公開日 2018/11/16 07:00
参入3年目、これから「Fenderのイヤホン」が向かう場所とは?
「Pro IEMシリーズ」開発の裏側
Fenderから、プロフェッショナル向けインイヤーモニターとして「Pro IEMシリーズ」が登場する(関連ニュース)。ミュージシャンだけでなく、サウンドエンジニアや音楽プロデューサーなどから様々な意見を集め、そこから得た着想を元に完成させたという本シリーズでは、従来の「FXAシリーズ」とは異なる新たな独自技術も多数採用し、プロ向け製品として大きく進化させたという。
本記事では、プレス向け製品発表会に登壇した、フェンダーのアジア担当セールス責任者であるチャーン・ウェイ・マー氏にインタビュー。「Pro IEMシリーズ」で投入された新技術の詳細から、市場参入から3年目となるFenderイヤホンのこれまでと現在、そして今後の展望について詳しく話を伺った。
■Pro IEMシリーズ開発は「市場にまだないスーパーカーのような製品を目指した」
ーー フェンダーのイヤホン開発チームの前身はAurisonicsでしたが、Aurisonics時代と比べて市場の声はどう変化しましたか?
チャーン・ウェイ・マー氏(以下、マー氏) まず、フェンダーというブランドのおかげで、これまでよりもさらに幅広い層にアピールすることができ、より多くの方々の声を得ることができました。このことから、様々な方にもっとフェンダーのイヤホンを届けられるよう、製品ラインナップをハイエンドモデルからさらにカジュアルモデルまで広げるような開発を行うようになりました。
また、フェンダーユーザーの方々はライフスタイルにかなり気を配っていて、ブランドイメージにもこだわりを持っている方が多くいらっしゃるので、それに応えられるよう、我々もイヤホンの外観デザインにさらにこだわるようになりました。小売店での展開イメージを想定して、パッケージの改良も行いました。これは“FXAシリーズ”の頃からはもちろん、今回の新シリーズについても同様にこだわっています。
ーー フェンダーブランドでイヤホンを販売してから約3年が経とうとしていますが、市場での反応はどうでしょうか?
マー氏 反応は非常に良く、フェンダーとしてイヤホン市場に参入してから2桁の成長を遂げました。こうした現状も踏まえて、そろそろさらに良い製品を出す時が来たのではないかと考え、今回発表した“Pro IEMシリーズ”を開発しました。
ーー 従来の“FXAシリーズ”とは別に、“Pro IEMシリーズ”として新たなライン展開としたのは何故でしょうか?
マー氏 フェンダーブランドでイヤホン販売を始めてから、我々も様々な経験を積んできて、“Pro IEMシリーズ”ではその経験を反映させた新しいイヤホンとして展開しました。
今回のシリーズでは、内部から完全に新規設計して、ダイナミックドライバーの振動板も新しいものを開発しました。さらに耐久性を高めるため、イヤホン側端子はMMCXから2pinへと変更しています。
また、外観もFXAシリーズから改良して、フェンダーブランドを思わせるギターのような仕上げにこだわりました。この表面仕上げのペイントは、フェンダーのギターのカスタムショップがあるコロナ工場で開発されたもので、それを米テネシー州ナッシュビルの「FENDER AUDIO DESIGN LAB」での開発に採用しています。パッケージもハイエンドモデルにふさわしいデザインを検討し、今回のものを採用しました。
ーー 新製品は「Nine 1」と「Nine」、「Ten 5」と「Ten 3」、そして「Thirteen 6」の3種類に大きく分かれるように見えます。それぞれどのようなユーザーをターゲットにしたものでしょうか?
マー氏 まず新製品のネーミングは、ダイナミックドライバーの口径の大きさとBAドライバーの数を意味しています。
「Nine」はφ9.25mmダイナミックドライバーをシングル搭載したもので、ナッシュビルで設計されていますが、本機のみ中国で生産されています。これは「FXA2」の後継とも言うべきもので、Shureの「SE215」を意識しつつ、価格帯はその約半分程度に抑えました。「Nine 1」は同様のダイナミックドライバー1基に加えて、BAドライバーも1基搭載したイヤホンで、より良い音質を求めるカジュアルユーザーに向けて開発しました。
「Ten 3」と「Ten 5」は主にミュージシャンに向けたイヤーモニターです。音楽プロデューサーやエンジニアにも是非使用してもらいたいモデルです。特にTen 5は、ニュートラルでフラットなチューニングが施されていて、とてもバランス良く仕上がっていますので、無機質な音にならないよう注意しながら、より解析的で音楽を正しく聴く用途に向いています。実際、友人のプロデューサーにも聴いてもらって、同意してもらいました。もちろんオーディオファイルにも向いていますよ。
Ten 3はもう少しロックやポップにフォーカスして、低域を少し増強しています。またTen 5よりも求めやすい価格に設定しておりますので、高い音質を求めたいけれど予算を抑えたいという要望にも合うと思っています。
本記事では、プレス向け製品発表会に登壇した、フェンダーのアジア担当セールス責任者であるチャーン・ウェイ・マー氏にインタビュー。「Pro IEMシリーズ」で投入された新技術の詳細から、市場参入から3年目となるFenderイヤホンのこれまでと現在、そして今後の展望について詳しく話を伺った。
■Pro IEMシリーズ開発は「市場にまだないスーパーカーのような製品を目指した」
ーー フェンダーのイヤホン開発チームの前身はAurisonicsでしたが、Aurisonics時代と比べて市場の声はどう変化しましたか?
チャーン・ウェイ・マー氏(以下、マー氏) まず、フェンダーというブランドのおかげで、これまでよりもさらに幅広い層にアピールすることができ、より多くの方々の声を得ることができました。このことから、様々な方にもっとフェンダーのイヤホンを届けられるよう、製品ラインナップをハイエンドモデルからさらにカジュアルモデルまで広げるような開発を行うようになりました。
また、フェンダーユーザーの方々はライフスタイルにかなり気を配っていて、ブランドイメージにもこだわりを持っている方が多くいらっしゃるので、それに応えられるよう、我々もイヤホンの外観デザインにさらにこだわるようになりました。小売店での展開イメージを想定して、パッケージの改良も行いました。これは“FXAシリーズ”の頃からはもちろん、今回の新シリーズについても同様にこだわっています。
ーー フェンダーブランドでイヤホンを販売してから約3年が経とうとしていますが、市場での反応はどうでしょうか?
マー氏 反応は非常に良く、フェンダーとしてイヤホン市場に参入してから2桁の成長を遂げました。こうした現状も踏まえて、そろそろさらに良い製品を出す時が来たのではないかと考え、今回発表した“Pro IEMシリーズ”を開発しました。
ーー 従来の“FXAシリーズ”とは別に、“Pro IEMシリーズ”として新たなライン展開としたのは何故でしょうか?
マー氏 フェンダーブランドでイヤホン販売を始めてから、我々も様々な経験を積んできて、“Pro IEMシリーズ”ではその経験を反映させた新しいイヤホンとして展開しました。
今回のシリーズでは、内部から完全に新規設計して、ダイナミックドライバーの振動板も新しいものを開発しました。さらに耐久性を高めるため、イヤホン側端子はMMCXから2pinへと変更しています。
また、外観もFXAシリーズから改良して、フェンダーブランドを思わせるギターのような仕上げにこだわりました。この表面仕上げのペイントは、フェンダーのギターのカスタムショップがあるコロナ工場で開発されたもので、それを米テネシー州ナッシュビルの「FENDER AUDIO DESIGN LAB」での開発に採用しています。パッケージもハイエンドモデルにふさわしいデザインを検討し、今回のものを採用しました。
ーー 新製品は「Nine 1」と「Nine」、「Ten 5」と「Ten 3」、そして「Thirteen 6」の3種類に大きく分かれるように見えます。それぞれどのようなユーザーをターゲットにしたものでしょうか?
マー氏 まず新製品のネーミングは、ダイナミックドライバーの口径の大きさとBAドライバーの数を意味しています。
「Nine」はφ9.25mmダイナミックドライバーをシングル搭載したもので、ナッシュビルで設計されていますが、本機のみ中国で生産されています。これは「FXA2」の後継とも言うべきもので、Shureの「SE215」を意識しつつ、価格帯はその約半分程度に抑えました。「Nine 1」は同様のダイナミックドライバー1基に加えて、BAドライバーも1基搭載したイヤホンで、より良い音質を求めるカジュアルユーザーに向けて開発しました。
「Ten 3」と「Ten 5」は主にミュージシャンに向けたイヤーモニターです。音楽プロデューサーやエンジニアにも是非使用してもらいたいモデルです。特にTen 5は、ニュートラルでフラットなチューニングが施されていて、とてもバランス良く仕上がっていますので、無機質な音にならないよう注意しながら、より解析的で音楽を正しく聴く用途に向いています。実際、友人のプロデューサーにも聴いてもらって、同意してもらいました。もちろんオーディオファイルにも向いていますよ。
Ten 3はもう少しロックやポップにフォーカスして、低域を少し増強しています。またTen 5よりも求めやすい価格に設定しておりますので、高い音質を求めたいけれど予算を抑えたいという要望にも合うと思っています。
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