従来モデルからどう進化したのか?
「iPhone 6」レビュー − 使い勝手やAV関連機能をiPhone 5/5sと比較
5sから用意されたスペースグレイの色合いは、位置付けとしては5までのブラックモデルの後継なのだろうが、その色合いは5のブラックとはかなりちがう(5sのスペースグレイとはほとんど変わっていないようだ)。
ブラックではなく、たしかにグレイ。このモデルを「シルバー」としてラインナップしても違和感はないのではないだろうかというくらいだ。もちろん実際に「シルバー」として販売されているモデルはこれとはまた違う色合いだが。
5/5sからの印象の変化がいちばん大きいのは側面と背面だ。
側面は前述のように滑らかにラウンド。基本スクウェアで直線的にエッジを落としていた5/5sとは全く別だし、樹脂筐体を艶っぽく丸めてある5cとも雰囲気が異なる。最も似ているのは現行のiPadとiPod touchだろう。
いぜれにせよこのラウンドした側面によって実際に薄いその薄さがさらに強調されているし、持ち心地の柔らかさも得られている。
背面のポイントは、5/5sで好き嫌いが分かれていたであろう、あのツートーンが緩和されていることだ。
ただしデザイン的な主張なのか何らかの技術的な必要性からなのか、筐体の上下を区切るラインは残されている。しかし5/5sではそこがガラス素材で、背面の他の部分の艶消しのアルミとのコントラストが強かった。
一方の6/6Plusでは、その部分の素材は周りと同じアルミで仕上げも同じ。前述のいわゆる「Dライン」で区切られてはいるが、それほどの違和感ではなくなっている。
デザインと操作性の両方に影響する部分として注目なのは、ボタン周りの変更だ。
音量ボタンは4/4s、5/5s/5cでは小さな円形だった。これが6/6Plusでは長さのある長方形に変更されている。全く同じではないのだが、どちらかといえば3G/3GSに近い形に戻ったとも言える。
ただし3G/3GSの長方形ボタンから4以降の円形ボタンに変更されたときに対して使いやすくも使いにくくもならなかったように、今回長方形に戻っても、使いやすくも使いにくくもなってはいない。
ではこの変更の意味はというと、おそらくはデザイン上の必然性からだろう。この薄さでしかも側面がラウンドしていると、円形ボタンは配置しにくい。細めの長方形ボタンへの変更の理由は、単にそういうことだと思う。