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App StoreやSiri対応の実力とは

第4世代「Apple TV」レビュー。「テレビの未来はアプリ」は本当か?

公開日 2015/11/05 10:00 編集部:風間雄介
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Apple TVは我々に「テレビで何をしたいか」を問いかける

第4世代Apple TVを一通りテストしてきた。

見てきたように、第4世代Apple TVは「テレビの未来」に対するアップルなりの回答で、アップルはそのカギがアプリにあると宣言した。

何度も確認してきたように、今後Apple TVがこれまで以上の人気製品としてブレイクするかは、テレビ向けApp Storeのエコシステムをしっかり構築できるかどうかにかかっている。

一方で我々は、テレビのスマート化というテーマに関して、アップルとは異なるアプローチがあることも知っている。

たとえば、スマホやタブレットを主役に据え、テレビはそれを大きく表示するディスプレイと見なせば、ストリーミングなど必要最低限の性能を持たせたスティック型端末の優位性が際立つ。実際にChromecastなどを使って、アプリから「キャスト」する操作を試すと、その簡便さや価格の手頃さから「これで十分」と感じる方も多いだろう。

Googleのスティック型端末「Chromecast」。4,200円。最近米国では新モデルが発表された

また、テレビ自体のスマート機能がどんどん強化されていることも忘れてはならない。最近のテレビの多くはアプリがサクサク動くようになっているし、NETFLIXやHuluなど各種VODのアプリがあらかじめインストールされている。Apple TVでは今のところ見られないアクトビラやひかりTVなど、国内VODサービスも視聴できる。多種多様なアプリを使う必要がなければ、一つのリモコンですべて操作できるテレビの方がスマートとも言える。

第4世代 Apple TVは大変よくできた製品だが、今のところテレビのコンパニオンデバイスであって、それ以上の存在ではない。Siri Remoteの出来映えも素晴らしいが、結局はテレビのリモコンに加えて、もう一つ全く使い勝手の異なる、新しいリモコンが増えることになる。それを歓迎しない人も多いことだろう。

もっとも、アップルが今回のApple TVで、テレビ市場に対する攻勢を止めるはずはない。

世界一豊かな企業であるアップルにとってみれば、Apple TVは単価が安く、利幅が少ない商品だ。だからこそ、これまで同社はApple TVを、2,000万台という累計販売台数にも関わらず「ホビー」と位置づけてきた。だが今回、アップルがApple TVにこれだけのパワーを割いたのは、もはやApple TVが単なるホビーでは無くなったことを意味する。専用OSや専用App Storeを立ち上げ、継続的にメンテナンスするには、多くの労力とコストが必要だ。そこに足を踏み出したのは、今後の発展を見据えているからに他ならない。

想像を逞しくすると、今回のApple TVでテレビ向けApp Storeを盛り上げ、「それなしではいられない」状況を醸成した後、単価の高いテレビで利益を得るというシナリオも考えられる。もしくは長年噂されている、サブスクリプション型動画配信の布石かもしれない。こういった中長期的な視点に立つと、今回のApple TVは、アップルにとって文字通り今後を占う、大変重要な商品と言える。

あなたはテレビに対して何を求めているのか、何がしたいのか。第4世代Apple TVは、そんな問いを我々に突き付ける製品だ。

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