HOME > レビュー > アクティブ、パッシブ、裸眼 − 複数方式が並び立つ3Dテレビのゆくえ

アクティブ、パッシブ、裸眼 − 複数方式が並び立つ3Dテレビのゆくえ

公開日 2011/03/25 15:32 編集部:風間雄介
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■ほとんどの国内メーカーが推進するアクティブ方式

念のため、アクティブ方式についておさらいしてみよう。

テレビ側では、左眼用と右眼用の映像を順番に表示。それぞれの表示タイミングに合わせ、同期信号を使ってメガネの左眼/右眼の液晶シャッターを開閉させることで、左眼と右眼に別の映像を見せる。これを高速に繰り返すことで、脳に立体映像として知覚させることができる。左眼用と右眼用の映像が連続するため「フレームシーケンシャル」方式と呼ばれる。

この方法のメリットは、時間軸上で映像を変化させることで立体視を得るため、パネル解像度のスペックをそのまま活かせること。フルHDパネルであれば、フルHD 3Dの映像が実現できることになる。

もちろんアクティブ方式にも課題はある。表示タイミングと液晶シャッターの開閉をうまく調整しないと、片側の眼に見せるべき映像がもう片側の目に届く「クロストーク」が起き、違和感が生じてしまう。これが起きないようにすると、今度はシャッターを閉じたり、バックライトを消灯(液晶の場合)している時間が長くなり、画面の明るさが不足しがちになる。

クロストークを防ぐために各社が様々な試みを行っている。図はパナソニックが2011年のプラズマテレビに搭載した適応型クロストークキャンセラ−

ほかに、照明やコンテンツ、パネルの種類によってはフリッカーが発生することもあるし、パッシブ方式に比べて画面が暗くなってしまうというのも確かだ。

コスト面での課題もある。液晶テレビを例に取ると、最近では120Hz駆動のパネルで3Dを実現するテレビも登場してきたが、クロストークなどの観点から、まだ240Hz駆動パネルが主流。このためパネルコストが高くなりがちだ。

また、後述するパッシブ方式に比べてメガネが高価であったり、電源が必要のため重くなりがち、といった課題も指摘されている。

■東芝は裸眼3Dテレビを積極的に推進

薄型テレビの3D表示がアクティブシャッター方式で統一されるのかと多くのAVファンが思ったところに、まったく違う方法を提案してきたのが東芝。昨年末に、20V型と12V型の“グラスレス3Dテレビ”を発売した。

次ページ40V型以上の裸眼3Dテレビが年度内に登場

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE