公開日 2015/09/05 16:29
<IFA>“最高画質”を実現した世界初の4Kスマホ −「Xperia Z5 Premium」開発者インタビュー
<山本敦のAV進化論 第68回>
ソニーがIFA2015で、スマートフォンXperiaシリーズの“最上位機”となる、4Kディスプレイ搭載の「Xperia Z5 Premium」を発表した。Xperiaとしてだけでなく、スマートフォンとして初めて4Kディスプレイを採用する本機は、今年ソニーがIFAで出展した新製品の中で最もエッジの効いた商品のひとつだ。今回は本機の4Kディスプレイまわりの技術に注目しながら、ソニーモバイルコミュニケーションズで製品開発に携わった板倉氏、高野氏に製品の特徴を語っていただいた。
板倉氏はXperia Z5 Premiumの商品企画を、高野氏はXperia Z5シリーズの3機種に搭載されたカメラの設計を担当している。なお一部にIFA2015の会場で実施された、ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)の商品企画 統括部長 伊藤博史氏によるラウンドテーブルのコメントも加えている。
■4Kアップスケーリングなど“ブラビア”の技術を注入
まず、新Xperiaシリーズの最上位機に、なぜいまのタイミングで4Kが採用されることになったのだろうか。商品企画 統括部長の伊藤氏は次のように説明している。
「4Kを搭載した背景には大きくふたつの理由があります。ソニーはスマホで楽しめるコンテンツも制作しているメーカーですが、映像コンテンツのトレンドが徐々に4Kへシフトしていく中、高精細な4K映像をスマホでもきちんと見られるようにしたいと常日頃から考え、タイミングを計ってきました。Xperia Z2から本体カメラで4K動画の撮影が可能になったので、『4Kで撮って4Kで見られる』ようにするためも、いかに画質とスタミナ性能を保証できるかというところでの検討も繰り返してきました」。
「やがて技術が良い形で熟成されてきた頃から、Xperia Z5 Premiumの構想が立ち上がりました。元にはブラビアの4K高画質技術があり、これをスマホに最適化することが目標となりました。パネルの解像度が上がったぶん、消費電力が上がる問題も解決し、Z5/Z5 Compactと同じ2日間のスタミナ性能を確保することもできるようになったタイミングがまさに今でした」(伊藤氏)
4K映像の技術進化については、ブラビアやハンディカムなど、ソニーのAV機器が連携しながら築いてきた「4Kワールド」の中に、いち早くXperiaを組み込みたいという思いが開発担当者たちの中にはあったようだ。その上でソニーとして4K対応のディスプレイなど、コアとなるモジュールが充実してきたときに、全体のプラットフォームへ速やかに組み込んでいけるよう、早くから検証を進めてきたという。その結果、デバイスメーカーからいち早く部品を調達でき、量産化の体制を敷くことに成功。世界初の4Kディスプレイ搭載スマートフォンの誕生が実現した。
Xperia Z5 Premiumではどんな4K映像が楽しめるのだろうか。例えばソニーの4K対応“アクションカム”「FDR-X1000V」で撮影した動画のように、元のコンテンツが4Kである場合はネイティブ4K表示処理ができる。4Kネイティブではない動画を表示する場合は、画素補間による4Kアップスケーリング処理を行って表示するだけでなく、パネルを低い電力消費で駆動させるため、ダブラーで映像を処理して4K出力するケースもある。
動画コンテンツは超解像技術「X-Reality for mobile」によりアップスケーリング処理が行われるが、静止画のネイティブ4K表示の動作確認ができているのはソニー純正の「アルバム」アプリだけになる。ほかのビュワーアプリ、または電子書籍やブラウザの画面については基本的にダブラー処理した4K表示となる。ネイティブ4K表示処理は動画や高精細写真などの場面に絞り込むことで電力消費を抑え、Z5やZ5 Compactと同じバッテリーの連続駆動時間「約2日間」というスタミナを実現した。
4Kアプコンエンジンの名称は従来通り「X-Reality for mobile」を継承。4K対応になったことで、頭に「4K」が付くなどといったことはない。鮮やかな色再現を特徴とする「トリルミナスディスプレイ for mobile」、青色のLEDチップに赤と緑の蛍光体を組み合わせて色の3原色を揃え、より正確で自然な色彩感を再現する「Live Colour LED」のLEDバックライト技術もZ2から踏襲する。
板倉氏はXperia Z5 Premiumの商品企画を、高野氏はXperia Z5シリーズの3機種に搭載されたカメラの設計を担当している。なお一部にIFA2015の会場で実施された、ソニーモバイルコミュニケーションズ(株)の商品企画 統括部長 伊藤博史氏によるラウンドテーブルのコメントも加えている。
■4Kアップスケーリングなど“ブラビア”の技術を注入
まず、新Xperiaシリーズの最上位機に、なぜいまのタイミングで4Kが採用されることになったのだろうか。商品企画 統括部長の伊藤氏は次のように説明している。
「4Kを搭載した背景には大きくふたつの理由があります。ソニーはスマホで楽しめるコンテンツも制作しているメーカーですが、映像コンテンツのトレンドが徐々に4Kへシフトしていく中、高精細な4K映像をスマホでもきちんと見られるようにしたいと常日頃から考え、タイミングを計ってきました。Xperia Z2から本体カメラで4K動画の撮影が可能になったので、『4Kで撮って4Kで見られる』ようにするためも、いかに画質とスタミナ性能を保証できるかというところでの検討も繰り返してきました」。
「やがて技術が良い形で熟成されてきた頃から、Xperia Z5 Premiumの構想が立ち上がりました。元にはブラビアの4K高画質技術があり、これをスマホに最適化することが目標となりました。パネルの解像度が上がったぶん、消費電力が上がる問題も解決し、Z5/Z5 Compactと同じ2日間のスタミナ性能を確保することもできるようになったタイミングがまさに今でした」(伊藤氏)
4K映像の技術進化については、ブラビアやハンディカムなど、ソニーのAV機器が連携しながら築いてきた「4Kワールド」の中に、いち早くXperiaを組み込みたいという思いが開発担当者たちの中にはあったようだ。その上でソニーとして4K対応のディスプレイなど、コアとなるモジュールが充実してきたときに、全体のプラットフォームへ速やかに組み込んでいけるよう、早くから検証を進めてきたという。その結果、デバイスメーカーからいち早く部品を調達でき、量産化の体制を敷くことに成功。世界初の4Kディスプレイ搭載スマートフォンの誕生が実現した。
Xperia Z5 Premiumではどんな4K映像が楽しめるのだろうか。例えばソニーの4K対応“アクションカム”「FDR-X1000V」で撮影した動画のように、元のコンテンツが4Kである場合はネイティブ4K表示処理ができる。4Kネイティブではない動画を表示する場合は、画素補間による4Kアップスケーリング処理を行って表示するだけでなく、パネルを低い電力消費で駆動させるため、ダブラーで映像を処理して4K出力するケースもある。
動画コンテンツは超解像技術「X-Reality for mobile」によりアップスケーリング処理が行われるが、静止画のネイティブ4K表示の動作確認ができているのはソニー純正の「アルバム」アプリだけになる。ほかのビュワーアプリ、または電子書籍やブラウザの画面については基本的にダブラー処理した4K表示となる。ネイティブ4K表示処理は動画や高精細写真などの場面に絞り込むことで電力消費を抑え、Z5やZ5 Compactと同じバッテリーの連続駆動時間「約2日間」というスタミナを実現した。
4Kアプコンエンジンの名称は従来通り「X-Reality for mobile」を継承。4K対応になったことで、頭に「4K」が付くなどといったことはない。鮮やかな色再現を特徴とする「トリルミナスディスプレイ for mobile」、青色のLEDチップに赤と緑の蛍光体を組み合わせて色の3原色を揃え、より正確で自然な色彩感を再現する「Live Colour LED」のLEDバックライト技術もZ2から踏襲する。
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