• ブランド
    特設サイト
公開日 2016/07/14 11:45

「マニア以外にもハイエンドな音を」。高コスパで注目、新鋭イヤホンブランド「1more」幹部に聞く

Foxconnから独立、その思想と技術とは?
編集部:小野佳希
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
元Foxconnのスタッフたちによって創業され、2BA+1ダイナミックのハイブリッドドライバー構成でハイレゾにも対応する「E1001」などを展開する中国の新鋭ブランド「1more(ワンモア)」。ファイル・ウェブでは同社の幹部を直撃し話を訊いた。

今回話を訊いたOversea BU DirectorのPatrice Chen氏

■「プレミアムなブランドになりたいわけではない」 − その真意は?

1moreは、上記のように元Foxconnのスタッフたちによって創業されたブランド。フォックスコンのグループ会社のなかで最も若く社長になったGary Hsieh氏らによって創立された。2013年にGary Hsieh氏がフォックスコンを離れる際に、以前から知り合いだったシャオミの社長から声をかけられて出資を受け、シャオミ製テレビやスマートフォンなどの周辺機器開発から1moreがスタートした。

現在の日本でのラインナップの最上位機「E1001」

今回話を聞いたPatrice Chen氏は、数々の世界的なトップ企業のOEMに関わってきたフォックスコン時代のノウハウが1moreのベースにあるとコメント。「我々は世界最高峰の技術を持っている」と胸を張る。

なお、ブランド名は「どんなに最高の製品でも『もっとよくなる余地が必ずあるはず』『もっとできる』という思い」を込めて「ワンモア」という言葉をチョイス。「他ブランドと一覧で並んだ際に数字の『1』が一番最初にくるため目立てるし、キャッチーで覚えてもらいやすい(笑)」という狙いもあったという。

そしてChen氏は、BAドライバーを独自開発して特許も取得していることなどに触れ、「1moreはアコースティック技術に優れた会社だ」とコメント。「素材から全部内製できる体制を整えて最高のものを作ろうとしているし、工場も自社工場だから厳しく品質を管理できる」と語る。

一方で、例えば前述の「E1001」は3基のドライバーをハイブリッドで搭載していても13,820円(税込)、「Piston Classic」も金属素材を採用しながら3,000円以下と、同社製品はスペックに対して比較的リーズナブルな価格で展開している。この点については、より多くの人に良い音を届けたいという想いが根底にあるという。

E1001は2BA+1ダイナミックの3ドライバー構成。BAドライバーも自社で開発したもの

「我々は高級ヘッドホンでプレミアムなブランドになりたいわけではない」とChen氏は語り、「熱心なマニア層以外の一般ユーザーでも現在のハイエンド製品のレベルの音を楽しめるような状況を作りたいと思っている」と同社の理念を説明してくれた。

現在の市場状況(左側の図)を1moreは塗り替えたいという

ただし比較的安価な製品展開でも、様々なアワードを受賞していることも紹介。創立から約2年と若いブランドながら多くの評価を集めていることもアピールする。

すでに海外でいくつかのアワードを受賞している

なお同社は現在アメリカ、イギリス、台湾にオフィスを展開し、今後は特に日本と韓国市場に注力していく考えだとのこと。海外では、読者からの購読料だけで運営し広告費に一切頼らないレビューサイト「Consumer Reports」でも高評価を集めているという。

日本市場については、「正直なところ、まだあまりよく知っているわけではない」としつつも、「例えば本体色を赤にする場合、他国ではビビッドなカラーリングが好まれるが日本ではそうではないなど、特異な市場で他国と違うところが多い」とコメント。

「ただ、いい商品は絶対にユーザーは分かってくれるのは世界的に共通している。品質だけでなく価格も含めてすべてが優れていれば、日本のユーザーはきっと分かってくれると思うし、実際にパッケージまで含めてワンランク上の製品をお届けできるように気を配っている」と語った。なお現在はe☆イヤホンが先行して1more製品を展開しているが、販路も順次拡張していきたいという。

クマが同社のマスコットキャラ的な存在。ちなみに写真の等身大(?)ぬいぐるみは初めて海を渡ったそうだ

ここで記者は、日本のオーディオファンにはリモコンマイク無しのモデルのほうが人気が高い傾向にあることなどをChen氏に説明。マニア層に向けた超ハイエンドなフラグシップ機のようなモデル展開予定はないのかも質問してみたところ、「実はそうしたモデルも考えている」という言葉を聞くこともできた。

そしてChen氏は「まだ若いブランドだが、ヘッドホンを作る経験は非常に長い経験を持っているし、いい製品をつくる根気ももっている」と改めてコメント。「日本のヘッドホンファンに、ぜひ1more製品で音楽を楽しんでもらいたい」と語った。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 マランツ、未踏の領域へ。「次元が異なる」弩級フラグシップコンビ「MODEL 10」「SACD 10」レビュー!
2 JBL、楽天ブラックフライデーで人気完全ワイヤレスやサウンドバーが最大36%オフ。11/21 17時より
3 DAZN、登録なしで一部コンテンツを無料視聴できる新機能。11月導入予定
4 松村北斗と上白石萌音のW主演!PMSとパニック障害を抱える男女のかけがえのない物語
5 Sonos、ブランド初のプロ向けスピーカー「Era 100 Pro」発表。PoE採用で自由かつ簡単な設置を実現
6 妥協なきデノン “もうひとつの旗艦AVアンプ”。「AVC-A10H」がデノンサラウンドアンプのあらたな一章を告げる
7 iBasso Audio、初エントリーライン「iBasso Jr.」からポータブルDAC/アンプとイヤホンを発売
8 ケーブル接続の「バランス/アンバランス」ってつまり何?
9 ビクター“nearphones”「HA-NP1T」速攻レビュー! イヤーカフ型ながら聴きイヤホンを女性ライターが使ってみた
10 ビクター、実売5000円以下の完全ワイヤレス「HA-A6T」。耳にフィットしやすいラウンド型ボディ
11/18 10:32 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX