• ブランド
    特設サイト
公開日 2005/11/02 16:27

NHK技研、75周年記念イベントを前にスーパーハイビジョン生中継実験を実施

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
NHK放送技術研究所(NHK技研)は、75周年記念イベントを明日11月3日(木・祝)に開催する。同イベントでは、スーパーハイビジョンシアターの上映や、放送技術の体験、最新の放送技術の展示などが行われる。本日行われた報道関係者向けのプレスプレビューでは、世界初のスーパーハイビジョン生中継実験が行われた。


450インチスクリーンに映し出された鴨川シーワールド

約260kmを非圧縮で光伝送した

DWDM方式で16の光信号を多重伝送
本実験は、鴨川シーワールド(千葉県)で撮影したスーパーハイビジョン映像を、約260km離れたNHK技研(東京・世田谷)に非圧縮で伝送し生中継を行うというもの。解像度7680×4320ドットの大容量のデータ伝送には、複数の通信会社の光ファイバーを繋いだ光伝送路を用いている。

鴨川シーワールドには2台のカメラと複数のマイクを用意。NHK技研では映像記録装置を合わせた計3種類の映像をリアルタイムで切り替えを行うとともに、22.2chの立体音響による音場再生を成功させた。また、シーワールド側のアナウンサーとNHK技研側のアナウンサーの会話のやりとりもスムーズに行われ、生中継で懸念される遅延性の低さも証明した。


16波DWDM光受信装置

スクリーン下に設置された巨大なサブウーファー

スーパーハイビジョン映像は2台のプロジェクターの投射光を重ねて表示する
今回の実験では、収録した音声/映像を16波のHD-SDI信号に分けて波長の異なる16の光信号として多重伝送するDWDM方式を用いることにより、1本の光ファイバーで伝送することが可能となった。HD-SDI信号は1波あたり1.485Gbpsの伝送が可能。16波で約24Gbpsの伝送を実現している。伝送路には、丸山、木更津、白井、新宿の計4箇所の中継路を用意。各中継所に光増幅器を設置することで、約260kmの伝送を実現した。

NHK技研は、一般家庭でのスーパーハイビジョンの放送開始目標を20年後とし、その実現に向け研究・開発を進めている。実験の説明員は世界初の同実験について、「遠くの映像をリアルタイムで映し出すことが可能となり、スーパーハイビジョンがようやく『テレビ』の仲間入りを果たした。16波同時、非圧縮の伝送を実現したことに大きな意味がある」と語った。音声伝送では32本の回線を同時に伝送でき、マイク1本1本の音を送れるようになったことが大きな成果であるとした。またしかし、撮影現場では十分な3次元のマイクセッティングが難しいことや、立体音響を確認できるモニター環境がスタジオにないなどの問題点を挙げ、今後の課題であると説明した。スーパーハイビジョンの実用化に関しては「圧縮技術の開発が進めば数百Mbpsの転送速度で実現できるのではないか。衛星放送の場合、21GHz帯を利用した伝送方法が考えられる」と説明した。


あす開催される75周年イベントでは、450インチの大画面で鴨川シーワールドからの中継番組(収録)を上映するほか、愛知万博スーパーハイビジョンシアター上映番組も見ることができる(要招待券)。また、本年5月に同所で行われた「NHK技研 公開展示」で見ることのできた最新の放送技術の展示も行われる。さらに放送技術の体験コーナーも用意しており、音声を自動認識して字幕化する技術や、「超スローモーションカメラ」を使ってゴルフ・バッティングの瞬間を撮影する体験などを用意している。会場入り口では「75年の歩み」と題した展示を行っており、これまでの研究成果を年表と当時の機材で紹介している。

2006年4月1日放送開始の「ワンセグ」の受信デモ

1秒間に最大で100万枚の高速撮影が可能な超高感度カメラの映像


開発中のサーバー型放送のデモ画面

視聴者の方から貸し出された貴重なブラウン管テレビなどを展示
(Phile-web編集部)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 B&Wの人気シリーズ、トゥイーター・オン・トップ式ブックシェルフ3機種の魅力を探る
2 ゼンハイザー、イヤホン・ヘッドホンが最大43%オフの「冬支度セール」開催。11/12まで
3 ブラピとステイサム、賢いのはどっち?86カラットのダイヤを巡る予測不能のクライム・ムービー
4 江口洋介「ロングドライブも最高の音質で」。新型アウトランダーPHEV発売記念イベント開催
5 【ミニレビュー】スーパーコンピューターの内部配線材を使ったSPケーブル、Architectura「K2」
6 アキュフェーズ新製品試聴会、11月23日&24日に大阪で開催
7 ハイエンド・ブックシェルフスピーカーの新たな息吹。音楽職人が立ち上げた新興英国ブランド・KUDOS
8 ロングセラーの中核スピーカーにKOREテクノロジー投入。DALI「RUBIKOREシリーズ」の実力を聴く
9 REVOX、回転制御/プリアンプ設計技術を存分に注ぎ込んだアナログプレーヤー「STUDIOMASTER T700」
10 フルテック、フラグシップ・電源タップ「NCF POWER VAULT」の国内受注を開始
11/7 10:25 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.194
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX