公開日 2018/12/07 06:30
【特別企画】専門店とオーディオライター、編集者でガチ会議
VECLOSの選べる“真空”イヤホン/ヘッドホン6モデル、どれが欲しいか座談会で徹底討論
構成:ファイルウェブ編集部
サーモスが展開するオーディオブランド “VECLOS”。真空技術をふんだんに投入したイヤホンとヘッドホンとして、ハウジングにチタンとステンレスを採用した計6モデルがリリースされている。
では、この6モデルにはどのような違いがあり、どれを選ぶべきなのだろうか? 専門ショップ店員、オーディオライター、媒体編集者で話し合った。
■VECLOSのイヤホン/ヘッドホン6モデル、何がどう違う?
参加メンバーは、e☆イヤホン 広報戦略室長 松田信行氏、e☆イヤホン 秋葉原店店長 松原 了氏、オーディオライター 高橋 敦氏、PHILEWEB 押野由宇。
押野:本日は皆さんと、「6モデルあるVECLOSのイヤホン/ヘッドホン、どれを選ぶべきなのか」お話できればと思います。
松田:つまりオススメモデルを決めるということですか?
押野:それもあるんですが、6モデルあってそれぞれキャラが違うので、それぞれの特徴をお伝えしたい、というのが主旨です。まずVECLOSのイヤホンのラインナップとしては、ハウジング素材にチタンを採用した「EPT-700」「EPT-500」、ステンレスを採用した「EPS-700」「EPS-500」がありますよね。 そしてヘッドホンは「HPT-700」(チタン)と「HPS-500」(ステンレス)の2モデルで、合計6モデル展開。位置づけは “700” が上位モデル、“500” が下位モデルです。
<イヤホン>
・「EPT-700」(チタン)¥OPEN(予想実売価格49,000円前後)
・「EPT-500」(チタン)¥OPEN(予想実売価格38,000円前後)
・「EPS-700」(ステンレス)¥OPEN(予想実売価格46,000円前後)
・「EPS-500」(ステンレス)¥OPEN(予想実売価格35,000円前後)
<ヘッドホン>
・「HPT-700」(チタン)¥OPEN(予想実売価格50,000円前後)
・「HPS-500」(ステンレス)¥OPEN(予想実売価格39,000円前後)
押野:「EPT-700」「EPS-700」は2ウェイのワイドレンジ・BAドライバーを、「EPT-500」「EPS-500」にはフルレンジ・BAドライバーを搭載。ヘッドホンではHPT-700にアルミバッフルを採用するなど、価格差に応じた物量投入がされています。でも、だったら上位モデルを選べばいい、とならないのがVECLOSなんですよ。
高橋:チタンとステンレス、どちらの素材を選択すべきかの重要な2択がありますからね。その上でイヤホンには上位・下位と兄弟モデルがあるわけですから、整理しておきたいですね。
押野:そうなんです。聴いたら分かる違いはあるけど、6モデルが一度にリリースされたものだから、 “キャラ立ち” が少し曖昧になっている。それをより明確にできればと考えています。
松田:なるほど。モデル選びの判断材料として分かりやすい情報なので、ショップとしてもありがたいです。上位モデルなら誰にでも良い音とは限らないですからね。
松原:e☆イヤホンでもVECLOSの製品は人気ですが、お客さまは500シリーズを選ばれることも多いですね。単に安い方だからではなく、十分な予算があって、聴き比べをした上でチョイスされています。
高橋:まず全体の話として、 “タイトさ” や “キレ” という点は、全モデルに感じられます。これはVECLOSの個性と言えるでしょう。つまり真空エンクロージャーの特徴でもありますね。
松原:その“キレ” は、700シリーズだと「スーパードライか!」っていうくらいありますね(笑)。EDM系などがすごく合います。500シリーズも多少抑えられていますが、しっかり “キレ” ている。それに音をダイレクトに耳に届けてくれる、という点はどのモデルもすごく上手いので、上位でも下位でも音の近さを感じさせてくれます。
高橋:イヤホンやヘッドホン側で付けてしまう余韻、というものがないから、音楽そのものの余韻が出るというのも挙げられますね。
松田:減衰していく音がキレイですよね。残響音もしっかり出ていますから、そのあたりが得意なモデルなんでしょう。
高橋:エレクトロでもアコースティックでも、音の消え際を重視して録音されている楽曲との相性は、どれも良いはずです。
押野:みなさん仰るように、イヤホン/ヘッドホンとしての基本性能はものすごく高いわけです。だからこそ、どれを選ぶかが難しい。ではさらに深掘りしていくために、まずは素材による違いから見ていきましょう。
高橋:僕は以前にレビューで(関連レビュー)、イヤホンについては次のように評価したんです。
●EPT-700 ナチュラルウォーム&クリア!
●EPT-500 ナチュラル&クリア!
●EPS-700 シャープ&クリア!
●EPS-500 スーパーシャープ&クリア!
高橋:それで、ヘッドホンはそれぞれの素材の印象がよりストレートに出ている。ニュアンスとして、ステンレスが「冷たい美味しい水」だとしたら、チタンは「常温の美味しい水」。透明感は一緒でも、飲み心地が違う。
押野:ステンレス素材は、エレキギターやエレクトロのなかでもノイジーな音の表現だったり、スチール弦の金属感、ブラスの音などがより良く感じられます。
高橋:アコギのスチール弦を押さえた時にフレットの部分で生じるわずかなバズ音などは、スピーカーで聴くとそれほど気になりませんが、イヤホンやヘッドホンで聴くと目立つ成分なんですよ。その帯域とステンレスの相性が良くも悪くも合っているんですね。
松田:それが気になるという人もいれば、アーティストが生み出すそのリアルな音が気持ち良いという人もいるでしょうね。僕は好きなんですよ。
高橋:ベースのスラップ奏法をバキバキに楽しみたい、という人にもステンレスの方が良いでしょうね。マーカス・ミラーなんかもすごく合いそう。あと、何もないところから綿密に打ち込みで音を置いていったような音楽性の作品にもマッチすると思います。
松原:聴こえなかった音が聴こえてくる、というインパクトが大きいですね。初めてイヤホンを買い替える方が聴いたら、「こんなに違うんだ」と分かりやすいモデルだと思います。一方で、先程の残響音などは、チタンの方がより上手に表現されていますよね。
では、この6モデルにはどのような違いがあり、どれを選ぶべきなのだろうか? 専門ショップ店員、オーディオライター、媒体編集者で話し合った。
■VECLOSのイヤホン/ヘッドホン6モデル、何がどう違う?
参加メンバーは、e☆イヤホン 広報戦略室長 松田信行氏、e☆イヤホン 秋葉原店店長 松原 了氏、オーディオライター 高橋 敦氏、PHILEWEB 押野由宇。
押野:本日は皆さんと、「6モデルあるVECLOSのイヤホン/ヘッドホン、どれを選ぶべきなのか」お話できればと思います。
松田:つまりオススメモデルを決めるということですか?
押野:それもあるんですが、6モデルあってそれぞれキャラが違うので、それぞれの特徴をお伝えしたい、というのが主旨です。まずVECLOSのイヤホンのラインナップとしては、ハウジング素材にチタンを採用した「EPT-700」「EPT-500」、ステンレスを採用した「EPS-700」「EPS-500」がありますよね。 そしてヘッドホンは「HPT-700」(チタン)と「HPS-500」(ステンレス)の2モデルで、合計6モデル展開。位置づけは “700” が上位モデル、“500” が下位モデルです。
<イヤホン>
・「EPT-700」(チタン)¥OPEN(予想実売価格49,000円前後)
・「EPT-500」(チタン)¥OPEN(予想実売価格38,000円前後)
・「EPS-700」(ステンレス)¥OPEN(予想実売価格46,000円前後)
・「EPS-500」(ステンレス)¥OPEN(予想実売価格35,000円前後)
<ヘッドホン>
・「HPT-700」(チタン)¥OPEN(予想実売価格50,000円前後)
・「HPS-500」(ステンレス)¥OPEN(予想実売価格39,000円前後)
押野:「EPT-700」「EPS-700」は2ウェイのワイドレンジ・BAドライバーを、「EPT-500」「EPS-500」にはフルレンジ・BAドライバーを搭載。ヘッドホンではHPT-700にアルミバッフルを採用するなど、価格差に応じた物量投入がされています。でも、だったら上位モデルを選べばいい、とならないのがVECLOSなんですよ。
高橋:チタンとステンレス、どちらの素材を選択すべきかの重要な2択がありますからね。その上でイヤホンには上位・下位と兄弟モデルがあるわけですから、整理しておきたいですね。
押野:そうなんです。聴いたら分かる違いはあるけど、6モデルが一度にリリースされたものだから、 “キャラ立ち” が少し曖昧になっている。それをより明確にできればと考えています。
松田:なるほど。モデル選びの判断材料として分かりやすい情報なので、ショップとしてもありがたいです。上位モデルなら誰にでも良い音とは限らないですからね。
松原:e☆イヤホンでもVECLOSの製品は人気ですが、お客さまは500シリーズを選ばれることも多いですね。単に安い方だからではなく、十分な予算があって、聴き比べをした上でチョイスされています。
高橋:まず全体の話として、 “タイトさ” や “キレ” という点は、全モデルに感じられます。これはVECLOSの個性と言えるでしょう。つまり真空エンクロージャーの特徴でもありますね。
松原:その“キレ” は、700シリーズだと「スーパードライか!」っていうくらいありますね(笑)。EDM系などがすごく合います。500シリーズも多少抑えられていますが、しっかり “キレ” ている。それに音をダイレクトに耳に届けてくれる、という点はどのモデルもすごく上手いので、上位でも下位でも音の近さを感じさせてくれます。
高橋:イヤホンやヘッドホン側で付けてしまう余韻、というものがないから、音楽そのものの余韻が出るというのも挙げられますね。
松田:減衰していく音がキレイですよね。残響音もしっかり出ていますから、そのあたりが得意なモデルなんでしょう。
高橋:エレクトロでもアコースティックでも、音の消え際を重視して録音されている楽曲との相性は、どれも良いはずです。
押野:みなさん仰るように、イヤホン/ヘッドホンとしての基本性能はものすごく高いわけです。だからこそ、どれを選ぶかが難しい。ではさらに深掘りしていくために、まずは素材による違いから見ていきましょう。
高橋:僕は以前にレビューで(関連レビュー)、イヤホンについては次のように評価したんです。
●EPT-700 ナチュラルウォーム&クリア!
●EPT-500 ナチュラル&クリア!
●EPS-700 シャープ&クリア!
●EPS-500 スーパーシャープ&クリア!
高橋:それで、ヘッドホンはそれぞれの素材の印象がよりストレートに出ている。ニュアンスとして、ステンレスが「冷たい美味しい水」だとしたら、チタンは「常温の美味しい水」。透明感は一緒でも、飲み心地が違う。
押野:ステンレス素材は、エレキギターやエレクトロのなかでもノイジーな音の表現だったり、スチール弦の金属感、ブラスの音などがより良く感じられます。
高橋:アコギのスチール弦を押さえた時にフレットの部分で生じるわずかなバズ音などは、スピーカーで聴くとそれほど気になりませんが、イヤホンやヘッドホンで聴くと目立つ成分なんですよ。その帯域とステンレスの相性が良くも悪くも合っているんですね。
松田:それが気になるという人もいれば、アーティストが生み出すそのリアルな音が気持ち良いという人もいるでしょうね。僕は好きなんですよ。
高橋:ベースのスラップ奏法をバキバキに楽しみたい、という人にもステンレスの方が良いでしょうね。マーカス・ミラーなんかもすごく合いそう。あと、何もないところから綿密に打ち込みで音を置いていったような音楽性の作品にもマッチすると思います。
松原:聴こえなかった音が聴こえてくる、というインパクトが大きいですね。初めてイヤホンを買い替える方が聴いたら、「こんなに違うんだ」と分かりやすいモデルだと思います。一方で、先程の残響音などは、チタンの方がより上手に表現されていますよね。