<山本敦のAV進化論 第59回>
“スマホでハイレゾ”の実力は? Xperia Z4など「ハイレゾ対応スマホ」2015年夏モデル一斉試聴
本体の素材にはガラスとメタルを融合。F値1.9の明るいレンズをアウト・インカメラの両方に搭載し、自分撮りもきれいな写真が残せる。CPUはオクタコアに進化して、様々な機能の処理レスポンスが素速く快適。別売のアダプターを用意すれば「おくだけ充電」にも対応する。本機からは遂にソフトバンクの取り扱いもスタートした。
音楽再生まわりの機能も盛りだくさんだ。特に「ミュージック」アプリからアクセスできるイコライザー機能が充実している。サウンドと通知の設定から「音質とエフェクト」を選ぶとAdaptSoundやSoundAlive+、K2HDなど豊富な音質設定が設けられている。それぞれ「設定」の階層で効果がオン・オフでき、YouTubeやサードパーティーの音楽プレーヤーアプリにも効果がある。真空管アンプのシュミレートモードをオンにすると音調がソフトに変わり、ボーカルや生楽器の暖かみが引き立つのが面白い。
ユーザーそれぞれに異なる耳の聞こえ方に合わせて、再生特性をカスタマイズできるAdaptSound機能は、本機の元々の音づくりの傾向を変えないまま、より気持ち良く音楽を楽しめる機能として積極的に活用してもいいと思う。設定は10パターン前後のビープ音を聞きながら合わせ込んでいく。効果は設定後にオン・オフしながら聴き比べられるので、違いは明らかにわかる。
ハイレゾ再生は本機もイヤホン端子からの192kHz/24bit、FLAC/WAVファイルの出力をサポート。ギャップレス再生には非対応だが、ハイレゾ楽曲の再生中にはUHQのアイコンが表示されるほか、楽曲情報の詳細表示を完備する。イヤホン端子は本体下側に搭載。外部メモリーとしてmicroSDカードが使えなくなってしまったのがハイレゾを楽しむうえではやや不便だ。
■Galaxy S6 edgeの音質チェック
試聴はAdaptiveSoundをオフにして聴いた。ダフト・パンクの楽曲では切れ味の爽快なビートが味わえる。低域はズシンと深く響きながら瞬発力も鋭い。ミッドレンジは抜けがよくクリア。きめ細かいシルキーな高域とのバランスも非常に良い。
ジェーン・モンハイトのボーカルは鮮度が高く、滑らかなハイトーンの情報量も豊富に引き出してくる。口元の動きやブレスの様子も生々しく浮かんできた。アコースティック楽器の暖かみのある余韻もリアリティに富む。奥行き方向の空間描写も深い。
オーケストラは弦楽器のしなやかさや、管楽器による空気の押し出し感など演奏の繊細な表情を丁寧に蘇らせる。弦楽器のハーモニーは音の解れがよく、それでいながらスムーズな一体感も味わえる。空間描写も縦横ともにワイドだ。
ロックのライブ系楽曲などもよくハマる。小沼ようすけのジャズギターによるバンドセッションは音の粒立ちよく、輪郭の質感が滑らか。ベースラインはタイトに引き締まっていて、リズムの肉付きも良い。ハイレゾの情報量を引き出しながら、音楽として味付けるセンスが巧み。心地良いグルーブが味わえた。
■兄弟機のGalaxy S6は?
GALAXY S6はS6 edgeと機能・音質ともに重なる部分が多いので、まとめて紹介する。本機はドコモとauが取り扱うことになったS6 edgeの兄弟フラグシップモデル。エッジスクリーンは採用しない、スレートタイプの約5.1インチSuper AMOLED有機ELディスプレイを採用。本体の厚みはXperia Z4よりも0.1mm薄い約6.8mmだ。リアパネルに強化ガラス、サイドにはメタルフレームを採用して贅沢な質感を持たせた。音楽再生も含めた基本機能はS6 edgeと一緒なので、デザインやハンドリングが自分の好みに合うかどうかで選べば良いと思う。