「テレビの原点的な価値を追求」
「キーワードは“原点回帰”」 ー 東芝REGZA「Z8」開発者インタビュー
またタイムシフトマシン録画でキャッシュした過去番組のアーカイブから、テレビが自動で番組をリコメンドしてくれる便利な視聴機能の「ざんまいプレイ」についても、「タイムシフトプラス1」で指定したチャンネルを含む全ての過去番組で利用できる「ざんまいプレイプラス1」に対応した。
本機能が追加されたことの背景について、本村氏は次のように説明する。
「地上デジタル放送だけでなく、BS/CSのプレミアムコンテンツもタイムシフトマシンで録画したいという声は多くの方々からいただいていました。特に映画やアニメをはじめ、特定ジャンルのコンテンツを録りためたいという、こだわり層の方々からのリクエストが多くありました。これまではハード的な制約などがあったため、対応できていなかったのですが、当社の技術陣が強い意志を持ってZ8シリーズに開発・搭載しました」(本村氏)
Z8X、Z8シリーズの6モデルが横断的に共有するのがこのタイムシフトマシン録画の機能だ。タイムシフトマシンがREGZAに搭載された歴史は、2009年発売の“Cell REGZA”「55X1」(関連ニュース)に遡る。
「当時からCELL REGZAを購入した方々に高い評価を得てきた機能ですが、昨年のZ7シリーズに搭載された時には、一部REGZAのファンの方々からは“高画質が欲しいのだから、タイムシフトマシンは不要”という声もありました。ところが実際にZ7が発売され、タイムシフトマシンをお使いいただいた方々を中心に“これはすごい”という評判が広まって、タイムシフトマシンは一気に市民権を獲得しました。今ではZシリーズを購入したい理由の上位に“タイムシフトマシンが搭載されているから”という項目が上がるようになりました」(本村氏)。
「これからのテレビは、本当に価値のある“スマート”を提案していかなければならない」と本村氏は語る。これに対する東芝の解答が、データベースとしての「タイムシフトマシン」であり、アプリケーションレイヤーの「ざんまいプレイ」だ。そして、テレビの視聴スタイルを劇的に変えることこそが、タイムシフトマシンの最大の目的であるという。
「テレビで感動する要素は、ひとつが高画質、もうひとつは大画面です。そして、もう一つ大事な要素がコンテンツです。魅力のないコンテンツを高画質に、大画面でみたところで感動はできません。そしてテレビを点けた時に、いつでも興味のあるコンテンツがみられるという保証もありません。録画予約をしていればそのフラストレーションは多少軽減されますが、それだけでは魅力的なコンテンツへの“気付き”が得られません。6つのチャンネルを何十時間も録画できること自体が、タイムシフトマシンの魅力というわけではありません。従来の録画機能だけでは発見できなかった感動的なコンテンツに出会えたり、いつでも好きな時に見られることがより大きなタイムシフトマシンの魅力です。テレビ番組のコンテンツを放送局と時間軸でデータベース化しているのが“過去番組表”であり、これをジャンル別、ユーザーの興味別にソートして見られるのが“ざんまいプレイ”です。もっと手軽にタイムシフトマシンの魅力が味わえる機能として、視聴中の録画番組を始めに戻って視聴できる“始めにジャンプ”です。REGZAはコンテンツから得られる感動までもプレミアムに演出するスマートなテレビです」(本村氏)
■クラウドサービス「TimeOn」のシーン検索機能も好評
REGZA Z7シリーズから搭載されたクラウドサービス「TimeOn」についても、搭載されて2世代目のモデルとなるZ8シリーズが発売され、ユーザーからのフィードバックも増え始めてきたという。先述のタイムシフトマシンの録画と連携して、「気になるシーンリスト」や「みどころシーン再生」などの機能では、アーカイブされた過去番組がシーン単位で便利に検索、再生できる使い勝手が評判を呼んでいる。
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