• ブランド
    特設サイト
公開日 2015/12/26 11:22

JH Audio ジェリー・ハービー氏が語る新イヤホン「Siren Series」の“革新と継承”

開発思想や今後の展開も明らかに
山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
去る週末、師走の秋葉原が「ポタフェス2015」で賑わった。イベントで発表された製品の中でもひときわ注目を浴びた製品は、JH AudioとAstell&Kernのコラボによる「Siren Series」の新ユニバーサルインイヤーモニター4モデルだった。

JH AudioとAstell&Kernがコラボした「Siren Series」の新モデル。4機種全てが“FULL METAL JACKET”と名付けられた金属削り出しハウジングを採用している

アユートのブースでは新製品のワールドプレミア発表会が催され、大勢の来場者が詰めかけた。今回は新製品紹介のために来日した、ブランドの創始者であるジェリー・ハービー氏にお会いして、4モデルに関するちょっと深い話を伺うことができた。ハービー氏はどんな思いを込めて4つのニューフェイスを作り上げたのだろうか?

JH Audio ジェリー・ハービー氏

なお4つの新製品とは、既存のSiren Seriesの3機種をアップデートした「Layla II」「Angie II」「Roxanne II」、ならびに全くの新製品である「Rosie」だ。各製品の詳しい特徴については、Phile-webの発表会レポートを通読すればよくわかると思うので、併せてチェックして欲しい。

ボディを大胆にフルメタル化。なのになぜ音のキャラクターが変わらない?

−− 今回、このタイミングで「Siren Series」をアップデートし、さらに新製品も追加した狙いを聞かせて下さい。

ジェリー・ハービー氏(以下:JH):その質問に対して正確に答えるためには、今回発売する製品を個別に詳しく説明する必要があります。まず型番に「II」を冠する製品は、既存モデルからの単純なマイナーチェンジでも、“MK2”として完全に音を変えてしまったイヤホンでもありません。多くのユーザーに支持されているJH Audioのシグネチャーサウンドはそのままに、特殊金属によるフルメタルボディという新しい試みを盛り込んで、ルックスもよりセクシーにリフレッシュしました。

筐体は「フルメタル化」を追求しています。例えば前の「Layla」は本体の素材にカーボンファイバーのシェルとアクリルのノズルを使っていましたが、「Layla II」はシェルとノズルを削り出しのチタニウム合金としています。おそらくイヤホンとして非常に珍しい試みだと思います。ノズルの中に埋め込んだ3本の「STEEL Tube Wave Guide」はステンレス合金、フェイスプレートの素材はカーボンファイバーです。

LAYLA II(左)とAngie II(右)。ドライバーは新設計だが、搭載数や構成はどちらも従来モデルと同じだ

「Layla」はシリーズの最上位機種ですが、本機と「Angie」についてはオーディオ特性を変えたくありませんでした。なので新しいドライバーを使用していますが、ドライバーの構成や周波数特性も以前のモデルと同じです。どちらのモデルも私が理想とするサウンドを再現していたし、特に「Layla」をこれ以上いい音にはできないと思っています。ただ、フルメタルのボディになったことで、低域を中心とした制振性は一段と高まったかもしれません。

「Roxanne」の本体素材はアクリルのシェルとノズル、カーボンファイバーのフェイスプレートという構成でしたが、新製品では削り出しのアルミをマットブラックに彩色したシェルに、同じくアルミ製のノズルにステンレス合金の「STEEL Tube Wave Guide」を搭載しています。本機についてはサウンドのチューニングに手を入れました。高域を「Layla」のフレーバーに寄せて、よりクリアなチューニングにしています。でも、前のモデルで好評だったロックなテイストは変えていません。

Roxanne II。Roxanne IIは搭載ドライバーも構成も従来機と同じだが、音質チューニングを変更。高域をLAYLA寄りのチューニングに変更したという

−− これだけ本体の素材を変更したら、音も大きく変わってしまうのではないでしょうか?

JH:ところが「Roxanne II」についてもドライバー構成は前のモデルと同じで、周波数特性も大きく変更していません。ただ、本機もシェルをメタル素材として強靱になったので、低域を中心とした制動力はかなり上がっているはずです。「Layla」のように繊細な高域の再現力と、すごく微細な変化ですが低域はよりソリッドにして、ダブつきを抑えています。

−− ニューフェースとして加わった「Rosie」はいかがですか。

ROSIE。JH AudioのカスタムIEM「JH13 PRO」をベースに新しく誕生した。LAYLAの高域とRoxanneの低域を合わせ持ったようなサウンドだという

JH:本機については、シリーズの上位機種と同じテイストを持った、より手頃な価格のイヤホンをつくりたいという思いから開発がスタートしました。ベースになったのは「JH 13PRO」というカスタムIEMです。

Rosieは新しく開発したドライバー6基による3ウェイ構成で、特に低域は「JH 13PRO」よりもさらに強化されていますが、シリーズの他の機種と同じく低域のフレーバーを調整できる「Adjustable Bass」を乗せることで、フラットバランスから迫力ある低音まで変化を付けられます。ミッドレンジをマスクしてしまうことのない、透明な低域が持ち味です。航空機グレードのアルミを切削してつくったシェルとノズルをマットブラックに彩色して、フェイスプレートのベゼルには銅メッキ処理をかけています。もちろん「STEEL Tube Wave Guide」の素材はステンレス合金です。

次ページ実はケーブルにも変更点があった

1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
3 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
4 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
5 楽天大感謝祭、明日12/19 20時からスタート。最大半額クーポン事前配布中
6 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
7 AUREXのBluetooth対応CDラジオ、楽天で20%ポイント還元中!
8 連載:世界のオーディオブランドを知る(3)日本発ブランドの象徴「デノン」の歴史を紐解く
9 丁寧な画質と快適な設置性!ボトル型モバイルプロジェクターJMGO「PicoFlix」を使いこなす
10 BenQ、ノングレアIPSパネル搭載のプログラミング向け31.5型4Kモニター「RD320U」
12/19 12:00 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX