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<山本敦のAV進化論 第59回>

“スマホでハイレゾ”の実力は? Xperia Z4など「ハイレゾ対応スマホ」2015年夏モデル一斉試聴

公開日 2015/06/19 08:30 山本 敦
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ハイレゾの情報量の引き出し方や味付けが、歴代isaiシリーズやLG Gシリーズでの対応を経て着実に進化している。その成果はピアノやギター、ボーカルなど生楽器の音のリアリティが一段と高まっているところに最もわかりやすく表れていると言えるかもしれない。オーケストラは空間表現の懐の深さを実感。ピアニッシモの微小信号を拾って、音色も鮮やかな楽器の音として説得力のあるものに仕上げるテクニックに巧さがある。


■総論:半年間でのハイレゾ再生のレベルアップを実感

解像表現力や中高域の繊細さと滑らかさではXperia Z4が抜きんでているが、全体の音のまとまり感とダイナミックなメリハリも再現しながら、音楽を楽しく聴かせるエンターテインメント性ではisai vividやGalaxyシリーズの実力は、オーディオ専用ポータブルプレーヤーへの挑戦権を既に獲得しているハイレベルな出来映えだ。

全体的には半年前のモデルに比べて、機能・音質の両面で完成度が一段と上がっている印象を受けた。機能面ではソニーのXperia Z4が搭載する新コーデック「LDAC」が、スマホで聴くハイレゾにより多くの関心を惹きつけるマグネットになりそうだ。

今後各社はいっそう声高に「ハイレゾ対応スマホ」の魅力を前面に掲げながら先端技術をアピールして欲しいと思う。例えばレーベルゲートが展開する音楽配信サービス「mora」では、Xperia Z4の発売記念キャンペーンとしてauとタイアップして、auのXperia Z4/SOV31の購入者にハイレゾ楽曲がダウンロードできるクーポンをプレゼントするサービスも期間限定で実施している。こうした活動がハイレゾの認知拡大につながることを期待したい。

スマホは本体料金のほかに、毎月の通信料金がかかる製品なので、複数の端末を同時に所有するのは一般のユーザーにとっては負担が大きい。端末メーカーが自社で売りきりのSIMロックフリー端末の販売を始めれば、スマホもポータブルオーディオプレーヤーのように「音の好み」で選んで、使い分けるということが気軽にできるようになって面白いと思う。

また国内ではLINE MUSICやAWAの音楽配信サービスがスタートして、Apple Musicも日本国内でのローンチに向けて待機している。これらのサービスが一斉に発表され、スマホによる音楽リスニングが急速に脚光を浴びつつある。スマホで音楽を聴く習慣そのものが、音楽配信サービスの利用により定着化すれば、ハイレゾへの関心も必然的に高まってくるはずだ。何はともあれ、今後も最新スマホの音楽再生機能まわりの進化は追いかける価値がありそうだ。

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