーク。アルタ前広場でCAO FEIのARアートを体験

セッションが始まると、新宿の街に散らばったARアートを、たっぷり2時間かけて順番に歩きながら体験する。ARアートはNick Cave、Nathalie Djurberg&Hans Berg、Cao Fei、John Giorno、Carsten Hoeller、Pipilotti Ristの7名6組のアーティストが手掛けたもので、プログラムの監修には1977年に開館したニューヨークの現代美術館・New Museumも加わっている。

iPhoneをかざすと巨大なベルトコンベアのようなARアートが出現。動く様子を動画で撮影したり、静止画でキャプチャも可能。iPhoneはApple Storeから貸し出されるものだが、あとでAirDropで撮影した動画や静止画を自分の端末にコピーすることも可能だ

ただARアートを見るだけでなく、iPhoneの画面を通して触れたり、スイッチを押してみたり、いろんな角度から覗き込んだりできるのがこのプログラムの醍醐味だ。アップル独自の拡張現実フレームワーク「ARKit」をベースにしたAR体験なので、最新のiPhoneを使ってサクサクと気持ちのよいインタラクションが楽しめることも、この[AR]Tウォークの大きな特徴だ。

ゲーム感覚で楽しめるNICK CAVEのARアートは、ヘッドホンで音も一緒に楽しみたい

ISTICと呼ぶARキャラクターと一緒に新宿の街を旅する。選んだ性格によっては自由奔放に動き回ったり、とにかく楽しげなISTIC

筆者が特にのめり込んでしまったのが、Nick Caveが手がけた「Accumul-Istic Quest(アキュミュリスティック・クエスト)」という、オリジナルキャラの「Istic(イスティック)」と新宿の街を冒険するARアート。親子で一緒に楽しむこともできそうだ。

ラスボスと対決。ストーリーはどんな結末を迎えるのだろうか

クエストに出発する前に、Isticのデザインと13種類の「性格」を決定する。筆者はカラフルで毛むくじゃら、性格は「意欲的」なIsticを作成してクエストに臨んだ。ヘッドホンを身に着けている間、Isticはずっと“ズオーッ”っと唸り声を上げながら筆者の隣に付いて歩いてくれた。「かわいい奴め」と不思議な愛着がわいてくる。やがてクエストの終わりにラスボスが登場。Isticと一緒の戦いにはどんな結末が待っているのか……? ぜひ[AR]Tウォークに参加して体験してみてほしい。

親子でAR体験のプログラミングが学べる:[AR]Tラボ

続いて紹介するのは、アップルのiOSやmacOSなどで使われているプログラミング言語・Swiftでコーディングを学びながら独自のAR体験を「作る」ことができるセッション『[AR]Tラボ』だ。

AR体験をSwiftでコーディングするセッション、[AR]Tラボ

[AR]Tラボについては全国のApple Storeで実施されている。アップルのサイトを確認してみた限りでは、こちらも参加定員に達している回があるようなので、申し込みは早めに済ませておいた方がよさそうだ。

約90分間のセッションでは、Apple Storeのクリエイティブスタッフと一緒に創意工夫をこらしてコーディングのイロハを身につけていく。受講に必要なiPadやヘッドホンはストアに用意されているので、iPadをまだ使ったことがない、あるいはコーディングは未経験という親子でも気軽に参加できる。対象年齢はいちおう12歳以上とされているが、筆者が体験してみた限りでは9歳前後からでも楽しめそうだと感じた。

ソースコードを書き換えながら、かわいいキャラクターを動かしてみる。親子で直感的なプログラミング学習を体験できるユニークなセッションだ

[AR]Tラボのプログラムは、ニューヨーク在住のアーティスト兼教育者・Sarah Rothbergが制作している。可愛くてカラフルなARキャラクターをiPadの画面を通して現実世界に配置してみたり、自分でコーディングして「動かしてみる」ことを学んだり、頭を使う参加型のセッションだ。このセッションに参加すると、大人でもきっとSwiftのコーディングを学べるiPadアプリ「Swift Playgrounds」に対する興味がふつふつと湧いてくるに違いない。

自分のiPhoneを使って簡単に参加できる:[AR]T in the Apple Store

そして3つめのApple Storeで楽しめるAR体験のメニューは、『[AR]T in the Apple Store』だ。[AR]Tウォークにも参加しているアーティスト、Nick CaveのAR作品『Amass』を楽しむ自由参加型のイベント。こちらの体験を楽しむために必要になる端末は、ARKit2に対応するiOSデバイスで、iPhone 8/iPhone 8 Plus以上であればより快適に楽しめるようだ。

NICK CAVEのARインスタレーションをApple Store店内で楽しめる

iOS端末にApple Storeアプリをダウンロードして、店内のフリーWi-Fiに接続すると、アプリの画面に「[AR]Tビューアーを使って始める」というメニューが表示される。メニューをタップしてカメラを店内にかざすことで、Nick Caveがデザインした“エレメント”が店内に無数に散らばる華やかな光景が楽しめる。

形や色も様々なオブジェを店内を歩き回りながら探す。全てコレクションすると感動のフィナーレが……

このプログラムも、ストアの店内を歩き回り5つのIkonエレメントを集めていくクエスト形式になっている。エレメントを揃えると、きらびやかな「フィナーレ」が待ち受けている。

Today at Appleで楽しめる[AR]Tのセッションは、iPhoneやiPadで最先端のARが体験でき、ARをとても身近に感じられる。筆者もAR体験というと、個人で楽しむゲーム系のコンテンツが中心というイメージを持っていたが、[AR]Tウォークのようなグループ参加型のコンテンツも大いに盛り上がるということを改めて実感した。読者の皆様も、ぜひ友達や家族と一緒に気軽に参加してみてはいかがだろうか。

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