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アクティブ、パッシブ、裸眼 − 複数方式が並び立つ3Dテレビのゆくえ

公開日 2011/03/25 15:32 編集部:風間雄介
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東芝が発売した昨年末に発売した裸眼3Dテレビは、平行四辺形の画素形状と垂直レンチキュラーシートを組み合わせた方法を採用。多視点の映像を同時に映し出方法により裸眼立体視を実現している。視点の数は9視点とされている。

20V型の「20GL1」の画素数は1,280×800だが、横9個×縦3色のサブピクセルで1画素を構成しているため、サブピクセル数は単純計算で約2,765万となる。

これに対して、フルHDの4倍であるQHD映像の場合、画素数は3,840×2,160だが、1画素を構成するサブピクセルはRGBの3つなので、サブピクセルの総数は約2,488万となる。20GL1が非常に精細度の高いパネルを採用していることがわかる。

東芝はさらに裸眼3Dシフトへ、アクセルを強く踏みこむ。今年1月のCESで、2011年度に40V型以上の「大画面グラスレス3Dテレビ」を発売すると発表したのだ。4K2Kのパネルを採用し、レンチキュラーレンズを使った裸眼3Dを実現するという。

東芝の“グラスレス3Dテレビ”「20GL1」

東芝が今年1月のCESで公開した56V型の裸眼3Dテレビ試作機

この発売予定の大画面裸眼3Dテレビで特筆すべきは、裸眼3Dモードと2Dモードの切り替えが可能ということ。しかも2D表示が4K2Kで行えると説明しており、裸眼3Dとの両立をどのような技術で実現しているのか、大変興味深いところだ。

なお4K2Kの2D表示は、テレビ発売当初は映像ソースがないため、基本的にはフルHD映像をアップコンしたものを採用することになるという。

この裸眼3Dテレビがどのような商品になるのか、現時点では情報が少なすぎるため予測するのは難しいが、一つ指摘しておきたいのは、裸眼3Dとアクティブ方式が、必ずしも排他的な関係にないことだ。

2D表示が高精細に行え、パネルの書き換えスピードがある程度速ければ、フレームシーケンシャル方式の3D映像を表示させることはできる。裸眼3Dとアクティブ方式、両方の3D映像に対応した製品を開発することは十分可能だろう。

ただし両方式に対応させると商品コンセプトがブレてしまうし、消費者を混乱させることも考えられる。技術的には可能であっても、実際の商品を両方式に対応させるかは別の話だ。

なお中〜大型の裸眼3Dディスプレイでは、ソニーも今年1月のCESに、3種類の試作機を展示して注目を集めた(関連ニュース)。会場で同社は「量産化のしやすさなども念頭に、色々な方式やサイズを開発して研究している段階」と説明していた。技術がある程度成熟した段階で、ソニーが裸眼3Dテレビを投入する可能性は高い。

■世界ではパッシブ方式を推進するメーカーが増えている

国内市場ではアクティブシャッター方式が圧倒的な多数派で、それに裸眼3Dが揺さぶりをかけているという構図だが、世界を見渡すと様子がかなり変わってくる。パッシブ方式の3Dテレビを採用するメーカーが徐々に増えているのだ。

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