従来モデルからどう進化したのか?
「iPhone 6」レビュー − 使い勝手やAV関連機能をiPhone 5/5sと比較
そしてそのようにさらにさくっと快適に撮影できるようになった静止画のクオリティだが、実例で見ていこう。僕がひたすらこのテキストを打ち込みまくっている間に、編集部の方に編集部周辺から様々な風景を切り取ってきていただいた中からピックアップした。
なお筆者は、画質評価は専門ではないのでそのコメントに精度は期待しないでほしい。しかし逆に言えば筆者でも感じるような違いがあればそれは誰にでも感じられる違いがあるということなので、そういう意味では参考にしてほしい。
さて、撮影した写真をこのように並べてみると、また掲載はしていない他の写真も眺めて見ると、純粋に画質だけを考えると、あまりにも極端な差は生まれていないように思える。もちろん5より5s、5sより6の方が好ましいとは思うが、別格!超進化!というまでのインパクトではない。
しかし、では6の優位はないのかというとそうでもないだろう。
今回は手近な決まりきった被写体を撮っただけだが、実際の利用シーンではもっと日差しがまぶしいこともあれば暗い室内のこともあり、被写体の動きが激しいこともあるだろう。iPhone 6における画像処理技術全般の強化やフォーカス速度の速さといった要素は、どんな場面でもより安定してそのときどきでベターな撮影結果(画質)を得るための助けになってくれるはずだ。その「いつどこで誰が何を撮ってもいい感じに撮れる」というのがiPhoneのカメラ機能の目指すところのはずだ。その方面での進化は期待してよいと思う。
また写真を楽しむのに撮影画質と同等以上に大切なのは再生画質、つまりディスプレイの画質や大きさだ。iPhone 6/6Plusはそこに大きな優位がある。大きく考えればここも注目ポイント。
なお撮影後の彩度やコントラスト等の「調整」機能は、6/ 6Plus特有のものではなく、iOS 8の新機能だ。それを含めてiOS 8については海上氏による記事を参照してほしい。
■カメラのクオリティと新機能[ビデオ]
ビデオ(動画撮影)や機能アップも多い。iPhone 6/ 6Plus特有ではなくiOS 8の新機能である「タイムラプス」動画撮影なんかも注目だが、ここでは6/6Plus特有のところを見ていこう。
まず基本的なところで、ビデオのいわゆる解像度(ピクセル数)は5からずっと変わらずHDの1080p(1920×1080)だが、フレームレートは5sまでが30fps(毎秒30コマ)だったのが6/6 Plusでは60fps(毎秒60コマ)も選択できるようなった。動きのより滑らかなビデオを期待できる。
ただし切替は少し面倒で、カメラアプリでの撮影中にそのままでは変更できず、「設定」アプリに移動する必要がある。
またiPhone 5sから搭載されたスローモーション撮影機能もフレームレートが120fpsだったところ、6/6 Plusでは120fpsの他に240fpsも選択できるようになった。スローモーションの場合これは「よりスローに撮影・再生できる」ということになる。こちらの切替はカメラアプリ内で可能だ。
iPhone 6:30fps。メイン被写体の風車にしてもその後ろのタイルにしてもフォーカスが決まっていてシャープ
iPhone 6:60fps。動きが滑らか。…なはずだがこの被写体で僕の眼だとそれほど大きな効果は感じられない。もっと派手に動く被写体のときに効果を発揮するのだろう