Babyface Proのサウンドをオーディオファン目線で分析 ― 理論に裏付けられた音楽的表現
こうした見た目や操作性に対するイメージを大きく覆す製品が、ドイツのRMEが発売したニューモデル「Babyface Pro」(¥OPEN・予想実売価格¥99,800前後)。今回、このBabyface Proを試聴する機会を得た。
それにしても、ここまでオーディオファンに受け入れられたプロオーディオブランドは稀である。僕が初めてRMEの存在を意識したのは、ハイレゾはもちろんのこと、ピュアオーディオの世界でデジタルファイル再生が注目を集め始めた2010年初頭。「音の良いプロ用のUSB-DACがある。しかも、192kHz/24bitまで再生が可能らしい」と、知人が持ってきてくれたのが、ハーフラックサイズの「Fireface UC」だった。
その音は一聴してアキュレート。情報量も多く、僕の予想を超える音質を備えていたことをよく覚えている。先ほど「USB-DAC」とは言ったものの、厳密にはFireface UCをはじめとしたRMEの製品は、最大192kHz/24bitの入出力が可能なUSBオーディオインターフェース。ハイスペックを求める録音現場を支え、同時に黎明期のハイレゾを牽引することとなる重要なモデルとなった。
その後、RMEのオーディオファンからの人気は、小型/軽量モデルBabyfaceの登場によって不動のものとなった。手のひらサイズというコンパクトなボディにUSBオーディオの最先端を行く技術を満載。その圧倒的なコストパフォーマンスで、瞬く間にコンシュマーオーディオ市場に受け入れられ、大ヒットを記録したのである。
Babyface Proはそんな旧Babyfaceの後継機として登場した待望のニューモデル。ただし、その外装はもちろん、回路設計など全てを刷新したうえで誕生したモデルである。