App StoreやSiri対応の実力とは
第4世代「Apple TV」レビュー。「テレビの未来はアプリ」は本当か?
■Apple TVは据え置き型ゲーム機の隙間をねらう?
Steelseries Nimbusの形状やボタン配置は、PS4やXboxのそれとよく似ている。アナログスティックが2つと十字キー、そしてA/B/X/Y、計4つの丸いボタンを備えている。さらにL1/L2、R1/R2ボタンも搭載する本格仕様だ。Apple TVとの接続はBluetoothで行う。
先ほど「Rayman」について、Siri Remoteでも楽しく遊べると紹介したが、やはり専用コントローラーを使うと、プレイの快適さは段違いだ。
率直に言って、Siri Remoteではシリアスなゲームを長時間プレイすることは難しい。カジュアルゲームを暇つぶし程度に遊ぶのが精一杯だろう。
だがNimbusを使うと、急にApple TVが立派なゲームコンソールとして感じられるようになる。まだこのコントローラーの性能をフルに活かせるゲームタイトルがほとんどないのが現状だが、ポテンシャルの高さは十分感じられた。
「Asphalt 8」もコントローラーに対応しているが、こちらはSiri Remoteの操作の方がしっくり来た。デベロッパーからしてみたら、どちらを優先させるかでゲームの作り方が変わってくる。コントローラーを決め打ちで作れるゲーム専用機との違いはこのあたりにありそうだ。
さて、Apple TVはちょっとしたゲーム機として十分使えることは確認できたが、少し冷静に考えてみたい。
Apple TVをゲーム機として捉えたら、ライバルはPS4やXbox Oneになるわけだが、ゲーム機としての性能も、タイトルラインナップも、両機には遙かに及ばない。普通にやっていては、シリアスゲーム市場で戦っても、まず勝ち目はない。一方カジュアルゲームで遊ぶだけなら、iPhoneやiPadでも十分。わざわざApple TVを使う理由に乏しい。
おそらくはその中間あたりを「フリー・トゥ・プレイ」(無料で始められ、アプリ内課金でマネタイズする)ゲームでねらうのが当面の戦略になるのだろうが、果たしてどこまで成功するだろうか。