従来モデルからどう進化したのか?
「iPhone 6」レビュー − 使い勝手やAV関連機能をiPhone 5/5sと比較
■大型化による操作性の変化は?
さて大型化でのいちばんの心配は操作性だという方が多いだろう。その点は実際にはどうなのか?
まず、まだ使い始めてから時間が短いので細かなところまでは把握できていないことを前提にだが、「心配してたほど使いにくくはない」とは感じている。
持ち心地のよさは前述のようにiPhone 5を上回るほどだし、「片手操作だと画面の端に指が届かないのでは?」問題は、そもそもiPhone 5で縦に伸びた時点で操作しながらの微調整(グリップをササッと動かす)が必要になってはいたので、程度の問題が少し変わっただけとも思える。
具体的には左手で自然に持った状態でその左手の親指が届く範囲は僕の手の大きさと持ち方の場合、
●iPhone 5のホーム画面のアプリアイコン
・下から4段目までのアプリにはおおよそ届く
・しかし4段目の右上端(届く範囲のいちばん端)は微妙
●iPhone 6のホーム画面のアプリアイコン
・下から4段目までのアプリにはおおよそ届く
・しかし4段目でも右上端は無理
という感じだ。
またヨドバシ店頭でほんの少し触った感じでだが、iPhone 6 Plusの場合はホーム画面いちばん下のドックの右端(標準だと「ミュージック」の位置)にも親指が届かなかった。
という感じだが、この例のホーム画面のアプリアイコンの場合はまあ、「自分がよく使うアプリは自分の指が届く範囲に配置する」といったユーザー側の工夫でどうにでもなるだろう。
またホーム画面については6/6Plusは1ページに表示できるアプリの数が縦1段(4個)増えているので、アプリ起動のためにホーム画面をスワイプして移動する回数は、巧く選抜して配置すれば従来より減らすことができるだろう。これは典型的な「大画面化のメリット」だ。なお従来通りの表示数となる「拡大」設定も用意されている。
さて、とはいってもやはり大画面化しているのは事実なので指が届きにくい場面は増えるかもしれない。そこで導入されたのがおそらくみなさんもうご存知(?)の「ホームボタンをダブルタッチすると画面がぐいっと下に降りてきて本来は画面の上にある操作要素に指が届くようになる機能」だ。
クリック(押す)ではなくタッチ(触る)なので、親指の移動はどうしても必要だが、指への負担は最小限だと思う。
ホーム画面でいうと、通常時は縦6段のところホームダブルタッチでそれが下にスライドして上側4段が降りてくる。前述のように僕の場合は下から4段までは片手親指でおおよそ届くので、何とか片手操作できそうな予感はする。
もちろんこの機能はシステムレベルでの提供なので、だいたいどの場面(アプリ)でも有効だ。
この「ホームボタンをダブルタッチ」という操作はいままでになかった操作なので当初は使い慣れないかとは思うが、瞬時に無意識にこの操作ができるようになると、iPhone 6/6Plusの使い勝手がぐっと向上しそうだ。
iOSアプリは4Sまでの3.5インチディスプレイ時代のインターフェース設計を引きずっているものがいまでも少なからずあり、ユーザーが頻繁にタッチするであろうボタン(機能)が画面の上端に設置されていることも多々ある。その場合、5/5s/5cでも片手だと指が届きにくい。6/6Plusでホームダブルタッチを巧く使いこなせば、むしろ5/5s/5cよりも使いやすい!…場面もあるかもしれない。