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「テレビの原点的な価値を追求」

「キーワードは“原点回帰”」 ー 東芝REGZA「Z8」開発者インタビュー

公開日 2013/12/09 15:15 山本 敦
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「やりたいことを投入できる余裕はまだありますので、あとは開発陣が頑張るだけです」と笑いながら答える山内氏。実際に「レグザエンジンCEVO」はファームアップで新しい機能を追加できる余地が十分に残されているという。

Z2シリーズでの「レグザエンジン CEVO」のボード。中央がCEVOのメインLSI

REGZAでは将来的に進化を図りたい項目について、ソフトウェアで実現できるような構造を採っている。これにより、柔軟に進化させることができるのだという。

「新しい機能をハードウェアとして組み込んでしまうと、後々手を加えることが難しくなります。それを開発の段階から先読みしながら、可能な限りファームウェアのアップデートなどで対応できるな仕組みを実現できたことは、東芝の開発力の賜物だと思っています。これほどまでにポテンシャルの高いLSIは東芝にとっての大きな資産です」と山内氏は胸を張った。


映像信号処理の基礎体力が非常に高いこともREGZAの特長であるとしながら、レグザエンジンCEVOの映像ポテンシャルに関する説明を住吉氏が付け加える。

「当社が最もこだわっているのは、階調性や微少信号再現性など、映像信号処理のビット精度に関わる部分です。ここは本来であれば回路規模がどんどん大きくなってしまうところです。コストを抑えて製造しようとすると、ビット精度が犠牲になりがちですが、REGZAではビット精度を最初から持たせたエンジンにしたことが、ハードウェアの高いベースポテンシャルにつながっています。これによって、Z8シリーズではMGVC(マスターグレードビデオコーディング)で収録したアニメコンテンツに対応する“ハイビットBD”モードを搭載して、フル12bitキャプチャーでの信号処理を実現しています。これは他社には絶対出来ないアプローチだと思います」(住吉氏)


■直下型LEDパネルの搭載で本体はZ7から大きく軽量化を実現した

我が家のリビングに大画面テレビを置いてみたいという声に対して、新しいREGZA Z8シリーズのスリムなデザインが好評を博しているという。本村氏は「本来画質の向上を図るために開発した直下型LEDパネルですが、結果として効率的な基板配置やフレームを含めた一体成形を可能にしたことで、テレビ本体の質量を軽量化することができました」と、自社開発パネルがデザイン面でのメリットにつながったと強調する。実際に55型モデル同士で比較してみると、専用のテーブルトップスタンドを含んだ質量が、55Z7では26.5kgだったのに対して、55Z8では17kgにまで軽くなっている。

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