公開日 2007/07/03 17:49
Zonotoneケーブル披露会が開催 − トライオードが今秋の新製品も発表
(株)トライオードは、同社が販売を手がける(株)前園サウンドラボ“Zonotone”ケーブルの披露会を開催した。
Zonotoneは、ハイエンドショウスプリングでデビュー(関連ニュース)した、元オルトフォンジャパン社長の前園俊彦氏が開発を手がけるケーブルブランド。なお、ハイエンドショウの際に発表された製品の型番や価格が一部改訂されている。詳しくは本ページの下段を参照されたい。
●トライオード「TRVシリーズ」の新製品3機種が秋に登場
発表会では冒頭、トライオードの山崎順一社長が挨拶。「トライオードを設立以来、13年目で初めての発表会で感慨深い。若いオーディオファンにもご購入いただけるよう、安価な製品を中心にラインナップを少しずつ増やして、これまで40機種、2万台以上の真空管アンプを販売してきた」と述べた。
山崎氏は、7月中に発売を予定する管球モノラルパワーアンプ「TRV-M88PP」にも言及。同社には珍しく、ペアで150万円程度の高級モデルだが、「オーディオ機器は部品が命。この製品は低能率のスピーカーも余裕を持って駆動できるよう、使いたい部品をふんだんに用いた」。TRV-M88PPの出力は200Wで、「クルマと同じで、トルクがあれば楽にスピーカーをドライブできる」という。なお、本機と組み合わせて使用するプリアンプを、秋頃に発売する計画も明らかにした。価格は80万円程度になるという。
同社製品の主力は、プリアンプ「TRV-4SE」やパワーアンプ「TRV-M88SE」、プリメインアンプ「TRV-35SE」などだが、この秋、これらのSEシリーズに3機種を追加することも発表。フォノイコライザー、USB端子搭載のD/Aコンバーター、CDプレーヤー「TRV-CD4」がラインナップに加わるという。同社のCDプレーヤーはこれまで筐体がシルバー単色だったが、CD4はSEシリーズと同様、赤色を用いるという。
●「純度はすべてに優先する」
続いて、今回の本題であるZonotone製品について、前園氏が解説。なめらかな語り口で、同氏が再びケーブル開発に携わるようになった経緯、製品の特徴について説明した。
前園氏はまず、「昨年5月に第一線を退いて、まずはLPコレクションの整理に取りかかった。これまでコレクションした22,000枚のLPに加えて、長岡鉄男氏のコレクションも加わったからだ。これを半年程度で仕分けして、もう一度聞き直そうと考えていた」と、オルトフォン・ジャパンを退社した後の状況を説明。そんな時、旧知の仲だったトライオードの山崎氏が自宅を訪ね、ケーブル開発の依頼を受けたという。快諾した前園氏は、さっそく今年5月20日に会社を登録。「起業するのはもっぱら若い方のようで、72歳のベンチャーは珍しいのでは」と笑う。並行して製品開発も行い、わずか数ヶ月間の開発期間で、ハイエンドショウでの発表にこぎ着けた。
前園氏は、6N銅や7N銅といった高純度素材を用いたケーブル開発で世界をリードしてきた。そんな前園氏が、「これまで蓄積したあらゆる情報と経験を活かした」と語るのが、今回のZonotoneケーブルだ。最もこだわったのが素材の純度で、前園氏は「純度はすべてに優先する。濁った血ではうまく栄養を運べないように、ケーブルに不純物が入っていれば、そのぶん信号は鈍り、位相にも悪影響を与える」と説明。具体的には、一般的なOFCケーブルの酸素含有度が10ppm程度なのに対して、6N銅や7N銅では1ppm程度になる。また、酸素以外の13種類の不純物についても、6N銅や7N銅がOFCに比べて圧倒的に含有量が少なくなることを、図表を用いて説明した。純度を上げるため、ゾーンメルティングやイオン交換法など、様々な方法を用いているとのこと。また純度のほかには、絶縁材の選定や構造、工作精度にもこだわって製品開発を行ったという。
●8月にMicropureの新製品「CZ201ES」が登場
発表会の最後に、同じくトライオードが販売を手がけるMicropureブランドのスピーカーについて、Micropure high performance speakers. 社長の福田三恭司氏が概要を説明した。Micropure製品は、ドライバーユニットが前面バッフルに点支持で取り付けられており、ユニットとキャビネットの間に隙間が空いている独特の構造を採用している。福田氏は、この構造をほかの実験中にたまたま発見したことを説明し、さらに現行のAP5001までの製品の系譜を紹介した。なお福田氏は、現在販売している「Cz302ES」の姉妹機として、8月に「CZ201ES」を40ペア限定で発売することも発表。キャビネットにホワイトアッシュの単板を採用したモデルで、価格は248,800円(税込)を予定する。
●Zonotone 製品ラインナップ
【Grandioシリーズ】
・インターコネクトケーブル「7NAC-Grandio 10」
RCA(1m×2)¥92,400
XLR(1m×2)¥96,600
・スピーカーケーブル「7NSP-Grandio 10」
完成品(Y/B端子付き 2m×2)¥135,450
切り売り(1m)¥21,000
・電源ケーブル「6NPS-5.5 Grandio」
1.8m ¥52,500
【Meisterシリーズ】
・インターコネクトケーブル「7NAC-5000 Meister」
RCA(1m×2)¥34,650
XLR(1m×2)¥38,850
・ツイン/バイワイヤスピーカーケーブル「6NSP-4400S Meister」
切り売り(1m)¥3,465
・電源ケーブル「6NPS-3.5 Meister」
1.8m ¥24,150
【スピーカーケーブル用アクセサリー】
・SPケーブル用コネクター「LUGY-8.5φ」
Yラグ4本組 ¥17,850
・SPケーブル用コネクター「LUGB-8.5φ」
バナナ端子4本組 ¥17,850
・SPケーブル用分岐端子「SP-BNK22φ」
22φ組み立てキット(2個入)¥6,300 ※受注品
(Phile-web編集部)
Zonotoneは、ハイエンドショウスプリングでデビュー(関連ニュース)した、元オルトフォンジャパン社長の前園俊彦氏が開発を手がけるケーブルブランド。なお、ハイエンドショウの際に発表された製品の型番や価格が一部改訂されている。詳しくは本ページの下段を参照されたい。
●トライオード「TRVシリーズ」の新製品3機種が秋に登場
発表会では冒頭、トライオードの山崎順一社長が挨拶。「トライオードを設立以来、13年目で初めての発表会で感慨深い。若いオーディオファンにもご購入いただけるよう、安価な製品を中心にラインナップを少しずつ増やして、これまで40機種、2万台以上の真空管アンプを販売してきた」と述べた。
山崎氏は、7月中に発売を予定する管球モノラルパワーアンプ「TRV-M88PP」にも言及。同社には珍しく、ペアで150万円程度の高級モデルだが、「オーディオ機器は部品が命。この製品は低能率のスピーカーも余裕を持って駆動できるよう、使いたい部品をふんだんに用いた」。TRV-M88PPの出力は200Wで、「クルマと同じで、トルクがあれば楽にスピーカーをドライブできる」という。なお、本機と組み合わせて使用するプリアンプを、秋頃に発売する計画も明らかにした。価格は80万円程度になるという。
同社製品の主力は、プリアンプ「TRV-4SE」やパワーアンプ「TRV-M88SE」、プリメインアンプ「TRV-35SE」などだが、この秋、これらのSEシリーズに3機種を追加することも発表。フォノイコライザー、USB端子搭載のD/Aコンバーター、CDプレーヤー「TRV-CD4」がラインナップに加わるという。同社のCDプレーヤーはこれまで筐体がシルバー単色だったが、CD4はSEシリーズと同様、赤色を用いるという。
●「純度はすべてに優先する」
続いて、今回の本題であるZonotone製品について、前園氏が解説。なめらかな語り口で、同氏が再びケーブル開発に携わるようになった経緯、製品の特徴について説明した。
前園氏はまず、「昨年5月に第一線を退いて、まずはLPコレクションの整理に取りかかった。これまでコレクションした22,000枚のLPに加えて、長岡鉄男氏のコレクションも加わったからだ。これを半年程度で仕分けして、もう一度聞き直そうと考えていた」と、オルトフォン・ジャパンを退社した後の状況を説明。そんな時、旧知の仲だったトライオードの山崎氏が自宅を訪ね、ケーブル開発の依頼を受けたという。快諾した前園氏は、さっそく今年5月20日に会社を登録。「起業するのはもっぱら若い方のようで、72歳のベンチャーは珍しいのでは」と笑う。並行して製品開発も行い、わずか数ヶ月間の開発期間で、ハイエンドショウでの発表にこぎ着けた。
前園氏は、6N銅や7N銅といった高純度素材を用いたケーブル開発で世界をリードしてきた。そんな前園氏が、「これまで蓄積したあらゆる情報と経験を活かした」と語るのが、今回のZonotoneケーブルだ。最もこだわったのが素材の純度で、前園氏は「純度はすべてに優先する。濁った血ではうまく栄養を運べないように、ケーブルに不純物が入っていれば、そのぶん信号は鈍り、位相にも悪影響を与える」と説明。具体的には、一般的なOFCケーブルの酸素含有度が10ppm程度なのに対して、6N銅や7N銅では1ppm程度になる。また、酸素以外の13種類の不純物についても、6N銅や7N銅がOFCに比べて圧倒的に含有量が少なくなることを、図表を用いて説明した。純度を上げるため、ゾーンメルティングやイオン交換法など、様々な方法を用いているとのこと。また純度のほかには、絶縁材の選定や構造、工作精度にもこだわって製品開発を行ったという。
●8月にMicropureの新製品「CZ201ES」が登場
発表会の最後に、同じくトライオードが販売を手がけるMicropureブランドのスピーカーについて、Micropure high performance speakers. 社長の福田三恭司氏が概要を説明した。Micropure製品は、ドライバーユニットが前面バッフルに点支持で取り付けられており、ユニットとキャビネットの間に隙間が空いている独特の構造を採用している。福田氏は、この構造をほかの実験中にたまたま発見したことを説明し、さらに現行のAP5001までの製品の系譜を紹介した。なお福田氏は、現在販売している「Cz302ES」の姉妹機として、8月に「CZ201ES」を40ペア限定で発売することも発表。キャビネットにホワイトアッシュの単板を採用したモデルで、価格は248,800円(税込)を予定する。
●Zonotone 製品ラインナップ
【Grandioシリーズ】
・インターコネクトケーブル「7NAC-Grandio 10」
RCA(1m×2)¥92,400
XLR(1m×2)¥96,600
・スピーカーケーブル「7NSP-Grandio 10」
完成品(Y/B端子付き 2m×2)¥135,450
切り売り(1m)¥21,000
・電源ケーブル「6NPS-5.5 Grandio」
1.8m ¥52,500
【Meisterシリーズ】
・インターコネクトケーブル「7NAC-5000 Meister」
RCA(1m×2)¥34,650
XLR(1m×2)¥38,850
・ツイン/バイワイヤスピーカーケーブル「6NSP-4400S Meister」
切り売り(1m)¥3,465
・電源ケーブル「6NPS-3.5 Meister」
1.8m ¥24,150
【スピーカーケーブル用アクセサリー】
・SPケーブル用コネクター「LUGY-8.5φ」
Yラグ4本組 ¥17,850
・SPケーブル用コネクター「LUGB-8.5φ」
バナナ端子4本組 ¥17,850
・SPケーブル用分岐端子「SP-BNK22φ」
22φ組み立てキット(2個入)¥6,300 ※受注品
(Phile-web編集部)