• ブランド
    特設サイト
公開日 2023/10/25 10:27

イマーシブオーディオはまさに「アメージング!」。ボブ・ジェームスと聴くAURO-3D体験

最新アルバム『Jazz Hands』も語る
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ニューアルバム『Jazz Hands』を引っ提げて来日公演中のジャズ/フュージョンピアニスト、ボブ・ジェームス。御年83歳を迎えてなお、精力的に世界各国をツアーで回っている。同氏とともに最新アルバムと、前作『Feel Like Making Live!』のイマーシブオーディオを聴く試聴会が、WOWOWのオムニクロススタジオにて開催された。

ボブ・ジェームス氏と最新アルバム『Jazz Hands』

『Feel Like Making Live!』は、ボブ・ジェームスのFourplay時代とソロの代表曲をセルフカバーしたライブアルバム。CDやアナログ盤などに加えて4K UHD BDでもリリースされており、そちらには「AURO-3Dフォーマット」も収録されている。そのAURO-3DのミックスをWOWOWの入交英雄氏が手掛けたことから、今回の試聴会が実現した。

CD、LPのほか、UHD BDでもリリースされたボブ・ジェームスの『Feel Like Making Live!』

コロナ禍という事情もあり、ボブ・ジェームス氏もAURO-3Dフォーマットの完成版を試聴するのは今回が初めてだという。まずはアルバム名の“元ネタ”である「Feel Like Making Love」を、2chステレオとAURO-3D(今回は7.2.4chで再生)で聴き比べ。AURO-3Dが再生された瞬間に、ボブ・ジェームス氏は思わず天井を見上げ、さらには身体を揺らしリズムを取り始めた。

32基のスピーカーが配置されたWOWOWのオムニクロススタジオ。AURO-3Dからドルビーアトモスまでさまざまなイマーシブオーディオ再生に対応する

再生が終わると、「アメージング!」と感嘆の声を上げる。「ステレオとイマーシブオーディオには大きな違いを感じます。イマーシブオーディオは、空間全体で音楽を感じますね。リスナーは、僕のピアノ位置で聴いているかのように感じるかもしれません」とコメント。続けて、「思い出したのですが、私は以前CTIレーベルで4chサウンドを収録したことがありました。ストリングスが後ろに配置されるなどなかなかおもしろい試みでしたが、多少技巧的というか、自然なサウンドには感じられませんでした。しかし、今回のイマーシブオーディオは非常に自然で、美しいサラウンドが実現されていますね」と感銘を受けた様子。

『Feel Like Making LIVE!』は、元々ステレオ用に収録された音源に、あとからイマーシブ成分をミックスして作られている。イマーシブオーディオの成分は、ベルギーのGALAXY STUDIO(AURO-3Dの誕生の地でもある)にて、「スピーカーから音源を再生し、その残響成分を13本のマイクで収録する」ことによって生み出されている。

GALAXY STUDIOでの収録風景。中央が入交英雄氏

ミックスを担当した入交氏も、「ライブハウスで最前列でかぶりついて聴く想定で音作りを行っています。マイクで収録することで、デジタル演算では実現できない自然な響きを得ることができました」と解説する。

後半は最新アルバム『Jazz Hands』から、9曲目「The Secret Drawer」を試聴する。「『Feel Like Making LIVE!』は明確なコンセプトがありましたが、この『Jazz Hands』はヒップホップやR&Bなど、さまざまな音楽スタイルを取り入れています。というのも、音楽の聴き方がストリーミング中心になり、1曲ずつ聴くスタイルに変わってきたからです。ですから、今作はあえて言えば“日記”と言える作品ですね」と制作背景を振り返る。

実は記者はこの試聴会の前日に、ブルーノート東京でマイケル・パラッツォーロ(ベース)、ジェームズ・アドキンス(ドラムス)との3人によるボブ・ジェームス氏のトリオ・セッションを鑑賞したばかり。「The Secret Drawer」はライブでも披露され、若い2人をグイグイと引っ張るボブ・ジェームス氏の“ピアノの魔術師”ぶりにはすっかり驚かされた。

その強烈なインパクトが頭の中にまだ残った状態だったが、改めて完成した録音を聴くと、細かな指先のニュアンス表現やミュージシャンたちの息遣いもしっかり伝わってきて、ライブ体験とはまた違った気づきをもたらしてくれる。ボブ・ジェームス氏も、evosoundレーベルが追求する「クオリティの高い映像・音楽制作」には一目置いているようで、そのこだわりの一端を改めて理解することができた。

ボブ・ジェームス氏は最後に、「このスタジオ(オムニクロススタジオ)を自宅にも作りたいね!」とイマーシブオーディオにすっかり感激した様子。新作『Jazz Hands』のイマーシブ化も今後期待したいところだ。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
2 ゼンハイザー、イヤホン・ヘッドホンが最大43%オフの「冬支度セール」開催。11/12まで
3 ブラピとステイサム、賢いのはどっち?86カラットのダイヤを巡る予測不能のクライム・ムービー
4 江口洋介「ロングドライブも最高の音質で」。新型アウトランダーPHEV発売記念イベント開催
5 【ミニレビュー】スーパーコンピューターの内部配線材を使ったSPケーブル、Architectura「K2」
6 アキュフェーズ新製品試聴会、11月23日&24日に大阪で開催
7 ハイエンド・ブックシェルフスピーカーの新たな息吹。音楽職人が立ち上げた新興英国ブランド・KUDOS
8 ロングセラーの中核スピーカーにKOREテクノロジー投入。DALI「RUBIKOREシリーズ」の実力を聴く
9 REVOX、回転制御/プリアンプ設計技術を存分に注ぎ込んだアナログプレーヤー「STUDIOMASTER T700」
10 フルテック、フラグシップ・電源タップ「NCF POWER VAULT」の国内受注を開始
11/7 10:25 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX