サンヨー、高画質ムービーを長時間記録できるSDデジタルムービーカメラを発売

「DMX-C1」と三洋電機（株）久保盛弘氏

●三洋電機（株）からSDメモリーカードを記録媒体に採用した、小型デジタルムービーカメラ「DMX-C1」が11月7日に発売される。価格は75,000円。本機は同社から発売中の動画デジカメ「Xacti（ザクティ）」シリーズに新しくラインナップとして加わるモデルとなる。

本機には同社が新しく開発した、有効320万画素4画素混合動画対応原色CCDが搭載された。光学5.8倍（デジタル併用60倍）対応のズームレンズと併せて、高画質ムービーを手軽に撮影できる。

また、新たに開発された画像処理システムLSIにより、MPEG-4方式によるVGA30フレーム/秒の高画質な画像をSDメモリーカードに長時間記録できる。512MBのSDメモリーカードを使えば、最高画質で連続30分のムービーが撮れる。発売が予定されている1GBのSDメモリーカードでは約1時間の高画質ムービーの記録も可能だ。音声の記録では、MPEG-4オーディオ方式に対応し、16bitの高音質ステレオ録音が可能。リアルな音声を記録できる。

本機ではさらに、本体背面にムービー撮影用ボタンと静止画撮影用ボタンを分けて配置し、モード切替をせずにムービーと写真をダイレクトに撮影できる。ムービーの撮影中にも320万画素の静止画が記録できる。

本体の特徴的なデザインは、人間工学の思想を基礎に、片手で簡単に静止画も動画も撮影できるような工夫が凝らされている。大口径ズームレンズとボディには、手に持ちながら撮影する際に最適な角度が付けられている。野外でも視認性の高いTFT液晶モニター「サファイアビジョン」を搭載。充電・テレビ接続・PC接続が手軽に行える「ドッキングステーション」も付属する。

本日、都内の施設において本製品の発表記者会見が催された。会場では、同社DIソリューションズカンパニーの副社長・久保盛弘氏が挨拶を行った。同社では、欧州を中心に順調な伸びをみせるデジタルカメラ市場が本年さらなる成長を遂げると予測する。「今後はテープメディアからメモリーカードへメディアも変化するでしょう。長時間＋高画質の動画撮影を手軽に楽しめる本機を業界の先端を行くスピードでリリースし、サンヨー独自の特色がさらに強力に打ち出すことができました」と、本機に期待を寄せる久保氏。2005年頃の1GBで1万円を切るSDメモリーカードの登場、ファイル圧縮技術の進歩、CCDの高画質動画対応など、デジタルカメラをめぐる環境がますます進化していく中で、積極的に業界をリードしていく姿勢が、この日強く宣言された。

以下に本日の発表会で行われた質疑応答の模様を簡単にご紹介していこう。

Q：スタンバイ時の消費電力はどれくらいか
A：電源OFF時には150マイクロアンペアほど、電源ON時に液晶パネルを畳んでいる状態のスタンバイモードでは300マイクロアンペアほどだろう。いずれにしても、電池の消費には気にならない程度の電力消費と考えられるレベルだ

Q：今回本機にMPEG-4方式を採用した理由は
A：ISO標準のMPEG-4方式（.MP4）に準拠することで、近い将来登場するであろう、様々なネット家電やPC関連製品にも対応できるようにしたかった。音も映像も、両方で標準的なフォーマットを採用することで高い互換性を確保したかった。

Q：高画質で長時間記録できるとなると、そのファイルサイズもかなり大きくなってくるが、ストレージ関して独自の提案は考えているか
A：撮影したムービーファイルはPCのハードディスクに保存して、残したい映像をDVDへ書き出すなどして楽しんで欲しい。PCのスペックの問題、スキル面でのハードルは、今後ビデオ用の、簡単に操作できるポータブル・ビュワーなど新しいエンターテインメントが登場してくることで解決されるのではないだろうか。当社ではまだこのような製品の企画は行っていない。

Q：今回発表された製品の、今後の進化への見解をうかがいたい
A：静止画も動画も高画質で撮れるカメラへのニーズは今後ますます高まっていくだろう。今後の課題としてはより小型で高倍率のズームレンズをつくっていくことだろう。またデジタルTVの普及が進めばHD対応の機器を企画開発していく必要も出てくると思う

【問い合わせ先】
三洋電機株式会社　コンシューマ企業グループ　DIソリューションズカンパニー
お客さま相談係
TEL/072-870-4184

（Phile-web編集部）