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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第155回】今年もやります!「春のヘッドフォン祭2016」高橋敦の個人的ベスト5

公開日 2016/05/06 10:39 高橋 敦
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【ちょっと休憩】バランス駆動新端子とガチパイケース

さて、ここでいったんランキングから離脱して、他にちょっと気になったモノをいくつか紹介したい。

先日JEITA、電子情報技術産業協会が規格化した「ヘッドホン用バランス接続コネクタ5極4.4mmプラグ」の実物が展示されていた。

3.5mmや6.35mmと比べてずんぐりな印象。ということは径に対しての長さが短め。ということは丈夫でこの径にしてはコンパクト?

もちろん受けのジャックも展示されていた

誤解しての意見をお見かけすることもあるので、その点をまず確認しておくと、これは「こういう端子を新たに規格化しました」という話であって「今後はこの端子に統一します」という話ではない。現時点では「また新しい端子が増えやがった…」とも言える。しかしそれが少なからずの期待を集めている、その理由はいくつか想像できる。

まずは、電子情報技術産業協会という中立的な業界団体がしっかりと規格化したこと。その規格に合わせていけばその中での互換性はしっかり確保されるし、しがらみなく採用しやすいといったような大人の事情もあるかもしれない。そういった背景もあって「統一」への期待を持たせる雰囲気があるわけだ。

次に4.4mmというサイズ。「消去法でいくとたしかにそうなるな」という合理性は感じられる。既存の棒型端子とmmの一桁目が重なるようなサイズ感だと、字面も実物も見た目が紛らわしい。残るは4.Xmmか5.Xmmだ。ならば前者の方がコンパクトなのでそちらになる。

「ポータブル用としては大きすぎるのでは?バランス駆動対応機器の小型化の障害になるのでは?」という意見には、確かにその懸念は当然と思う。ただ個人的には、バランス駆動はいままでもこれからもマニア向けの機能と考えている。そして現状の「大型ポータブルプレーヤー」とか「二段重ねシステム」とかを見るに、本気のマニア層は小型軽量さをそれほど重視していないようにも感じている。

そもそもバランス駆動はシングルエンド駆動の倍近い規模のアンプ回路を必要とするわけで、形ばかりの対応ではなく本気でバランス駆動を実装すれば、何にせよある程度の大型化は不可避なのではないだろうか。そして小型機の体積が100から120になったらその違いは大きいが、大型機の体積が200から220になっても小型機の場合ほどには気にならない気がするのだ。

といっても実は、僕自身は現時点ではまだまだシングルエンド駆動を重視している立場。すでにバランス駆動を使い込んでいる、そちらを重視している方々の意見とは異なるかもしれない。そもそも「これが正解!」と簡単に答えが出る問題ならこんな厄介な状況になったりしなかったことだろう。なので賛否どちらにしても、こういったイベントやその他何かしら発信できる場で、ユーザーからもそれぞれの意見をメーカー等に伝えていってほしいと思う。

さて次に、そんな厄介な感じではなく、実物見て単純に「これいい!」と思えたのはクリプトンのラズパイケース。

こちらはクリプトンブースでの展示

デノンブースでも海上氏の「ラズパイオーディオリファレンス機」として活躍

こちらは、

海上忍のラズパイ・オーディオ通信(2)
Raspberry Pi で自作する「ラズパイオーディオ」。音質をあのメーカーに聴いてもらった!


・・・をきっかけに製作されたもの。他のイベントですでに見かけていた方もいらっしゃるだろうが、僕は実物を今回初めて見た。

天板と底面は振動を素早く自然に減衰させる「ネオフェード・カーボンマトリクス」、側面はステンレスだ。「手作り試作なので仕上げは荒い」とのことだが、僕としては溶接跡がそのままだったりするところに「これはこれでかっこいい」と思ってしまう…

通常の製品化を想定したものではなく、あるとしても少数限定になるだろうとのことだが、期待しておきたい。

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