今後への期待と浮かび上がった課題
「東京インターナショナルオーディオショウ」で見た注目のネットワークオーディオ機器を総まくり!
■Pyramixを手がけるマージングのコンシューマー向け製品「NADAC」がついに登場
実は今回のショーで画期的な製品が発表されていたのをご存知であろうか。それがエレクトリのブース(ブースレポート)に展示されていたマージング・テクノロジーズ社「NADAC(ナダック)」だ。
そもそもマージング・テクノロジーズは、数々の高音質レーベルや昨今では特に日本で高い関心を集めるDSDレコーディングでこぞって採用されているDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトウェア“Pyramix”を手がけているスイスのメーカー。レコーディング分野に興味のある方であればご存知かと思うが、そんな同社がついにコンシューマー市場に初となる製品を投入してきたのだ。
このNADACの「NA」というのは、「ネットワーク・アタッチメント」の意味。すべての接続をEthernet(LAN)経由で行うデジタル信号伝送規格、AUDIO Over IPの一種となる「Ravenna(ラヴェンナ)」を採用しているのが最大の特徴だ。Ravennaはもともと放送業界を視野にいれて策定された伝送規格で、大容量のデータをリアルタイムで制限なく、なおかつ複数の機器に伝送することができる。
マージング・テクノロジーズではこれをHorus、HAPIといったADDAコンバーターに採用しており、その技術を応用してNADACを開発したというわけだ。
EthernetというとDLNA等によるネットワーク再生のイメージが先行してしまうが、NADACはあくまで伝送にLANを使用するDAコンバーターである。しかし、このRavennaの採用により、パソコンとNADACの1対1の接続はもちろんのこと、間にルーターを経由させることによって複数のPCやNADACとの接続も可能としたのだ。
現時点では再生時にWindowsもしくはMacが必須。NADACのIPアドレスを打ち込むことでパソコンやスマホ、タブレットデバイス上のブラウザからヴォリュームや入力切り替えを行うことも可能となる。
特徴的なのは、現在開発中というPyramixと同じサウンド・エンジンを持つWindows用プレーヤーアプリケーション、Emotionが用意されること。こちらも基本はウェブブラウザ経由での操作となるため、本アプリケーションを起動させておけば他のスマホからコントロールすることも可能だ。
このほかの特徴として、心臓部のDACにはESS「ES9008S」を搭載、Ethernet以外にも、AES/EBU(XLR)、S/PDIF(RCA)、TOSLINK(光)などの幅広いデジタル入力に対応する、またプリアンプ機能を搭載し、3.5mmと6.5mmのヘッドホン端子も装備される。
と、ここまでなら普通のネットワーク/USB-DACと変わらないのだが、なんと本機は、ステレオバージョンと共に8chのマルチチャンネル・バージョンモデルが用意され、DSDマルチを始めとする、マルチチャンネル再生に幅広く対応する事が可能なのだ!
こうした製品なので、ネットワークオーディオ製品のくくりに入れて良いのか少々迷ったが、本格的なマルチチャンネル再生に対応したハイエンド製品の登場に嬉しくなり、お伝えした次第だ。
■マランツは「NA-11S1」など豊富なラインナップを出展
B&W「800 D3シリーズ」の発表で大いに盛り上がったマランツブース(ブースレポート)では、フラグシップ・ネットワークプレーヤーである「NA-11S」を始めとする、様々なネットワークプレーヤーが展示されていた。
自社開発の独自UIを備えた操作アプリ「Marantz Hi-Fi Remote」を使用する同社のネットワークプレーヤーは、音質や各機能の完成度が高く、NetAudio誌のスクランブルテストでも好結果を残している。会場内でマランツスタッフと話し込んで、改めて同社のネットワークオーディオに対する取り組みには感銘を受けた。色々と有益な情報を聞いたが、また時を改めてその話をしたいと思う。
■ケンブリッジオーディオの新ネットワークプレーヤー「CXN」が参考出展
今回のショーで数多くの新製品を発表したナスペックからは、ヨーロッパを代表するオーディオメーカーとなったケンブリッジオーディオの2種類のネットワークプレーヤー、フラッグシップの「AZUR 851N」と筐体デザイン性を大幅にあげた新シリーズの「CXN」が参考出品された。
ケンブリッジオーディオのネットワークプレーヤーは、操作アプリの完成度が高く音質も優れている印象を持っているが、なによりもコストパフォーマンスの高さは、個人的にもかなり評価している。今回の製品は両者ともフルカラーディスプレイを装備し、日本語対応も果たすなど、着実な進化を遂げている。
実は今回のショーで画期的な製品が発表されていたのをご存知であろうか。それがエレクトリのブース(ブースレポート)に展示されていたマージング・テクノロジーズ社「NADAC(ナダック)」だ。
そもそもマージング・テクノロジーズは、数々の高音質レーベルや昨今では特に日本で高い関心を集めるDSDレコーディングでこぞって採用されているDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)ソフトウェア“Pyramix”を手がけているスイスのメーカー。レコーディング分野に興味のある方であればご存知かと思うが、そんな同社がついにコンシューマー市場に初となる製品を投入してきたのだ。
このNADACの「NA」というのは、「ネットワーク・アタッチメント」の意味。すべての接続をEthernet(LAN)経由で行うデジタル信号伝送規格、AUDIO Over IPの一種となる「Ravenna(ラヴェンナ)」を採用しているのが最大の特徴だ。Ravennaはもともと放送業界を視野にいれて策定された伝送規格で、大容量のデータをリアルタイムで制限なく、なおかつ複数の機器に伝送することができる。
マージング・テクノロジーズではこれをHorus、HAPIといったADDAコンバーターに採用しており、その技術を応用してNADACを開発したというわけだ。
EthernetというとDLNA等によるネットワーク再生のイメージが先行してしまうが、NADACはあくまで伝送にLANを使用するDAコンバーターである。しかし、このRavennaの採用により、パソコンとNADACの1対1の接続はもちろんのこと、間にルーターを経由させることによって複数のPCやNADACとの接続も可能としたのだ。
現時点では再生時にWindowsもしくはMacが必須。NADACのIPアドレスを打ち込むことでパソコンやスマホ、タブレットデバイス上のブラウザからヴォリュームや入力切り替えを行うことも可能となる。
特徴的なのは、現在開発中というPyramixと同じサウンド・エンジンを持つWindows用プレーヤーアプリケーション、Emotionが用意されること。こちらも基本はウェブブラウザ経由での操作となるため、本アプリケーションを起動させておけば他のスマホからコントロールすることも可能だ。
このほかの特徴として、心臓部のDACにはESS「ES9008S」を搭載、Ethernet以外にも、AES/EBU(XLR)、S/PDIF(RCA)、TOSLINK(光)などの幅広いデジタル入力に対応する、またプリアンプ機能を搭載し、3.5mmと6.5mmのヘッドホン端子も装備される。
と、ここまでなら普通のネットワーク/USB-DACと変わらないのだが、なんと本機は、ステレオバージョンと共に8chのマルチチャンネル・バージョンモデルが用意され、DSDマルチを始めとする、マルチチャンネル再生に幅広く対応する事が可能なのだ!
こうした製品なので、ネットワークオーディオ製品のくくりに入れて良いのか少々迷ったが、本格的なマルチチャンネル再生に対応したハイエンド製品の登場に嬉しくなり、お伝えした次第だ。
■マランツは「NA-11S1」など豊富なラインナップを出展
B&W「800 D3シリーズ」の発表で大いに盛り上がったマランツブース(ブースレポート)では、フラグシップ・ネットワークプレーヤーである「NA-11S」を始めとする、様々なネットワークプレーヤーが展示されていた。
自社開発の独自UIを備えた操作アプリ「Marantz Hi-Fi Remote」を使用する同社のネットワークプレーヤーは、音質や各機能の完成度が高く、NetAudio誌のスクランブルテストでも好結果を残している。会場内でマランツスタッフと話し込んで、改めて同社のネットワークオーディオに対する取り組みには感銘を受けた。色々と有益な情報を聞いたが、また時を改めてその話をしたいと思う。
■ケンブリッジオーディオの新ネットワークプレーヤー「CXN」が参考出展
今回のショーで数多くの新製品を発表したナスペックからは、ヨーロッパを代表するオーディオメーカーとなったケンブリッジオーディオの2種類のネットワークプレーヤー、フラッグシップの「AZUR 851N」と筐体デザイン性を大幅にあげた新シリーズの「CXN」が参考出品された。
ケンブリッジオーディオのネットワークプレーヤーは、操作アプリの完成度が高く音質も優れている印象を持っているが、なによりもコストパフォーマンスの高さは、個人的にもかなり評価している。今回の製品は両者ともフルカラーディスプレイを装備し、日本語対応も果たすなど、着実な進化を遂げている。