HOME > レビュー > 第4世代「Apple TV」レビュー。「テレビの未来はアプリ」は本当か?

App StoreやSiri対応の実力とは

第4世代「Apple TV」レビュー。「テレビの未来はアプリ」は本当か?

公開日 2015/11/05 10:00 編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

HDMI CECを初めて採用。電源やボリューム連動が可能に

さて、第3世代Apple TVからの変更点で、地味ながら使い勝手の向上に大きく寄与するのがHDMI CECの採用だ。AVファンなら「いまさらHDMI CECって…」と思うかもしれないが、実は第3世代までのApple TVは、HDMI CECに対応していなかったのだ。

HDMI CECの「CEC」は「Consumer Electronics Control」の略称で、つまりはHDMIケーブルを使って、機器間制御を行うための規格。たとえばBDレコーダーを立ち上げるとテレビの電源が自動的に入り、入力が切り替わるといったことは、AVファンならずとも日常的に体験しているだろう。この一連の動作にHDMI CECが使われている。

HDMI CECは最近できた規格などではなく、10年近く前から存在しているものだ。この規格を使って、自社機器同士のリンクを強化し、ユーザーの囲い込みをねらうような動きも、かつては積極的に行われていた。

第4世代Apple TVはこのHDMI CECに対応したことで、Apple TVの電源を入れるとテレビの電源も連動してONになり、音量調整もHDMIを介して行えるようになった。今回のテストではApple TVをAVアンプに接続したが、AVアンプ側でHDMI CEC信号をパススルーしてテレビに送るため、Apple TVの電源ON → AVアンプとテレビが自動電源ON、という操作が可能になった。スリープ時にも同様に、テレビとAVアンプの電源が連動してOFFになる。

HDMI CECに対応したことで大変便利になったが、歴代Apple TVのユーザーからすると「どうしてもっと早く対応してくれなかったのか」と嘆きたくもなる。これまでAVアンプの電源を入れてセレクターを動かし、同時にテレビの電源も入れて入力を切り替え、その上でApple TVの電源をONにし…とやっていた時間を返して欲しい。というのは冗談にしても、それだけこの地味な進化は、実使用時の快適さを高めている。

設定画面に「ホーム・シアター・コントロール」という項目が追加された。音量コントロールはHDMI経由で行うこともできるし、赤外線でテレビやホームシアターシステムの音量を調整することもできる

4Kには非対応。理由はいくらでも思いつくが…

第4世代Apple TVは、プロセッサーに64ビットのA8チップを搭載している。これはiPhone 6と同じもので、A9やA9Xなどアップルの最新チップと比べると旧世代だが、第3世代機がA5を搭載していたことを思えば、かなりパワーアップしたといえる。

実際に表示はとてもスムーズで、全体的な操作感はキビキビしている。どのアプリを使っても、待たされる感覚はほとんどない。

そのほかの仕様は、HDMIはバージョン1.4。Wi-FiはIEEE 802.11acに対応している。イーサネットは10/100BASE-T対応。Bluetoothは 4.0に対応している。

一方、AVファンにとっては残念な仕様もある。第4世代Apple TVは4Kには非対応で、フルHDまでの対応となっているのだ。米国でも日本でも、大型のテレビは4Kが主流となっているこの時代に、不可解な選択と言わざるを得ない。

4K解像度には非対応だ

次ページいよいよセットアップ。iOS 9.1デバイスがあればラクラク設定?

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック:

音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー196号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.196
オーディオアクセサリー大全2025~2026
特別増刊
オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX

本ページからアフィリエイトプログラムによる収益を得ることがあります