【特別企画】
【Phile-web読者 × 大橋伸太郎】ヤマハAVアンプ“AVENTAGE”最上位機「RX-A3020」の進化を検証する!
【第二章】機能・空間表現の進化 |
新YPAOが実現する、RX-A3020の音場再現力
【第一章】で参加者から「シーンに臨場感がある」「描写力が高い」と驚きの声が上がったRX-A3020。このRX-A3020の再生音場はどのように実現されているのだろうか。
ヤマハの安井氏は、「細部の設計をブラッシュアップしたことと併せて、新しくなった音場補正技術YPAOの効果が大きいのです」と説明する。RX-A3020が従来モデルと大きく異なるポイントの1つとして、室内の初期反射音をより積極的に制御するよう改良された新型「YPAO-R.S.C.(Reflected Sound Control)」を採用している点が挙げられる。
安井氏は「新開発の音場補正用マイクで、より強力に一次反射を制御しています」と、新しくなった三角形状のYPAO用マイクを見せた。4名の参加者は、安井氏の説明を頷きながら聞いている。
参加者の阿部明さんは第一章で体験したサラウンド視聴について、「普段自宅でホームシアターを楽しんでいるときよりも、場が広がった感じがしました。スクリーンで観ているというのではなく、自分がその場にいるような感覚です」とコメントした。
大橋氏は「ヤマハは、1990年に発売した世界初の一体型7ch・AVアンプ AVX-2000DSPに始まり、音楽DSPの経験とノウハウを映像音響に応用して“映画サウンド”の核心に踏み込んだ音作りに挑戦してきました。最新機種のRX-A3020にも、そんな“空間の再現力”がしっかり備わっています。まさに“自分がその場にいるような感じ”という感想の通りです」と語った。
続いて大橋氏は「さて次は、RX-A3020の“自然な”空間再現を実感できる新機能を試してみましょう」と提案。「今度は一転して、とても静かな映画ですよ」と、次の視聴ソフトを取り出した。
新機能「VPS+ダイアログリフト&ダイアログレベル(エンハンス)」の効果を検証!
大橋氏が再生した映画『マーガレット・サッチャー 〜鉄の女の涙〜』は、英国初の女性首相であるマーガレット・サッチャーの半生を描いた作品。主役のマーガレット・サッチャー役をメリル・ストリープが演じている。
ここでは、RX-A3020の新機能となる「ダイアログリフト調整」の効果を試していくことにする。これは、フロントSPの上方に仮想のフロントプレゼンススピーカーを作り出すヤマハ独自の「バーチャルプレゼンススピーカー」の使用時に、センターchの成分だけを上方にリフトアップさせることができる機能だ。
安井氏によれば、「一般の家庭ではテレビの下にセンターSPを設置することが多いと思いますが、そうなるとセンターchから出る台詞が下方に沈みがちになってしまいます。それを上に持ち上げることで、自然な再生を狙っています」という。
大橋氏は「“声”の成分が上方に持ち上がって、ちゃんと俳優の口から聴こえてくるようになる効果をお楽しみ下さい」と参加者に語りかけ、若き日のマーガレット・サッチャーがプロポーズされるシーンを再生した。