【特別企画】RMEの最先端を具現化した注目機
Babyface Proのサウンドをオーディオファン目線で分析 ― 理論に裏付けられた音楽的表現
音源に対して正確なサウンド − 安定感と音楽性を備えた秀逸な表現力
それでは肝心のBabyface Proの音質だ。
まずはクラシックから。『Nexosハイレゾクラシック The First Sellection』(96kHz/24bit FLAC)を再生。僕自身がレファレンスとしている一枚で、音が出た瞬間「おぉ!」と感心する。フルオケで迫力のある演奏が特徴の作品なのだが、その情報量が多く、なによりも音場の表現力に長けている。これは、オーディオ的な音楽再生能力が高いことを裏付けている。
次にRME自身が手掛ける高音質レーベル、RME Premium Recordings から発売されたばかりの『Orquesta de la Esperanza/三枝伸太郎』(192kHz/24bit FLAC)を聴く。リーダーである三枝伸太郎のピアノ、そしてバンドネオンと弦楽四重奏というセクステットを軸に、コントラバス、パーカッション、ヴォーカルも参加する意欲的な室内楽だ。こちらも音場の奥行きや広がりをよく表現。総じて安定感と音楽性を備えた秀逸な表現力だ。プロオーディオ機器と聞くとよく「民生機器とは異なる無機質な音調」とイメージされることが多いかもしれないが、Babyface Proのサウンドはあくまでも「音源に対して正確」に再生するイメージと言っていい。
ジャズ・ヴォーカルの『Wallflower/ダイアナクラール』(48kHz/24bit FLAC)では、上下方向のレンジが広く、しっかりとした中域が楽曲全体を支配、そこにリアルなヴォーカルが浮かぶ。ヴォーカルそのものはもちろんのこと、その前後のリヴァーブ成分もしっかりと描いており、聴感上のS/Nや分解度はかなり高い。