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公開日 2018/07/26 08:00

Bluetooth “第3のハイレゾ級規格”「HWA」本格展開は秋から! ファーウェイ担当者が詳細を語った

<山本敦のAV進化論 第164回>
山本 敦
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以前、本連載でBluetoothオーディオの新たな高音質化技術「HWA=High-Res Wireless Audio」を紹介した。日本でもファーウェイからHWAに対応した初のデバイス、スマートフォン「P20 Pro」「P20」が発売されたが、HWAのテクノロジーそのものについてはベールに包まれている部分が多い。


今回はファーウェイでオーディオ関連のソリューションを担当するJohn Wu氏と、台湾の半導体メーカーSAVITECH(サビテック)のFS Chang氏に、HWAに関する疑問を直接ぶつけてみた。

HWAの最新事情をうかがったHuawei DeviceのJohn Wu氏(左)とSavitechのFS Chang氏(右)

次世代のスタンダードを目指す高音質化技術

最初に前回のレポートで報告したHWAのポイントから振り返るが、その前にまずは訂正したいことがある。

HWAはサビテックが開発したBluetoothのオーディオコーデック「LHDC(Low latency and High-Definition audio Codec)」の発展形であるかのような説明をしたが、正確にはHWAは、LHDCコーデックを核とし、Bluetoothオーディオで高音質再生を実現するためのシステムデザインと、その認証プログラムを含めた総称であることがわかった。また「P20 Lite」についてはHWA非対応で、現在のところファームウェア更新などによる対応も予定していないそうだ。それぞれお詫びして訂正したい。

さて、ファーウェイは今年3月にパリで開催した「P20」の発表会で初めてHWAを発表したわけだが、その後もHWAの標準化を着実に推進しているようだ。既にウェブサイトが立ち上がっている「HWAフォーラム」は、Wu氏やChang氏が中心となり、様々なパートナーを巻き込みつつある。

ファーウェイ「P20」

彼らの活動にいち早く支持を表明したパートナーがオンキヨー&パイオニア、ティアック、ゼンハイザーなどのオーディオブランドだったり、あるいはAKMやシーラスロジックのような半導体メーカー、その他多くのオーディオに関連するサービスやソリューションを提供する企業である。現在サイトには多くのパートナー企業が紹介されているが、その後もアップデートが続いているようだ。

さらにファーウェイは現在、HWAを、中華人民共和国工業情報化部(MIIT)内の行政機関に位置付けられるChina Audio Industrial Association(CAIA)を通し、次世代高音質技術のグローバルスタンダードにするプロモーション活動に力を入れている。Wu氏は今秋にHWAフォーラムを正式に立ち上げることや、パートナーに対するHWAに関する技術文書の提供を本格化すると説明する。

HWAのコア技術であるLHDCの特徴は、最大96kHz/24bitまでのハイレゾに相当する情報量を維持したまま、BluetoothのA2DPプロファイルに則った技術によって、ワイヤレス音楽再生できることにある。

最もベーシックなオーディオコーデックであるSBCに比べると、最大転送ビットレートは約3倍にあたる約900kbpsに達する。再生するにはスマホやオーディオプレーヤーなど送り出し側の機器と、ヘッドホン・イヤホンにスピーカーなど、レシーバー機器の双方がHWA対応でなければならない。

Wu氏によると、今はまだHWA対応レシーバー機器が商品化されていないが、今年後半にはHWAフォーラムに参加しているオーディオブランドからHWA対応のヘッドホンやイヤホンが発表される可能性があるようだ。

今回、筆者がWu氏とChang氏に会った際、二人が持参していたHWA対応イヤホンのプロトタイプをHuawei P20 Proに接続し、試聴することができた。

次ページ正式な商品登場が待ち遠しい!

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