App StoreやSiri対応の実力とは
第4世代「Apple TV」レビュー。「テレビの未来はアプリ」は本当か?
■いよいよ本題。App Storeが新Apple TVのハイライト
今回の第4世代Apple TVにおける最大のハイライトは、tvOSというテレビ向けOSを新たに作り、サードパーティーが自由にアプリを作れるよう、プラットフォームを開放したことにある。
これまでのApple TVは、あまり頻繁とは言えないOSのアップデート時に、新サービスがアプリとして追加されることはあったが、デベロッパーが自由にアプリを開発することも、ユーザーが能動的にアプリを探してインストールすることもできなかった。
それに対して第4世代Apple TVは、Apple TV専用のApp Storeが用意され、好きなときに、好きなアプリをインストールすることができるようになったのだ。
率直に言って、まだApp Storeを眺めたり、検索しても、アプリの絶対数が少ない。必然的にクオリティが高いアプリも少ない。Huluなど検索結果に表示されるがダウンロードできないアプリもあるなど、不備もある。
だが、これは発売直後の一時的なものである可能性がある。今後第4世代Apple TVが普及していけば、デベロッパーにとって魅力的なプラットフォームになるかもしれない。
同社幹部のエディー・キュー氏は、米メディアのインタビューで、これまで2,000万台以上のAppleTVを販売したと述べている。
この数字を見て、十分なビジネスチャンスが待っていると考え、先んじて魅力的なアプリを作ろうと考えるデベロッパーもいるだろう。そう考える開発者が多ければアプリが充実し、さらにハードが普及する。ハードが増えれば、ますますアプリを作ろうというモチベーションが高まる。
つまりは、アップルがiOSで大成功したエコシステムの構築を、テレビにおいても再現しようという試みだ。
しかも一から作り上げるのではない。tvOSはMetalやUIKit、CloudKitなど、iOSと同じフレームワークや技術を多く採用しているため、Apple TV向けアプリを作るのは容易であるとアップルは主張している。
開発者にとっては、これまで培ったiOSプラットフォームでの経験が活かせる。既存のアプリをもとにApple TV向けを作れば、開発投資がそれほど嵩まない場合もあるだろう。低リスクで高リターンがねらえることになる。
…と言うと簡単なように思えるが、ことはそれほどシンプルではない。単に数が増えても、アプリの質が伴わなければ意味がないのだ。